2008年 11月 12日
日経産業のマイクロフォーサーズの記事
  本題に入る前に、BCN週間ランキングが11/3-11/9ベースに更新されG1他各社の秋の一眼が全て出揃った。売出初日効果が明けたところで、パナのG1は勢いが衰えるどころが絶好調。G1のダブルズームブラックが7位を維持。上位6位までは秋シーズン以前に出された機種で価格訴求が強い中で、50D、D90,K-m等の他社を押さえて秋モデルでは最上位をキープ。加えて11位~20位には他のバリエーションが続々ランクインし、全体でも二強に続く3位を維持。マイクロでパナが完全に「離陸体制」に入ったのは間違いないようである。



 表題の記事は、日経産業新聞に出たもの。比較的大きな記事なので見た人も多いかもしれない。「新規格デジタル一眼、小型・軽量女性に照準-パナソニック、オリンパス」というマイクロフォーサーズに関するもの。

 記事によると、先ずG1に関しては中高年の女性向けを意識して作ったものであるがそれにとどまらず、店頭では年季の入った「ベテランとおぼしきカメラファンが目立つ」とのこと。主要ターゲットである女性層に加えて、カメラにこだわりのあるハイアマチュア層がまず飛びついていることからヨドバシのマルチメディアAkibaの販売担当者によれば「認知度が高まれば、ヒット商品に化ける可能性がある」とのことだ。

 そして、パナソニックが今回ありとあらゆる手法でこのG1を訴求していることに触れている。人気女性月刊誌とのタイアップ企画や、同社のオーブンレンジ「ビストロ」で作った料理をG1で撮影するリポートを、人気料理サイトで企画等々、白物家電との連携も含めてとのことだ。そう言えば今日本屋で、「カメラ日和」の別冊としてG1のムック本がもう出ていた。ちなみに、TV-CMを含め広告投下量は「プラズマテレビ「ビエラ」並み」とのこと。もう、これはパナソニック総力をあげての本気モード全開のようである。個人的にはもう、この意気込みとパナが「本気で勝ちにいっている」と言う姿勢だけでマイクロ、Gシリーズは相当いくと思った。

------------------

 これに、合流するオリンパスのマイクロ機に関しては、フォトキナのモックアップモデルを「オリンパスの往年の名機「ペン」をほうふつとさせる。」とした上で、小川本部長の談話を紹介。G1より小さい印象だが、「小型・軽量イメージだけでなく、撮影性能の違いを出したい」とした上で、親しみやすさのパナに対して、同じ女性でも「写真を作品として楽しむ、こだわりのある女性ユーザー」向けに「最低限ポケットに入るほどのスリム化が不可欠」としている。

 ちなみに、オリはE-420で女性を開拓し、女性ユーザー比率が約3割と業界では突出した女性ユーザー比率であるとのことだ。なかでも未婚や、子どものいない女性が多いとのことで、パナと逆にオリはこだわりのある女性から囲い込んでいく戦略であるとのことだ。そして、オリとしてはマイクロを「今後、映像や音などマルチメディアに対応するカメラに育てたい」とのことである。

----------------

 何れもキーワードは女性。そして、パナソニックとオリンパスがそれぞれ(相談したのかどうかはわからないが)別の切り口から攻めあげていくようである。どちらかと言えば女性ユーザーとなると、最近キヤノンさんが新聞で出しているキスデジの広告ではないが、「若いママが我が子をきれいに撮る」的なママデジ的売り方がセオリーだったが、そこにはまらない女性層をこのマイクロで両社が囲い込む戦略にも見えた。

 女性ユーザーの取り込みと言うことではE-30の新聞等での取り扱いやオリのリリースを見ると、E-30はミドルクラスのDSLRでは珍しく、女性、20代から30代の写真好きの女性の取り込みを意識している。E-420等でとりこんだ女性ユーザーや今後マイクロで取り込んでいく女性ユーザ等も含め、そこから更にこだわりを持った女性のためのミドルクラスというのを意識していると思われる。実際、今回オリがE-30の売りの一つにしているアートフィルターも、(ここに多い)おじさん達には今ひとつ琴線にふれないようだが(笑)、実際、今どきの「カメラ日和」であるとか「女子カメラ」等々、女性読者の多い写真誌にある写真をぱらぱら見られると、あのアートフィルターの色々な効果の「模範例」と思われる写真で一杯だ。(私などはこれら一連の雑誌にある雰囲気は「カメラ日和調」とでも呼びたいぐらいだが、、)

----------------

 と言うわけで、逆に今オリは目立った新機種もなく苦戦している。(苦笑)しかし、その多勢からパナが1抜けしたことにより、DSLRは二強以外ではパナ、ソニー、オリ、ペンタックスとほぼこれに収斂されたように思う。オリンパスは、中間決算発表を見ると二強同様大幅減益になったが、ともかくも通期でも黒字が確保する様子。デジカメ全体の台数は下方修正したが、DSLRは当初予算通り60万台(前年50万台)と見通しの変更はなかった。第二章スタート時に盛り返した日本でのシェアはまた少し戻った(落ちた)が全体では何とか目標クリアー出来そうである。

 中間決算も出揃ってきた中で、やはり正直厳しそうなのがペンタックス、4-6月期もペンタックス事業はわずかに赤字だったが、上期で赤字幅が拡大し、黒字の医療機器を入れてもデジカメ合算のペンタックス事業総体では24億円の赤字で今期四半期ベースでも黒字化になるのは困難との見通しである。ちなみに、買収ののれん償却費用は12億円のため、この償却がなかったとしても赤字と言うことだからかなり厳しい状況のようである。

  ちなみに、オリンパスも医療部門で英国ジャイラス社を買収したのれん償却を抱えて減益となっているが、償却を飲み込んだ上での事であり、むしろ営業CFでみれば増加し、手元キャッシュは期初よりも増加させている。映像事業も、下期だけでは若干の赤字。ただ、販促、研究開発の減額はしない模様である。(これでも通期では黒字を確保する。)この辺は11月11日の日経紙に記事が上がっていたが、オリは来春以降はコンパクトの新製品から値上げを検討するようである。個人的にはぶっちゃけ、オリは恐らくコンデジは儲かり且つ在庫コントロールの引き続き効く範囲内でとどめ、来期はフォーサーズとマイクロフォーサーズにリソースを集中するのではないかと思う。ちなみに、この記事によれば富士フィルムやカシオのデジカメ事業も厳しそうである。

--------------------

  ここで、見てきたように今年に入りDSLRとしてはオリ、パナのフォーサーズ陣営以外は従来のAPS機より単価の高いフルサイズ一眼へ戦線を拡大、または強化してきた。デジカメ自体がはっきりと減速してきた中で今まではDSLR自体は好調にシェアが伸びている。ここに来ての未曾有の景気変動をオリ、パナのみ1年前から予見していたと言うことはないだろうが、これからの景気低下局面を見れば、、

・他社が展開したフルサイズを頂点とするDSLRよりはフラグシップ機以下ボディラインナップ全体でが明らかに割安な価格ゾーンに収束しているフォーサーズDSLRと、
・今後予想されるコンデジの低価格競争を回避しつつ、コンペティターのいない市場を先行してとりにいくマイクロフォーサーズ
を両輪に攻めていく戦略というのは今回、今までになくパナソニックが力を入れていることも考えあわせると、オールフォーサーズとしてのシェアが結果的に大きく伸張するチャンスではないかと思えてきた。松下幸之助の言う「好況良し、不況なお良し」の状況ではないだろうか?

  この辺は、オリ、パナで絶妙のコンビネーションを見せて結果的に「フォーサーズとマイクロで食い合ってオールフォーサーズでは大してシェアが伸びなかった」というのでなく、フォーサーズで取ったシェアを(微増でも)維持した上で、マイクロで更に大きく上積みすると言う形になればと思う。景気低迷をてこになどというといささか不謹慎なのを承知であえて言うとすれば、この時期に敢えて逆バリのマイクロを投入し、小さい撮像素子で踏ん張るオリ、パナにはチャンスかもしれない。来年の今頃オールフォーサーズとしてのシェアがどうなっていくのか興味深いところだ。
[PR]

by Hiro_Sakae | 2008-11-12 23:11 | E,Pen-system関係


<< 【御礼】ユニークユーザーアクセ...      Sigmaがついに、、 >>