2009年 06月 29日
後は、E-P1の扱いを見て少し愚痴というか、、
いえ、別にE-P1自体がどうこうというのでもないし、これはフイルムカメラ特にOM世代からのオリファンとして、率直に感じることがある。別に今書いても、いつ書いても良いのだがお腹に入れておくのも何なのでE-P1の実物を見た日に書いておくとしよう。

ぶっちゃけ、Penのフィロソフィーの継承はわかったけど、OMのフィロソフィーはどうなったんじゃい!と言う与太話である。
【追加】
Tomoartさんのコメントに呼応するわけではないが、節目に合わせるなら2012年はOM誕生40周年。遅くともこれぐらいには何とかならないかなあと、、そして2012年はOMの終了アナウンスから丁度10周年である。「10年の沈黙を経て今蘇る」、、良いかも、、



E-P1を打ち出すに当たって、オリンパスはこのシリーズに往年のPenの名前を復活させた。またその復活に当たっては丁度Pen誕生50周年にも当たるために、これの記念行事も重ねた。つまるところ、ユーザーが勝手に、このE-P1にペンのイメージを重ね合わせると言ったものではなく、オリンパスが「正式に」Penのデジタル版での後継としてこれを認めているわけである。

そして、当然の様に往年の先代と同じ「Pen」を名乗り、Zuiko銘のレンズを付け世に出た、PenFのアダプターこそ無いが、OMのアダプターも「市販品」として正式に用意され、それらのレンズを使う時のみに有効なMFレンズの焦点距離入力も搭載されてである。

また、オリンパスのネット等の発言を見ていると、いくつかのデザインの中でユーザーの意見を参考にした結果、あのPenFを彷彿とさせるデザインになったということである。が、結果的にはデザインも「PenFの後継」を意識させるものとなっている。要は、名実共にPenを復活したという立ち位置が明確にされているわけだ。

この、新しいマイクロのシリーズを出すにあたってフイルムのPenシリーズを復活させたことに関して私は特に意義はないし、むしろやってくれたな!と好意的に見ている。この小粋で小型な新しいカテゴリを切り開くシリーズにオリンパスの本気を知らしめるためにはむしろこれで良かったのではと思うくらいだ。

翻って、フォーサーズ登場時を思う時に、何故、これが出来なかったのかなあと言うところだ。

以前、確かE-500登場時の頃に
・オリのフラッグシップシステムの入れ替わりであるにもかかわらず、OMの継承を意識させないスタート
・E-500登場前からこのOM回帰を思わせるオリンパスの行動の変化
について、記事を書いた。かなり古くなってしまったので改めて書くことにしたい。

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E-systemをスタートするに当たって、当初オリンパスはOMの継承の意識どころかZuiko銘すら継承する意志がなかったのはこの規格の立ち上げ時にキーマンであったDI事業部長の小島氏のインタビューでも明らかである。山田久美夫氏とのインタビューであるが、問題の箇所を下記に引用してみよう。

(以下引用部)
山田 えーと、どこかで・・・。

小島 うちの社内で、そんなことどんどん言われ出してね(笑い)、それは火付け人が山田さんなんだろうと思ってるんだけど。

山田 はい、すいません、私だと思います。いや、「ズイコーブランドだったら良いな」という話ですよ。

小島 それは困るんだよなー(笑い)。そこはね、そこは別に決めてませんけど、ちょっとズイコーブランド復活させるっていうつもりは、あんまり無いんですけどね。ただまあ、何とも言えないですけど。

山田 僕自身が、一眼レフはOMから始まってるんで。

小島 ああ、そうですか、それはそれは。

山田 なもんで、やっぱりズイコーっていうのは、僕自身馴染みがあるんですよ。

小島 いやね、実は「ズイコー」っていう名前やめたのはね、私なんですよ、本当言うと(笑い)。

山田 あ!そうなんですか?

小島 これはね、営業の意見がもの凄く強くて、当時ね、海賊レンズが凄く多くて、やっぱり日本ではズイコーレンズ分かってくれたけど、世界で言うとね、これ交換レンズメーカーの商品かという風に随分色々言われちゃって、まあそれだけブランドの浸透はね、当時弱かったって言うのか、その辺がちょっと問題で、やっぱり「海外でオリンパスレンズと言ってくれ」という声が高まってですね、それでハーフの頃はズイコーレンズで良いけれども、このOMも最初はズイコーでしたけど、一応やっぱりオリンパスにしようということで、私が変えさせたんですよ(笑い)。
 まあ、そんなことがちょっとあってね、まあ別にズイコーを復活しても良いんですけどね、そんなこと全然こだわって無いんですけどね。ただ新しいか、まあ良くみんな愛してくださるんなら、ブランドもアレなんですけど、知らない人達に売るのに、逆にややこしいことになるというとこがちょっとあるんですね。
(引用終わり)

「私が変えさせた」というのは、無くなってしまったOMのAF一眼OM707に付いた交換レンズのことであるし、以降のオリンパスカメラからはOMのレンズをのぞいて「Zuiko」の文字は消えた。そしてついに、オリの一眼レフの実質上の新製品はレンズ非交換式のLシリーズへ行く形である。ちなみに、OMの中でもOM707に関してデザイン含め過去の雑誌等のインタビューでも米谷氏は関与していない。

興味深いのは、このフォーサーズに先立つE-10の開発者に対して、同じく山田氏がインタビューを試みている。ここに、わずかだがズイコーのレンズに関して触れられているところがあるので、これも引用してみよう。

(以下引用部)
朝倉 ただ、伊東はそのレンズに近いところを、やってますね。

伊東 そうですね。

山田 じゃあ、レンズ名に「ズイコー」とか付けたくなりません?(笑い)

伊東 そうですね。ずっと「ズイコー」でしたからね。時々そういうお話がありますよね。雑誌とかでも、そういう案といいますか、提案がありますよね。いいですね。いつかは。

山田 レンズの名前が、Gズイコーとかね。(笑い)
(引用終わり)

ここに出てくる朝倉氏は後にE-1の開発リーダーもされたあの朝倉氏である。この記事に出てくる開発者の方々が若い頃OMの開発にも携わっていたことは興味深い。

結局、E-1発売時に、非売品の「おまけ」と言う扱いでOM-フォーサーズアダプターは用意されたもののE-systemとOMを関連させるものはZuiko銘をのぞけば殆ど無かった。今ではOMを含め充実した壁紙ライブラリーや、カメラの歴史のHPでの歴代OMが載る様になったのも全てE-500の誕生した年にイメージングの社長が現体制に移行した後である。

従って、当時E-500のイベントに米谷氏が登場した際には正直「一体どうしたんだ」という感じがしたものだ。そして、その後は米谷氏の記事もHPに搭載される様になったし、E-410登場後の第二章以降はあのシェイプを語る時、あるいはE-3登場前のPassion for Bestでの各氏の語る中にも普通にOMに対する思いが語られる様になったわけである。

こんな事は、確かめる術もないがOM707登場後Lシリーズに行き、デジカメが立ち上がってOMがThe End
を迎えるまでの間、少なくともOMを復活させよう、ましてやディスコンになったPenを復活させようなどと言う事は言えない力学がオリンパス内にあったのではと邪推したくなる。尤もそれが良いとか悪いとかそういう話ではなく、事実としてそうだったのかなあと思うという事だ。

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オリンパスのDNA,これは、ユーザーがオリンパスに求めるイメージと言っても良いだろう。過去のオリンパスの名機はオリンパスのDNAの上に生まれたものではあるが、ユーザーから見ればそれらの名機が具体的に発する「メッセージ」により、メーカーに対するイメージを作り上げていくという面もある。と考えた場合、オリンパスの思うところをユーザー側にイメージさせる意味で、過去にそのイメージを鮮やかに具現化したモノがあるのであれば、それを継承して発展させるというのは新味はないかもしれないが「わかりやすい」という点では良い事だと思う。

そして、実際には中身は全然違うものになっていながらもそれをためらいなくストレートに打ち出していこうとするPenを見ていると、何故にこれがE-systemのスタート当時から出来なかったのかと言う思いが残る。

フォーマットは違えど、何れも小型一眼レフを標榜するオリンパスのフラッグシップ機のシステム。ペンと違い、旧システムの終焉と同時にその立ち位置をバトンタッチするかの様に生まれたシステムである。
ディスコン後何年もたったうえに、中身もフォーマットも違うカメラを「フィロソフィーを引き継いでいるんだから」とPenを継承させることに比べれば、あの時点で、「フィロソフィーを引き継いでいるもの」としてOMのフィロソフィーを鮮明に引き継がせるのは出来たはずだ。

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そんなことを、ふとまたぞろ蒸し返したくなったのは今回たまたまフォトフェスタの後K7の実物を触った時だ。本当にこのPENTAXのカメラがオリのE銘で出てくれていれば、これとE-ペンは最強のタッグたり得たろうなと思った。今日は、K7の他にE-620とE-30とE-3を並べてみてポップアップフラッシュをぽんと開けながらプリズムの出っ張りを見つつ比較していたが、フラッシュにこだわらなければ、E-620のボディにE-30のプリズムは搭載出来そうだし、E-30のボディにE-3のプリズムは搭載出来そうである。

もし、E-P1がPenシリーズの真ん中で、上位と下位があるとしたらE-P1と言うのはその3ラインの中でフラッシュやEVFなどの便利モノを廃して、かといって廉価になるわけでもなくある意味(使い勝手は別にして)3ラインの中で一番Penのフィロソフィーにただただピュアに作り込んだラインということかもしれない。

であれば、E-620ではエントリー層向けの便宜性から、E-3は逆にフラッグシップ機としてのオールラウンドな性能確保からはずせない諸機能をはずし、基本性能は手抜きはないけどソリッドに贅肉をそぎ落としたライン、これこそが本来のE-二桁のラインの立ち位置ではないかなと思ったわけだ。ぶっちゃけ、K7と同じ大きさスペックがE-XXとして出ればと思った。

当初は、E-systemはオリのDSLRでもPenと違い必ずしもOMに表象されるDNAを引き継がない全く新たなものでいくのかなあと思った。しかし、途中でE-systemの理想型の中にオリンパスの開発者自身がOMをイメージしていることが明らかになった。正直、これをどこかで整理しないと何となく、中途半端である。

Penにあって今のE-systemに無いものとしたらミラーの有無でなく、このエッジの立ったとんがりかなと思った。とまあ、脈絡のない話ではあるが、ハードがどうこうという以前にその辺の展開に関して丁度マイクロで頑張ってもらう間に今一度考えるべき時期が来ているんじゃないかなと思った。
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by Hiro_Sakae | 2009-06-29 00:22 | 雑記諸々


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