2006年 01月 28日
たまには批判的意見 ライブビューを進化させるためには
まず、DSLRはこうじゃないかと言う事でフォーサーズシステムを規定し、フィルム時代にはない撮像素子故の根元的問題をつぶし(ダストリダクション)、今回はデジタルの特性を活かしフレーミングの自由度の拡張を行ったというところだろうか。
まだ、現物に触れたわけでもなく、使い勝手はどうこうというわけでもないが、PMA2006での発表が予想される次期E-1後継機で私が期待したい改善点を書いてみたいと思う。またここの強化がライブビューをよりよくするために是非必要だと思うからだ。




それは、ずばり言えばオートフォーカスの改善である。
オートフォーカスに触れている記事と言えば、様々なところで紹介されているE-500発表の頃にスペインのバルセロナでアップされたオリ寺田氏のインタビュー記事がある。後は、今回の記事とは直接関係ないかもしれないが、今回の1月26日もオリンパスのテクニカルプロダクトマネージャーのナダ氏のインタビューがアップされている。やはりPMA本番でE-330以外の機種についての何らかの発表があることは間違いないだろう。

 余談であるが、顔写真入りで現役の管理職がしゃべっているが別にこれで寺田氏が更迭されたという事も聞かないので、ここにしゃべられている程度のことはあるていどオリ側も黙認ということなのだろうか?(それとも、ネットの特性で伝播していくことを想定した上での計算ずくの話しなのだろうか?)

 さて、AFの件に戻るとAFの正確性自体についてはオリが自信を持つことについては当然だと思う。確かにAFカメラこそ作ってはいなかったが、電子顕微鏡、同内視鏡他でもこの焦点合わせの正確性という部分では恐らくカメラ以上の精度を求められていたはずであり、オリンパスの性格上DSLRの合焦精度には相当力をいれるはずであるからだ。

 しかしである。カメラの場合は合焦したい被写体が必ずしも定まった位置(例えば中央)にあるわけでもなく、また動いて居る場合もある。加えて細かいことを言えば、カメラ自身が動く。
従って、カメラの場合のAFの総合力→「使えるか?」という場合には、AF自体の正確性に加えて、合焦に至るスピードと、無限点は無理にしても如何に測距点を多くするかの合わせ技で決まるはずである。

 例を上げてみよう。簡単な例ではS-AFで画面の右上隅に狙った被写体があるとすれば、AFポイントで合焦した上で、もう一度右上隅にフレーミングし直すと言う事になり正確に言うとコサイン誤差が生じる。(まあ、実際には許容出来るじゃんみたいな議論はこの際おいといて(苦笑))
 では、ここにAF精度の誤差0ながら、合焦点が中央1点のAFセンサーAと、AF精度に少々誤差があるものの、無限のAFポイントがあるAFセンサーBという極端なセンサーを想定する。センサーAが中央点以外の被写体を合焦する際は一旦AFした後にフレーミングし直すとしよう。
この場合フレーミングし直す際のコサイン誤差は消しようがないので、センサーBのAF精度の誤差がこのコサイン誤差以内であれば、それはカメラの使用においてはセンサーBの方が良いと言うことになる。また実際にはフレーミングし直す際にカメラが動いてずれるリスク、その手間等を考えれば、カメラにおける測距点の数の多いセンサーは、使い勝手だけでなく最終的に使う時点でのAF精度と言う意味では、明らかに総合的精度では上になる可能性が高い。(AF精度の正確性と、実際使用での精度の優劣が必ずしもリンクしない)

 次に、C-AFの場合である。これはAFが被写体にどれだけ追随できるかAFのスピードに依存する。こちらの場合はもっと簡単である。これもAF精度は完璧だが、追随性が今ひとつのAFセンサーと、AF精度に誤差があるが、完璧に追随出来ると言う極端なセンサーを考えれば良い。従って、AFスピードが早いセンサーの方が総合的に見てAF精度が高くなる可能性が高い。

 オリファンとして、次期E-1後継機に期待する事は、この正確性、測距点、スピード三位一体となったカメラに搭載されるAFセンサーとしてのパワーアップである。極論すれば総合的なAF性能は、この3つの要因の一番弱いものに性能が縛られ評価を受けると思う。カメラのAF機能は、正確なデジタル距離計とは違うのだということだ。

 幸いなことに寺田氏のインタビューでもオリ自身がこの点は認めているようなので、どこまで追い込んでくれるか(インタビューでは連射速度アップにも触れているが、)?が見物だ。

露出に関しては、E-500から大幅に改善されたのでこれらに合わせて、ハイライト&シャドウコントロールに続く、マルチスポット測光の搭載があれば問題ないだろう。(E-500の座談会の時に聞いた話しでは、E-500に搭載を検討したがファインダー表示がE-500では無理であきらめたとのことだ)これに、上記のAF性能のアップと連射速度→フラッグシップ機にふさわしいカメラの基礎体力部分の改善に注目したい。

 と、長くなってしまったが良ければもう少し我慢して読んで欲しい。私がこのAF性能をE-1後継機だけでなく、オリが今後抜本的に解決すべき理由に思い出したのはE-330のライブビューと言う仕組みを見てからだ。

 今、私はどちらかというとマクロに近いものを良く撮る。そしてほとんどはE-300のAFで撮っている。しかし、あるていど近接になってくると実際にはS-AF+MFを常用している。ざくっとAFでよった後、ファインダー面でMFをすると言う具合だ。またアダプターレンズも結構使うのでこの場合はMFオンリーである。自分の使用で考えれば、AFのみで撮る場面(普通にスナップしたり、接写では無いもの等)の方が多いのは事実ではあるが、AF機能の限界をMFでカバーしている部分もある。

 光学ファインダーであれば、このAFとMFの合わせ技で対処出来るがライブビューAではこのMFが事実上不可能である。
 非常に厳しい言い方をすれば、折角ライブビューAで画期的なフレーミング可能な範囲の拡張をしたものの、ライブビューAでは合焦はAFに依存しないといけないことを考えると、本来理論的には大きく広がるライブビューでのフレーミング拡張範囲に「現行のオリンパスのAF性能に頼れる対象において」という目に見えない制約がついてしまうのではないだろうか?

 これを他社との比較で言うなら、
 仮に他社がデジタルシステム本来の拡張を考えた場合、既存のカメラとしての性能の延長線上(含む既存マウント資産との整合性維持の問題)であるが故に、オリのような斬新なデジタル故の拡張(ポロ故にライブビュー搭載が出来た)が出来ない制約がある、そこにとどまっていると言う議論が成り立つとすれば、
 オリは、一からシステムを作ったが故にデジタルとしての拡張性に大きなアドバンテージを有する一方で、このままでは既存のカメラ体力の限界が本来ぐーんと広がるべき世界の限界を作ってしまわないかということである。

 今回のE-330は、セグメントとして普及型の上位、3桁ラインであること、デジカメからのDSLRステップアップ層を狙いとしている面ではこれで良いのではないかと思う。光学ファインダーも残存している。ただ、ライブビューで例えば壁越しに狙うものが、オリのAFでは心許ない(いままでならMFで調整していた)シーンであれば今まで通りあきらめるか、或いは強引に光学ファインダーで今までのように壁に登って撮るかしかないということも事実である。

 危惧として、ライブビュー類似の機能を他社が作ってきた場合にAF性能の優劣で他社に使い勝手で軍配が上がる可能性がある。AF性能が完璧であるなら、フレーミングだけできれば良い話しになるから、極端に言えばモニターの高精細度が多少劣っていても使い勝手、撮れなかったものが撮れると言う意味ではそちらの方が優秀だという事になりかねないからだ。

 EVFでも、液晶ビューでもどちらでも良いがオリンパスが今回打ち出した、アングルの開放を突き詰めてフリーアングルまで行けば、光学ファインダーでは対応出来ない。また光学ファインダー並のMFが可能となる液晶ビューがすぐ出来るとは思えない。液晶ビューをあらゆるシーンで使えるようにするには、AF性能の大幅アップが必須であると思うのである。

 もちろん、E-300の機能は持っている上で、露出改善、ISO改善、した上でライブビューが乗っているわけであるから、拡張性という意味では大幅になされているわけであるし、私が想定する様な場面が確率的に多いかと言えば少ないのも事実である。使用頻度と、実用的許容度から言えば重箱の隅をつつくような誤差、精度の部分もあるが、引用したオリの記者の記事にあるようにこれからすべてのE-systemに乗る=E-1一桁機にも乗るとするなら、敢えて言いたかったものだ。(だから、ここを読んでいる人が、こういう事を書いておきながら、もし私がE-330を手に入れて、にこにこしながら使っていたとしてもそれはそれとして暖かく見守って欲しい(笑)

現行機で足りないところをユーザーが不満を言い、それを何れメーカーが直してくれる。(或いはそう信じる(苦笑))でとりあえず、惹かれるものがあれば、一部不満なところはとりあえず自分の腕や慣れで補って、良いところを活かしてやる。ファンの性のようなものだ。

それでうまく、次の機種で改善されれば良し、改善されずに使い続けても、暴れ馬を使いこなしたとそのカメラに愛着がわいて良し、どっちでも良しである。そういうものだ。肝心なのは、いつまでも、そういうファンに飽きさせない夢をもたせてくれるかだ。そう言う意味ではオリは今のところ頑張ってくれている。ありがたいことである。

 
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by Hiro_Sakae | 2006-01-28 12:45 | E,Pen-system関係


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