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2009年 09月 10日
おおっと、言っちゃったかぁ?パナの本音発言
  既に、下の方の記事でEastendさんもコメントをつけられている。デジカメwatchに出たパナソニックの発言。フォーサーズのセンサーには外販可能な「汎用品」とLUMIX専用の区別があるようだ。かつてのソニーの時の悪夢?にならねば良いが、、

事実誤認か、はたまたオリとしてはうすうすわかっていたけど寝耳に水か、わかっていたとするならその「リスク」にどう対処するのだろうか?




 記事はデジカメwatchのパナソニック「DMC-GH1」とLUMIXブランド戦略

問題の発言は、商品企画チームとのやりとりから出てきたもの。画角変化の無いマルチアスペクト比に対応したGH1のセンサーを何故、GF1に採用しなかったの?と言う質問に対し、
「これは純粋にコストのため」
「DMC-GH1のセンサーは横方向に400ピクセル近く画素を増やしている」
でとどまれば何でもない話で終わっていたのだが、、
長くなるが引用してみよう。

「DMC-GH1のセンサーは横方向に400ピクセル近く画素を増やしているそうだが、収率(1枚のウェハから取れるセンサーの枚数)が下がるだけでなく、フォーサーズ向け汎用品として外販しないLUMIX専用部品ということがコストに大きく響いているという。」

また、
「G1のセンサーは元々、ハイビジョンの動画キャプチャを行なう事を考慮しておらず、スペック上は“動画撮影できない”ことになっていました。その後、GF1を開発していく中で動画撮影の必要があるということで開発を進め、センサー自身は変えずに動画撮影を可能にしました」(AVCネットワークス社 DSC ビジネスユニット企画グループ マネージャー北尾一朗氏)

と言うことだ。問題のポイントを整理してみると
1.現行のパナの撮像素子にGH1タイプとG1タイプがある。
2.そしてタイプにより「外販する」汎用品と、「外販しない」LUMIX専用品の区分けがある。

と言うことだ。ここの問題の核心は2にあることは言うまでもない。

また、この発言がパナソニックの撮像素子を作っているセクションでの発言でなく、オリンパスと協業しているパナのLUMIX事業の人からの発言だと言うことだ。オリンパスは、パナソニックからみればデジカメ事業は競争相手であるが、撮像素子製造部門から見ればパーツを買ってくれるお客さんである。

かつて、オリンパスはコンデジでトップクラスを走っている時にデジカメで台頭してきたソニーに撮像素子供給を頼っていたが、サイバーショットがブレークし猛追している時に供給を止められたという苦い経験がある。ぶっちゃけ、DSLR黎明期に自製出来るキヤノン以外のニコン、ミノルタ、ペンタックスと各社がソニーにDSLR撮像素子の供給を仰いだ際に、唯一これをしなかったのはこの辺に遠因があると思われる。

サプライヤー側の自社消費では満足に売上げが立たない時は、お客様として販売し、自社消費需要が上がってくる→自社消費で採算が採れるところまで立ち上がる→センサーを買ってくれるお客様というメリットと「敵に塩を送る」というデメリットのせめぎ合い、、そして、、の兆候と言えないか?

うがった考えをすれば、ここで再三書いているように2005年秋の中間決算でフォーサーズに関し、オリはあるメーカーと3年間の撮像素子に関する独占使用契約を締結したと述べている。計算すれば2008年夏、すなわちマイクロが発表された時。この時の契約更新がどうなったんだろう?と言う疑問は以前も書いたが改めて気になるところだ。結局、この後の改変となる12MPタイプでLive-MOSはG1タイプの「汎用品」と、GH1タイプの「外販しない特別品」に分岐したことになるからだ。

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ダストリダクション機構に、汎用品とオリスペシャルがあるようにも思えない(笑)し、ぶれ補正はそもそもパナとオリでは方式が違うだけだ。フォーサーズ時代もファインダーは同じものである。ひょっとすると、L1時代にオリが、E-330のライブビューAだけはだめだ~とか、実はパナからE-3タイプのファインダー供与の打診があったときに謝絶したとかどっちもどっちの裏事情があったのだろうか?(笑)だからいじわるされない、マイクロを作って、今度はこっちが、、みたいなことがあるわけでもないだろう。

ここで、他社に話を振ってみると、、
例えばサムスンとHOYAなども、同じリスクを孕んでいるかもしれない。と言うよりサムスンがあえてペンタックスと非互換の新たなマウントを立ち上げて自社マウントを持とうとしていることも微妙な兆候とも言える。

一方で、ニコンもそのリスクがないとは言えないが、ニコンが強いのは
1.サプライヤー(ソニー)のセンサー部門から見れば自社消費よりも圧倒的にニコンさんの方が上得意(たくさん買ってくれる)である。
事に加え、
2.D3、D700でニコンは自社設計(ルネサス製造)の撮像素子を出した。要は自社のフルサイズフラッグシップ機だけは、「ソニーさんに頼らなくても作れるよ!」と言うところを見せたわけである。
特に、この2は例えD3,D700のみであったとしても全機種依存とはえらい違いである。

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翻って、オリンパスはどうなんだろう。

恐らく、フォーサーズで言えばもしマイナー版が年内出るならそれは12MPLive-MOSの最終バージョン、完成形として出るとしても、メジャーチェンジはどうなるのだろう。G1,E-P1あるいはE-620等は改良された新Live-MOSがまた搭載されるとしても、せめてEのフラッグシップ機は汎用品で甘んじるぐらいなら、パナの非売品?に対抗する特注品をオーダーするか?ニコンのD3,700の様にここだけは、別ルートを確保すべきではないかと思った。

実際は私が書いていることは単なる杞憂であること、もしくは次期E-3をターゲットとしてマイクロやエントリークラス向け汎用品フォーサーズとは別枠の何か?もしこしこやってくれていることを期待したいものだ。

by Hiro_Sakae | 2009-09-10 00:14 | E,Pen-system関係


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