2005年 10月 16日
フォーサーズ新撮像素子の私的大穴中の大穴
E-systemの新機種のどれかは別にしてオリンパスが来年中に出す機種のどれかに新しい撮像素子を考えているらしいのは様々な噂で出ている。私が気になったキーワードは寺田氏のインタビューで大手ではなく小規模の会社、そして最近出てきているスリーCCDというところか?

朝から雨でお散歩の出鼻をくじかれてしまったので、馬鹿にされるかもと書くのを控えていたが、私なりの持論を書く。なおここには、あっと驚くようなインサイダー情報は何もない。何れもネットや過去新聞等に出ていた公開情報のみである。私自身が一種の謎解きのようなつもりで調べ始めた事であるので、楽しんで頂けると幸いである。



  はじめに、基本に立ち返り、オリンパスの知財報告書等を読み込んでみた。オリンパスのコアテクノロジーは当社の言葉によれば、「オプトデジタルテクノロジー」である。デジタルと光学が密接に融合したものだろうか。これは、最終的なプロダクツが産業用、医療用、カメラを問わず当社のコアとし強みとすることが明確にうたわれている。そして当社の保有する特許も光学を筆頭にここに集中している。

 ソフト、ハードをとりまぜ、このコアテクノロジーにフォーカスする形で様々な分野の研究が展開されているというのが現状である。見れば見るほど、内視鏡、測定装置からデジカメまでこのオプトデジタルな部分は共通点が多い。コストや求められる精度等の壁をとりはらえばお互いに転用の効く技術であろう。実際には、古くはPenFTの回転シャッターの加工や、E-systemの売りであるダストリダクションシステムは全てカメラ部門以外で既に開発されていたものを応用、転用したものだ。デジカメで求められているAE精度その他も、他の産業用デジタルシステムでは既に桁が違う様な性能のものを作っている。ニコンのデジカメで話題になった無線でプリンターに画像を飛ばすと言ったシステムも、カプセル内視鏡を無線でコントロールし、画像を飛ばし、簡単な処置をする事から考えればオリもやろうと思えば簡単であろう。勿論、コスト的な問題等カメラに高度な無線機能を乗せるのは無理かも知れないが、技術を持っていなくて乗せられないのとは大きな違いがあるはずである。

 話しがずれたが、要はこのコアテクノロジーに関するものはオリンパスは他社買収、提携も含めて積極的に自社グループ内に取り込んでいる。先日の記事に書いたがこの分野に不可欠となれば燃料電池でさえ、自社で取り込もうというのが今のオリンパスである。ならば、、である。素人が考えても全ての部門でオプトテクノロジー部門のキーデバイスである、撮像素子についてオリンパスは何か動いていないのだろうか?と言うのが私の疑問であり、これを調べてみるきっかけであった。結果的にはやはり動きがあった。ここで全てを書くときりがないのでかいつまんで書いていく。また、手を抜いて申し訳ないが登場する名詞等へのリンクの設定は省略させて頂いた。興味のある人は容易に検索出来ると思うのでそちらへ飛んで頂きたい。(苦笑)

 動きの発端は、2003年に遡る。丁度2003年の秋に待望のE-1が登場したばかりの頃だ。日経系の某紙には2004年1月にさして大きくはないがこれに関する記事が出た。オプトデジタルテクノロジーをコアにすると決めた今もCEOを勤める菊川氏の陣頭指揮で、スペシャルなチームが米国に派遣されたという記事だ。

 まず、次世代のこの部門の新しい技術を広く社外からもとりこむべく全社員の中からえり抜きの10名を厳選。これを当時は出資先であったITXのシリコンバレー近辺にあったオフィスに派遣しここを拠点に最先端技術のリサーチ等となっている。ちなみに、ITXとは元々は日商岩井の情報産業本部が独立した会社で、最先端のIT技術を持つベンチャー企業を発掘し投資。これらの育成によるキャピタルゲインや、この育った企業の商売等を取り込むことにより収益をあげており、元々の成り立ちから単なる投資でなく、ビジネスモデルから商売の泥臭いところまで面倒を見るところが特徴だ。ちなみに、オリンパスはその有力な出資先の1社として親密なつき合いをしていたが、結局去年株式を買収し連結子会社化した。恐らく早い時期から、ITXの目利きのプロ達とも協業して何らかの動きをしていたのであろう。

 そして、撮像素子関係に絞ってみると、この2004年の3月にITXはある会社を設立する。既にCMOS関係等幅広く技術を持つRockwell Scientific Companyの民生用CMOSイメージセンサー部門をスピンオフさせる形でAlatasensと言う会社を設立したのだ。

 ちなみに、このRockwellと言う会社の本業は米国で天文、防衛用のスペシャルな高性能イメージセンサーを作る会社(と言うかファブレス企業でもあり研究所に近いイメージ)でここが2002年に民生分野への転用を目的として2002年後半にCMOSイメージセンサー・ビジネスグループ(RSCIS)を発足。2003年にはProcamHDとか言う民生用とは言えプロの放送機材向け等のCMOSセンサーを作っており、2004年に事業拡大のためにAltasensとしたようだ。

 現在の当社の製品は、従来性能的にCCDセンサーが使われるセンサーサイズの大きいプロ用ビデオカメラに使われている。当社の技術ではこのセンサーは従来のCCDを使った3CCDと同等かそれ以上の性能をCMOSで確保出来て、安価であるとのこと。また単板もさることながら3CMOSユニットとした場合、3CCDセンサーよりもずっとコンパクトに作れるとのことだ。

 そして、興味深いのは元々ビデオカメラ用のCCDに変わる高性能CMOSを作っていてスピンオフしたAltasensの設立時のこれからのターゲット製品として、設立目的の中に「拡大が期待される放送用ハイビジョンカメラ、民生用ビデオカメラ、高性能デジタルカメラなど向けのCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサーの設計開発、販売」と書かれていることだ。(カッコ内は、ITXの当時のニュースリリースの原文のまま)ちなみに、その後このハイビジョンカメラ用等のCMOSは次々と製品化され当社のHPにも乗っているが、この中で現在まだリリースされていない製品分野がひとつだけである。そう、「高性能デジタルカメラ向けCMOS」だ。

 また、改めて言うまでもないが現在Altasensはオリンパスの連結子会社の有力関係会社として、オリンパスの有価証券報告書の同社企業集団図の中に記載されている一社である。

 と言うわけで、私の大穴はこのAltasensで2004年設立来しこしこと、ZDレンズの性能を引き出す撮像素子を自社グループで設計開発をしているのではないかと言うことだ。
 ↓
すなわち、私の大穴妄想的仮説は「オリンパスはかなり前の段階でE-systemの撮像素子に関しては3CCD(CMOS)化を検討し、自社グループで設計開発を進めており、ちょっと予定より時間がかかった」と言うものだ。個人的には、この仮説に立って強引な解釈を加えると下記のような推論が成り立つ。

1.フォーサーズがやたらセントリック性にこだわったわけ
 話は飛ぶが、E-500の体験講座の時にあった営業さんの話では、オリンパスはオリンパスでキャノンのフルサイズイオスの現行レンズで使用した際の影響はきちんと調べているようだ。広角側で厳しいが、コンシューマー用として許容出来ない程の水準では無いというようなオリがそれを言って良いのかと言う感じの話しだった。個人的にも現行の他社でもAPSであれば実際に多く銀塩レンズが流用されている事実もある。
 私は、フォーサーズが業務用ビデオカメラ並にテレセントリック性にこだわったのは理論に忠実だというだけでなく、(自社開発かどうかは別にして)この将来の3CCD化を見据えたものでは無いかとさえ思えてくる。

2.パナとの提携に期待した「AV技術」とは、、
 オリンパスは、提携でパナのAV技術を、、、、と書いてあったので、私は当然パナのデジカメの売りである、レンズ内手ぶれ補正技術か?と思っていた。しかし、上記のAltasensのCMOSで3CMOS化を図ろうという意図があるとすれば、オリンパスにもAltasens自身にも無い技術がある。3CMOS化自体は産業用、医療用ならオリンパス単独で出来る。オリとAltasensだけでは無い技術と言えば、やはりコンシューマー用の3CCD(CMOS)のパッケージ化、実装技術等ではないだろうか?もっと大きく言えばAV関係のプロ用技術の民生用へ転用する際のクリアーすべき様々なノウハウ、工夫、テクニック等はオリンパスに欠けているものである。

3.E-300&フォーサーズに見る3CCD搭載の可能性
 素人考えでも、いくらコンパクトにしても従来のCCDよりは場所をとるものだろう。何れ画素から本格的にDSLRは画質の競争へ、画質では1CCDより3CCDが圧倒的に有利と仮定するとオリンパスのフォーサーズは以下の点で有利である。
・CCDが小さい
 何に付け、同じボディで納めるとなればCCDが小さいほど有利である。
・レンズのテレセントリック性
 これを意識して全て作ってあるのはZDレンズのみである。またこれを真面目に考慮して作れば35ミリは論外にしても、APSですら小型とは言えないレンズになってしまうだろう。
・ポロファインダーという仕組み
 当面、光学ファインダーとの共存を考える場合、光軸ライン上に極力スペースを確保すると言うことを考慮すれば、E-300のポロファインダー=ミラーで光軸から直角に曲げてファインダー周りのスペースを光軸上から逃がしてしまうのはスペース確保に非常に有利ではないだろうか。今ではただのお遊びの様なポロファインダーであるがこれもオリのパテントに保護されており、ひょっとすると重要な技術としてクローズアップされるかも知れない。
 こう思ったのは、3CCDの特にプロ用のカメラはレンズから撮像素子までのラインから横に出っ張ってファインダーがついているからそう思っただけだ。

4.話しは飛んで手ぶれ補正は私はボディ派
 これは、どちらが理論的にすぐれているのかはわからないが、もしオリンパスがレンズ派ならプラチナラインは手ぶれ補正を乗せてくるだろうからだ。ひょっとすると発売が唯一先になっている最後のズーム辺りが乗せてくるかもしれないが恐らく過去のZDプラチナも考慮してボディ補正を考えてくれているだろう。

5.最後に
 はっきり言って何の裏もない話しではあるが、当たれば良いなと思う。さんざフォーサーズを色々言う人にも最終形がテレセントリックなZDレンズ+ダストリダクション+ボディ手ぶれ補正+3CMOSセンサーで、将来出来てくる超小型燃料電池でストレス無く長期間動くというものだと言えれば、大いに溜飲をさげられるものだ。(笑)
 ここまで作り込んで旧来の小型35ミリ一眼レフの筐体に納まれば文句なしのデジタル時代に生まれた他社のような銀塩の流用では出来ないDSLRと言えるだろう。
 ただ、3CCDのビデオカメラを見るたび、こんなものが一眼レフに納まるだろうかという気もするのだが(笑)



 
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by Hiro_Sakae | 2005-10-16 10:56 | E,Pen-system関係


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