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2009年 07月 26日
与太話は、
 改めて、ZDのズームの良さなどについてなどなど、、

与太話は、_c0036985_211462.jpg

E-30, ZD12-60/2.8-4
ISO 800
F4
CaptureOne 4.8 Pro





 先日は、某雑誌のことであれこれと書いてしまったが、オリのことをよく書いてあるものが無いわけでも当然なく、CAPAの「交換レンズ2009」などは良い感じである。尤もこの著者の西平さんは今までもZDに関してはどちらかというと辛口で、総合的な一刀両断評価や、単焦点(特にマクロ)はうーむという評価もある。

 一刀両断評価では、使い勝手や、コストパフォーマンスも重視されるので今回はその中で実撮影上に影響が一番高いと思われる実写性能を拾ってみたところZDの特に松、竹ズームレンズ群は非常に頑張っていることがわかった。(評価項目は、使い勝手、撮影解像力、実写性能、コストパフォーマンスの4評価を基に総合評価(一刀両断評価)を付与しているもの)

 スペック表には138本のレンズが記載されているが、実際にテストして記事にされているのは比較的新しい101本。その中でズームレンズは全部で75本ある。先ずは、この中で問題の実写性能で五つ星評価となっているズームレンズは次の通りだ。

[デジタル専用広角]
Nikon AF-S DX Nikkor ED 12-24/4 G
Olympus Zuiko Digital ED 7-14/4

[デジタル標準]
Sony Vario-Sonnar T*DT 16-80/3.5-4.5 ZA
Zuiko Digital ED 12-60/2.8-4 SWD
Panasonic Vario-Elmarit 14-50/2.8-3.5 OIS
Canon EF-S 17-55/2.8 IS USM
Nikon AF-S DX Nikkor ED 17-55/2.8 G
Olympus Zuiko Digital ED 14-35/2 SWD

[デジタル望遠]
Pentax DA★60-250/4 ED SDM
Olympus Zuiko Digital ED 50-200/2.8-3.5 SWD
Olympus Zuiko Digital ED 35-100/2
Olympus Zuiko Digital ED 90-250/2

[35mm広角]
該当無し

[35mm標準]
該当無し

[35mm望遠]
Canon EF 70-200/2.8L IS USM
Sony 70-200/2.8 G
Canon EF 70-200/4L IS USM
Canon EF 70-300/4.5-5.6 G SSM
Sony 70-300/4.5-5.6 G
Sony 70-400/4-5.6 G SSM
Nikon AF-S VR Nikkor ED 200-400/4 G

35mmの名誉のために言っておくが、広角、標準とも五つ星が無かったものの純正の殆どが4つ星半で拮抗している。ただ、やはり周辺等の画質等はAPS,フォーサーズ対比割を食っているのは事実であり、35mm用でAPSで利用した際には五つ星が付く可能性もあるだろう。

とは言え、ズーム全体で17本の内、ZDは5本で本数で第一位。デジタル専用(APS以下)に限れば12本中5本、オールフォーサーズではVario-Elmaritが加わり半数をフォーサーズ勢が占める形になる。やはりズームに関してはZDはイメージ通り強いと言えるだろう。

更に、実写性能五つ星の中で撮影解像力も五つ星のパーフェクトなズームレンズがいくつか存在する。以下の通りだ。
[撮影解像力、実写性能とも五つ星]
Olympus Zuiko Digital ED 12-60/2.8-4 SWD
Olympus Zuiko Digital ED 14-35/2 SWD
Olympus Zuiko Digital ED 50-200/2.8-3.5 SWD
Sony 70-200/2.8 G
Sony 70-300/4.5-5.6 G
Sony 70-400/4.5-5.6 G SSM

なお、撮影解像力は良い意味(不要?)でテストせずで実質上パーフェクトと思われるのは
Olympus Zuiko Digital ED 90-250/2
Nikon AF-S VR Nikkor ED 200-400/4 G

と言う感じだ。ここでも、8本の内、松竹で半分の4本を占める。

従って、特にZDにおいては、
竹のZD12-60&ZD50-200の組み合わせで換算24-400mmを、
松でZD7-14,ZD35-100,ZD90-250の組み合わせで換算14-500mmを
つなげば、全て、五つ星でラインが構成出来る格好になる。

また、ZDのズームに関しては、例えばZD9-18は実写性能こそ4つ星半であるが撮影解像力は5つ星を取っている。ズームレンズは18-180をのぞけば、全て4つ星以上で、特にデジタル専用のクラスのダブルキットズームのコンビで双方とも4つ星以上で揃っているブランドはZDだけである。この辺は梅のズームでもZDは粒が揃っていると言われるところであろうと思われる。

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フォーサーズは、ご存じのように撮像素子が小さく、同じ明るさであれば被写界深度は2段深い。従って当然解像感も極端に言えばフルサイズで2段絞ったぐらいは切れがよくなるはずである。で、実際特に松、竹に関してはそうなっているようだ。

よく、フォーサーズなあんて~さ~という話では、「松のF2クラスなんて言ったって所詮は開放F4クラス、竹のF2.8ズームなんて、フルサイズのF5.6だからF3.5のズームよりどうのこうの」という議論がある。フォーサーズのF2が被写界深度ではF4相当というのは、これが異論のない事実ではあるがその分きちんとフルサイズのF2(実際にはズームは開放F2.8であるが、)よりも切れがよいのであれば、それは、
「松の開放(F2)は、フルサイズのF2.8ズームの一段絞り(F4)と同じ、竹は同じく2段絞りと同じ」と言うことではないかと思う。つまり、グレード的に比較すべきはF2.8級だろうと言うことだ。

ズームレンズ対比で言えば、F2.8ズーム対比、松は1段、竹は2段、ぼけを捨てただけで写る画質自体がトータル的に劣っているというものでは無いと思うからだ。(まあ、どうしてもF3.5,F4ズームクラスと比較したいというならそれでも良いが、それならもう画質的には圧勝と言うことになるだろう)

と、書くと特に松レンズを「フルサイズ対比とんでもなく無駄にでかい」という時には、
Canonさんにおける、70-200/4L VS ZD35-100
あるいは、単焦点なら
Nikonさんにおける、300/4 VS 150/2
などというのがまあ定番として出てくる。

まあ、私から言わせればこれらのフルサイズの小口径のズームや望遠レンズはそれぞれある意味両社の「有名どころ」、出色の出来というべきレンズでこれらのレンズの優秀さを誇示することになることにはなってもこれだからZDの松は云々というのは少し酷なような気がする。(尤も、これらのレンズを持ってきて比較しないといけないほど松や竹は頑張っているのだと、オリファンとしてはこういう話が出るたびに、「なかなかやるわい、オリ」と思うことにしている。)

実際、Nikkorの300/4は写りは問題ないが、やはりVRが無いのがハンドリングとしてZD150対比どうもなあと思う一方で、Canonの小三元の70-200/4Lは、少し持っている人に触らせてもらったがこれは非常にハンドリングも良く、良い感じのレンズだと思った。これと、EOS5Dの組み合わせで、ZD35-100とE-3の組み合わせにどうのこうの言うのは「少しやめて欲しい」と思うくらいだ。ボディを誰かくれるのであれば、この組み合わせだけに手元にあっても良いんじゃないかと思うくらいである。

一方で、Nikonさんも、Canonさんもフルサイズで考える時にどうしても標準ズームが悩んでしまう。2.8通しに行くなら重さ的にはもう松と変わらなくなる。その下のクラス(それぞれキットで付いてくるもの)が何というか、「これならやはり竹の方がいいや。そもそも、このクラスのズームだとそんなにフルサイズでもぼけるわけではないし、寄れるのは圧倒的に竹だし」となってしまうからだ。

つまるところ、松のズームはガチンコ勝負となると松も凄いが他社さんもフラッグシップ級となるのでかなり手強い一方で、この竹ズームのポジショニングと言うのは非常にユニークで、他社対比の(同クラス)の優位性が出せる、言い換えると「フォーサーズの特質を活かした、性能とハンドリングの高次元のバランスの良さ」という意味でベストだと思う。私が、先日から書いているように松の描写は本来(他社であれば)単焦点レンズが担うべきレベルまで大きく踏みこんでおり、その分、要所要所で単焦点レンズでの代替が「殆ど出来ない」現状では、「ズームでこの画質を全てカバーしなければいけない=無駄にでかい」と言うところが目立ってしまっていると思う。

実際、ズームレンズに限っても
松が、換算14-500mm、梅が換算18-600mmをカバーする中で中心となる竹が22-400mmと一番レンジが狭い。(=見劣りする)今後、フォーサーズの持つ小型軽量の可能性と、ZDの高画質、高性能の両立を高い次元で完成させるためには、単焦点レンズの拡充を含め竹のてこ入れが大切なのではないかと改めて思った。

by Hiro_Sakae | 2009-07-26 22:30 | ZD12-60


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