2009年 08月 30日
【特許関係】この辺で来るのが現実的か?新型撮像素子絡み
  パナソニックには、ここで何度か紹介した非常にマニアックな感じの1画素3色取り込む新型撮像素子絡みの特許公開履歴がある。ただ、素人目に見てもすぐにどうこうという様な感が無い。
  一方で、現行Live-MOSのベースであるμマイコビコンに関しては既に第二世代のサンプル出荷リリースが2008年になされ、これのフォーサーズ化が可能となればダイナミックレンジの改善に関しては糸口が見つかっていると言えよう。となると、高感度はどうするのか??、、、派手さは無いがこれに関するものが公開された。




【公開番号】 特許公開2009-194572
【公開日】 平成21年8月27日(2009.8.27)
【発明の名称】 固体撮像装置及びカメラ

出願は2000年の2月。

結論から、言ってしまうと現行のRGBのからフィルターをシアン、マゼンタ、イエローの補色フィルターにまたしてしまおうというものである。また、、と言うのは昔はこれをデジカメで使っていたのが、RGBの方がきれいな色が出るために、現行ではRGBが主流になってしまった経緯があるからだ。

画素当たりの受光量をあれこれ考える場合は、単純に面積で考える。しかし、実際は受光した光を全て有効に使っているわけではない。そもそもの、受光面積に占める受光部の割合もかなり非効率であるのに加えて、受光部そのものがRGBのカラーフィルターの為にそれぞれ1色、1/3しか光を使っていないからだ。

従って、ここで一度引用した富士フイルムのペーパーではないが、全体としては現行のRGBのカラーフィルターを使った形式では大体1/2(受光部の割合)×1色のみ(1/3)=1/6程度しか利用されていないことになる。もし、仮にここが100%利用されていれば、フォーサーズはどんなに頑張っても(同じ画素数であれば)画素当たりの受光量は大きな撮像素子には負けてしまう=理論通りとなる。

従って仮に、3色全部捨てずに利用出来れば1/3がなくなる=一気に3倍になるために高感度特性は非常に改善する。が、これに関してはパナソニックの特許もまだアイデアの域のようなものであるし、フォビオンなどもその他の特性や使い勝手を考えれば現行決定打になるものがない。

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と言うわけで、今回の特許である。実は富士フイルムや、パナソニックの1画素三色ものの中にもカラーフィルター(もしくはそれを代替するもの)を3層でなく、これを1層とし、残る2色は補色のまま取り込むというアイデアは取り入れられていた。また、デジタルの画像処理の発展と共に受光効率を捨ててRGBのメリットをとったわけであるが、更に高レベルでの高感度特性の確保を考える上でいま再びこの補色フィルターの形式を見直そうというのはありかなと思う。

今回、特許を見てこれは来てもおかしくないかなと思ったのは、

まず、撮像素子の本体自体は従来の撮像素子と変わらずカラーフィルターの構造を変えた形であること。一から仕組みを変えないといけない形ではない。

そして、特許の実施例の中でも同一構造の従来のRGB配列の撮像素子とこの新型撮像素子の受光効率とコントラストの性能を比較したデータが添付されている点である。ちなみに、このデータによれば受光効率で1.6倍以上、コントラスト性能では10%以上の改善が見られるという形である。また、更に工夫改善をする余地はあるようである。

従って、素人目にはこの方が実現可能性は高いような気がする。ミューマイコビコンと原型に、グローバルシャッター化、そして、これは更にカラーフィルターを補色系フィルター化と抜本的に作り直すような派手さはないものの、既存のMOS型(Live-MOS)をベースに改良を加えていくという方向性だからだ。

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また、今回この特許を読んでいて興味深かったのは撮像素子の取り込む色を増やすこと自体が画質にも影響を与えると言うところだ。具体的に言うと裏面照射型(ソニー等)撮像素子による受光効率のアップとの差異である。

現行のRGBのフィルターでは1画素で1/3の光しか取り込んでいないことは上で述べた。問題は取り込まなかった2/3の光だ。消えて無くなるわけでなくこれが取り込まれず反射光となるという説明である。実際、撮像素子の写真だと表面がきれいな色であったり、デジタル以降シグマのデジタル対応レンズ等このフイルムには無かった撮像素子からの反射光の対策に力をいれているのはご存じの通りだ。

パナの補色式(あるいは究極の3色とりこみ)であれば、理論上最大従来反射していた2/3の光を1/3に半減する。これは反射が与える悪影響を軽減する効果を持つ。一方で画素当たりの受光面積拡大(裏面照射)のみに依存した場合は、取り込む量も増えるが、反射する量も増えてしまう形になる。また、ソニーさん自身が言っているように、そもそも撮像素子上の配線等で利用されている無駄な部分を裏返してなくす形であるために、この配線等の「無駄なスペース」の比率が少ないとメリットも少ない。

勿論、上記の反射も増えてしまうと言う問題は何らかの対策を施しているのかもしれないが、いずれにしても今回のパナ方式であれば、そう言った問題も無いという事だ。

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個人的には、新型撮像素子にはドリームものまで含めればいくつかの選択肢があるが(笑)、パナソニックが第二世代ともいえる新型Live-MOSを登場させることに関しては、あるかないかでなく、いつ登場するのか?と言う段階ではないかと思っている。

オリーパナにとって、フォーサーズに加えマイクロも現状で行けば全体のボディのラインナップは来年にも一通り並んでくるだろう。秋以降は、パナ自身もG1以下順次発売後2年を迎えモデルチェンジの時期に入ってくる。画素競争を捨て、画質向上でいくと言った以上、同じフォーマットでこれをやるなら何れLive-MOS自体をメジャーチェンジしてくることは自明の理であると思うからだ。妄想としては、タイミング的には来年のフォトキナ前あたりかなとも思っている。
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by Hiro_Sakae | 2009-08-30 21:25 | オリ特許関係


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