2009年 09月 01日
ところで、みなさんこのカメラ知っていました?オリンパスの3CCDスチルカメラ
今年、もうじきオリンパスは創業90周年を迎えるけど、、

1999年12月のオリンパスの雑誌オリンパステクノゾーンVOL.44は、オリンパスが創業80周年の記念イベントとして東京国際フォーラムでおこなった「OPTO DIGITAL INNOVATION」に展示された各種の技術が特集されている。

その中で、デジタルカメラとして登場しているものがこれだ。

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(上記リンク先の記事から引用、 OLYMPUS SHDC-S2)





リンク先を読めばわかるが、これはCMD撮像素子を使った3CCD方式の「スチルカメラ」。後に触れるこれのプロトタイプ(実用に供されていた)はこれに遡ること1年前には同等のスペックを有していた。フォーマットサイズは不明だが1995年にようやくカシオのQV-10が誕生したばかり。

それからわずか3年後に、RGBの3CCD、430万画素×3で、交換レンズ3本。ここで披露されたS2においては、中判ライクなボディにまとめられた。また特筆すべきはこの段階で写真を見ての通りポップアップ型のライブビュー液晶を備えている点である。恐らく当時これが発売されれば超弩級のお値段であっただろうが、残念ながらこのシリーズは市販されることはなかった。

そして、この流れを汲むものは後にNHKとの共同研究による8MP×3CCDの超高精細動画撮影カメラになっていく。現行のオリ製品で3CCD製品は確か顕微鏡用のデジカメぐらいであったかと思う。では、このS2は使い物にならないスペックだったのだろうか?これ自体はこのテクノゾーンでのデモの様子しかわからないが、これの前の代と思われるプロトタイプの用途からそれを類推してみることにしよう。

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元々の原型はNTTとの共同開発で生まれたもので、ネットで見る限りこれが実際に活躍したのは慶應義塾大学のHUMIプロジェクトでの活用によるものだ。

HUMIプロジェクト自体はここを参照頂きたい。

簡単に言うと、慶應義塾大学が1996年3月に丸善から「グーテンベルク聖書」を購入したのをきっかけに、貴重書のデジタル化を目指すHUMIプロジエクトが誕生した。この聖書の本は全世界に48冊しか無くまたそれぞれ膨大なページ数(2000ページを超えるほど)でまた版によって微妙に違う。従ってこれらをすべてデジタルアーカイブして各国の研究者が使えるようにデジタル化していこうというものだ。

当時は、これをどのようにデジタル化するのかという事が問題だったようだ。正確な複写という意味では大判のカメラで撮影しこれをスキャニングするという事が考えられるがコストと手間が膨大である。一方で単純にこれをフラットベッドのスキャナーで読みとるとなると本をほぼ水平になるまで各ページ開かなければならない。これは書籍に対するダメージが大きい。(例えば、この作業のハイライトとも言える大英図書館所蔵のものを撮影する際には、本は100度以上開かない、本の直上からは撮影しないなど細かな条件が付されている。詳細は、ここ

と言うことで、その画像を元に研究者が参照出来るほどの精細度を保った上で、本にダメージを与えず、膨大なページ数を迅速に撮影出来るデジタルカメラが求められ、ワンショットデジタルバック、スキャニングタイプのデジタルバック等々の候補の中から白羽の矢が立ったのがこのオリンパスのカメラと言うことだ。現在ではどこが?と言う感じだが、撮影して、PCに転送し、取り込み完了まで15秒というのも当時としては画期的な早さだったらしい。

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再び、引用のテクノゾーンの記事に戻れば、これを中判カメラ程度に仕上げた上で広角、標準、望遠の3本の交換レンズを用意したとのこと。設計上は銀塩35ミリレンズにたいして、2倍の解像度にしているとのことだ。

勿論、10年前のこの性能は恐らくもし製品としてでたとしてもプロトタイプで活用されたような特殊な用途でアマチュアには縁のないものだったかもしれない。
ただ、そうだとしても、こうしてモックアップでなくきちんと動く超弩級のものを作り世に問うたと言う姿勢はかっこいいと思うのである。

折しも、今年は80周年から10年たった90周年である。商品化は無理にしても、「フォーサーズでもここまで出来る」みたいな12MP×3の超弩級カメラを作ってみました~、高くて売れないけど、、みたいな突き抜けたものが出来ないかなあと思ったりしたものだ。

ここからは、先日のパナの補色系フィルターの復活とか今までのオリの特許から勝手に思いついた素人アイデアではあるが、

3CCDにこだわると、撮像素子を3枚使って、ダイクロイックプリズムでR,G,Bに分光してこれを撮像素子に当てる。フィルターを使わない(捨てる光がない)為に各画素で3色得られるだけでなく受光の効率も良い。(極めて単純化すれば)3倍光が受けられる。ただし、このプリズムの精度や、そもそもの大がかりな仕掛けのためにどうしてもカメラは大きく、高価になる。

私は、オリがレフ構造のミラーをハーフミラーで固定化するアイデアを特許で見るが、、ここで光学ファインダーの併用をばっさり捨てて、このカメラのように可動式の液晶ビューのみにしてしまう。

そして、ハーフミラーで例えばGの光を直交させてこれをG専用の撮像素子で受光し、残った光(ミラーもしくはプリズムで上に曲がる)の先、すなわち本来ファインダーのスクリーンのあるところにもう一枚撮像素子をおいて、R,BすなわちGの補色をキャプチャーしてこちらは補色系フィルターでR、Bを生成するロジックを使えば、何となく3CCD程完璧ではないが、一応各画素3色の情報が光を捨てること無しに得られると思う。

これなら、現行のレフ構造のスペースに
クイックリターンミラー気候の変わりに、分光するミラーないしはプリズム(Gのみ透過して後は全反射)を置き、フォーカシングスクリーンの変わりに、2枚目の撮像素子を置き、光学ファインダー部分がばっさりいらなくなる(この際ストロボもとってしまおう)スペースにこれを有効活用すれば、そんなにめちゃくちゃ大きくならないような気がするのだ。

勿論、ぶれ補正はどうするんだとか言う話もあるが、別に2枚目も動かさずとも撮像時に元々の撮像素子をどれだけ動かしたのかわかれば(角速度センサの情報もあるわけだし)2枚撮像素子でキャプチャーしていれば電子的に解決可能なような気がする。尤もシャッターは電子シャッターでやることになるだろう。それこそ、この辺の仕組みは10年前に作ったこのカメラの技術がまた使えるのでは無いだろうか?

とまあ、あれこれ書いたが、いやあ、こういう形のフォーサーズも高精細型のバリエーションとしてあったら欲しいなと思ったものだ。
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by Hiro_Sakae | 2009-09-01 00:02 | その他オリ絡み


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