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2008年 12月 07日
E-30を見に行ってきました。
  冒頭恐縮ですが、カメラもCFカードも持たず出てしまいました。m(_ _)m。午後から次の用事があったために引き戻すことも出来ず、しかし、短時間ではありましたが百聞は一見に如かず、、、腹は固まりました。会場の雰囲気はデジカメwatchの記事を見てイメージして頂くとして、アトランダムではありますが、気付いたことなどなど、、

【追記】
Raw現像をされる方へ、
恐らくオリスタ及び、サードパーティ製ではSilkyPixなどは比較的間もなく対応するものと思われるが、今回はアドビのCameraRaw及び、DNGコンバーター(5.2)も機種名は書かれていないがE-30に既に対応している。ただ最終ベータ版で対応をしたために若干色味等は最終版と相違するかもしれないがとのこと。デモではきちんと開けていた。(正式版では3月頃目処に対応予定)従って、ACR5.X対応ソフト並びにCaptureOne等のDNGファイル対応ソフトであれば、E-30に関してはリリース当初からRawが利用出来る見込み。



  朝一番で入ったこともあり、E-30をすぐに触ることが出来た。オリの方が何人かいらっしゃったのであるが、その中でPassion for Bestにも出ておられる某さんがいらっしゃったのであれこれ触りながらお話を聞くことが出来た。

1.触った感じ等々
  やはり、E-3と比較すると軽い。外装はエンプラではあるが、(Mixi支店に少し書いたけど)オリUKのSpec表を見る限りでは、同じエンプラでも、E-410の時、そしてこのE-3では素材がグレードアップしている様だ。実際、フリーアングル液晶の立て付けや、フラッシュをポップアップさせたりもどしたりした際にも、かっちりしていて感じは悪くなかった。露出補正等のボタンの感触はE-3の独特な感じと違って普通。押し込み感がやや浅くなっているものの人によってはこちらの方がしっくりくるかもしれないという印象だ。例のオンオフスイッチの位置も慣れの問題のように思った。小さく、軽くなったとは言えベースはE-3と同じであるためグリップを握った感じもしっかりとしているので、重量級レンズを使う際にも何ら問題は無いという印象。全体的な印象はやはり、E-xxx機とは違う。

  「裏側から見ると、よくわかりますよ」とE-3とE-30をひっくり返して底部の形状を見たがほとんど同じ。「なるほど、で何で出来上がると重量だけでなくE-30の方がこんなに小型になるんですかねえ」と聞いてみたが、結局液晶の上部のラインより上の軍艦部からペンタ部にかけてのデザインに尽きるようだ。すなわち、あのE-3のペンタ部とのデザインにあわせて、E-3の場合はデザイン上上部は大きく作ってあるとのこと(特にボディの肩の高さ)。極端な話、ペンタ部だけぼこっと目立っても良いのなら、E-3も肩の高さはE-30と同等のラインまで小さくできるようだ。デザイン上の処理と、ペンタ部の処理でうまく折り合いが付けば、(重量はE-30並は無理にせよ)E-Xももっと筋肉質の小型化は出来るようである。ただ、やはりE-一桁機に関しては、この光学ファインダーの見えとキレと倍率を譲ってまで小型化はするつもりはないようだ。

 他社比、画素数がイマイチのため期待していなかった液晶もわずかながら大きくなっただけでなく、少なくともE-3よりは見やすい液晶になった。比較すると一目瞭然である。そして、ファインダー。これもE-3をのぞいて、E-30をのぞけばやや小さいのはわかるが、E-520との比較では、倍率もさることながらこれは全くの別物という感じである。これは後で別の人に聞いたが、カタログにもあるように大きさこそE-3に一歩譲るプリズムではあるが、作りから、リレー系のレンズのコーティングに至るまで手間暇はきちんとかけているようである。アイポイントを深く取っていて私のようなメガネ利用者でも見やすいが、遠く感じるわけでもない。また、それだけ手間暇をかけた上で、多少E-3より倍率を下げたせいかわずかであるが、E-3よりファインダーが明るい印象も受けた。E-3の倍率下がって、視野率下がった→チープという印象はないので、これはファインダーが気になる方は実物を試してもらいたいと思う。

2.AFとZD14-54II等について

 コントラストAFは、G1の爆速コントラストAFにはかなわないが(笑)、E-520対比20%アップのうたい文句通り高速化が測られているのを実感した。またアートフィルターの処理も全てを試したわけではないが、2秒程度(アートフィルターは後述)。位相差AFに関しては、E-3と同様というか、同じだ。快速である。E-420以降のボディで非コントラストAFレンズでもMF拡大を使えばぱたぱたAFとならずにコントラストAFが出来る技を試してみたかったがこれは残念ながら出来ずじまい。一方5倍、7倍、10倍拡大で拡大したままスクロールが画面上をスクロール出来る仕様になっている。

 ZD14-54IIに関しては、カタログ通り。E-30に装着する標準ズームとして当初はZD12-60も選択肢に上がっていたようであるが、軽量を打ち出すのにこのZD14-54となり、コントラストAFが出来ないままというわけではいかないので、ZD14-54IIとなったようである。

 コントラストAF対応の話が出たので、これが出たと言うことは現行ZD14-54はファームウェアバージョンアップでの対応は無いか聞いたがこれは無さそうな感じだった。詳細は端折るが、特に竹以上のレンズのコントラストAF対応に関しては、今回E-30に入れたことやその後(お話しでは)恐らく次期E-3にも搭載されるようなので、これはオリンパスとしても認識している。
 ただ、SWDだとかDCモーターだとかそういうところでなく、どうやらコントラストAF対応させるには、かなりの量レンズに書き込みをする事が必要で、これがレンズに現行搭載されているROMの容量によりすんなり出来るものと、無理っぽいのがあるようである。

 従って、恐らく竹以上のレンズの比較的新しく出たものや、元々ROM容量に余裕のあるレンズはファームウェアバージョンアップで対応するものの、古いものにそうでないものが一部あるとのこと。今回のZD14-54などは後者だと思え、推測であるがそういうレンズは今回の様にリプレースの形で更新すると思う。何れにせよ、この辺のところの対応をどうするんだという声が相当寄せられているのも認識しているとの事であった。

3.肝心のハード、新機能について

 これは、上記の方の話と、渡辺さんのプレゼンや、斉藤さんのセミナー等ごちゃごちゃであるが、気の付いたところから。

a.新型Live-MOSのダイナミックレンジについて
  結論から言って、特にダイナミックレンジに関しては画素数が上がったにもかかわらず、この3代目Live-MOSにて完全にKAFを凌駕したかなと言う印象だ。渡辺さんのプレゼンでは、社名はあえた伏せてあったが、A社10.1MPCMOS(恐らく40D)、B社12.3MPCMOS(恐らくD300)と同一条件で空を写した写真が出されていたが、日光が当たり白く光っている雲の階調は明らかにE30の方が粘っていた。

  去年、E-3は一桁機でありながら、40D、D300と比較され若干悔しい思いをしたが(苦笑)、今回はE-30と言う「ミドルクラス」同士で、苦手のハイライト側の粘りも大いに改善されている。渡辺さんの説明では新Live-MOSとTruePic3+により、E-30でダイナミックレンジは、現行Live-MOS対比、元々強い安ダガー側の伸びを温存したままでハイライト側を1段伸ばしたということだ。

  加えて、斉藤巧一郎氏のセミナーでの作例において氏の好きなE-300で撮った作例とE-30で撮った作例を色々見ることが出来た。どれも氏が逆光を入れて撮られているものが多かったのだが、パンチの効いたメリハリという点ではE-300は相変わらず捨てがたい魅力を持つものの、逆光気味の空の青、あるいは陰になった樹木の部分等モニター越しでも明らかにE-30の方がねばり強く色を残しているのがわかる。

  今回画素数も上がっているので、ダイナミックレンジに関しては本当に改善しているのか幾分???のところがあったが、今まで特にこの白飛びの部分の改善に関してわざわざ他社比較まで出してアピールすることは無かったので、もしこの通りならまた一つE-systemの弱点が詰まったのかなと言う気がした。

b.新しいアジャスト機能として、露出基準調整機能
  E-3にない、アジャスト機能としては、電子水準器や、レンズ毎のAF微調整機能が既に知られているが、露出基準調整機能は気付いていただろうか?私は、今日カタログを見ていて初めて気が付いた。これは露出補正機能とは別物の機能だ。

  例えば、絞り優先AEで1/3段マイナス露出補正をかけるとする。通常の露出補正ではシャッター速度が1/3段早くなり露光量が調整される。すなわち補正をかけると、絞り優先AEなら、シャッター速度が、シャッター優先AEなら絞り値が動いて補正されるわけである。
  これを露出基準調整機能で1/3段マイナス補正すると、絞り値も、シャッター速度も一定でISOが1/3段動くという感じである。(これだけをとれば、Pentaxのハイパーのマニュアルに近い)

  勿論、こういう都度こういう使い方をしても構わないが、説明によるとメーカーが考えるISO100による適正露出が必ずしもE-3クラスのユーザーでは適正で無い場合もあるということ。すなわち、Raw現像を前提とする人であれば、いつもアンダー目に撮っておく(常時マイナス補正)という人もいれば、もう少し明るめが好きな人、あるいはシチュエーションによって変えたいという人もいる。特にリバーサルなどをやっていた人では同じISO100でもフィルムにより微妙に暗めで扱くが出たりと色々癖があったとのことだ。

  すなわち、メーカーが考える「これがISO100の適正露出」というのを、ユーザー側でも好みに応じて調整してくださいということ。従って調整幅は上下1段でステップを1/6段刻みでお好みのデフォルトに微調整出来る機能とのことである。実際例えば、E-3でいつも1/3段アンダーが好みと言う人であれば、最初からマイE-3の適正露出値をこの調整機能で調整しておくという使い方であろう。また露出補正なら1/3段刻みが限界であるが、これはその倍の1/6段で微調整が効く。この辺は、デジタル水準器、AF微調整と共に次期E-3では当然搭載してきた欲しい機能だと思った。

C.アートフィルター機能について、

  今回、この6つのテイストに決めるに当たり、社内やプロの意見でもテイストまでメーカーが押しつけるのかという意見もなかったわけではないが、とりあえず提案してみたので、これを使って頂き、やはり微調整出来るようにすべきとか、こういうのも欲しいというのを是非フィードバックしてくれとのことであった。実際に「例えばここあるテイストはPCでフォトショップ等で全てやろうと思えば出来るのか」と聞いてみたら「やろうと思えば出来る」とのこと。ただ、実際にやるとなるとめちゃくちゃ面倒ですよとの話だ。

  その後、渡辺さんの説明でもされていたが、例えば、ポップアートならただ単に派手に彩度を上げただけでなく、彩度の高いものはあげるが、人間の肌はほとんどいじらないとか、ラフモノクロームの粒子の粗し方も、モノクロームフィルムの粗い感じのつぶつぶに似せるようにしているとか、ソフトフィルターもと言う感じだ。また説明を受けた方の話でも、これらをいちいちレイヤーを何枚も作って加工した上で、それぞれの写真に統一してデイドリームという色調をいじさせようとなると結構大変ですよと言うことで、これを極めて短時間にカメラでぽんと出せるところを楽しんでもらいたいようである。また、実際にはRaw+Jpegで撮れるので、これらのテイストをお手本にしてあれこれRawをいじられるのも良いのではと言う話であった。

  そして、やはりあのTruePic3+の図にあるように、画像解析をしその場でアートフィルター部で画像処理する際にハードからの情報とも連携しつつ最適の処理を施すようであるのでこれはこれでやはりオリが言うように実際にやろうと思えば難しいことをしているのかもしれない。また実際に、このフィルター群を使ってあれこれ試してもらったところによるとプロアマ問わず、自分にフィットして多用するものというのが、2、3に絞られてくるとのこと。マイ設定でワンボタンで呼び出せるようにも出来るので、普通に使っていて、例えば自分の中で「ここはデイドリームだ」という場面に出くわした時に、すかさずそれで撮るというのも可能だと言うところ。講師の斉藤氏自身も最初はぴんと来なかったらしいが、作例撮影のためにと言うことで使っているとやはり、「このシーンにはこれが、、」と使いたくなることが出てきて、「とにかく使ってみて下さい」との事だった。

  多重露出も、それで出来る絵はセンスが要求されるのだろうが(笑)、操作自体は極めてあっけなく出来る。

D.しかして、、、

  E-system第二章の中でE-410,510,3でトリップ、ジャーニー、アドベンチャーと位置づけた時、E-30で付加するものは、クリエイティビティー、そう言う行動範囲の拡大とは別の日常の中でも視点を変える、あるいは意識を変えるところからまた違う世界が拡がるんじゃないかという提案のようである。Go Find Your Wondersのまた違ったアプローチの提案と言うところのようだ。

  つまり、ダイナミックレンジも拡大した新型Live-MOSをベースに、アートフィルターや多重露出と言った新しいアプローチだけでなく、AF微調整、電子水準器や、露出基準調整と言った新たなカスタマイズ機能もそれらも同じく既存のE-systemボディのクリエイティビティーの拡張という路線上に付加されたと思える。

  防塵防滴ボディや、あるいは連写速度、AFの多点化と言った改善とはまた違うアプローチでのE-systemの強化とも言えるだろうか?

  以前も書いたが、私的にはE-30は特に今回の機材入替でフォーサーズをZD竹以上を中心に集約した以上、E-3と相棒を組むという意味ではやはりE-30を入れてみようと思った。そして、ミドルクラスをここまで上げた上で、次期E-3がどこに行くのか?値段の問題や、個々を見ればメリットデメリットが交錯するが、ようやく、他社対比でも(優劣は別にしても)「他社ミドルクラスのボディ」とE-systemのミドルクラスボディ同士で比較出来る形になったというところだ。ただ、他社はAPS-Cのこのクラスより上は敢えて言えばNikonのD300位で後は全てフルサイズの範疇である。ここに、次期E-3は新たにどんな切り口を見つけまた、E-30対比E-一桁機の「格の違い」を見せるのか?E-30も第一印象対比じんわりと良さが見えてきただけに、そちらも大いに期待がふくらんできた感じだ。

と、まとまりなく、、この辺で。

 

by Hiro_Sakae | 2008-12-07 17:00 | E-x,E-xx関係


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