2006年 04月 01日
ML 55/4.0 マクロその3 そしておまけ
 結論から言うと、こいつが実際に富岡の血を引いているのかどうかは謎であるが、私的には富岡60/2.8マクロの弟分として大いに気に入った。

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(E-330,Yashica ML55/4.0 Macro)




c0036985_19124738.jpg(左:YashicaML 55/4.0Macro,右:Rikenon 60/2.8Macro)

恐らく、私がズイコーを好きな様に、ヤシカをヤシノン~MLと愛する人たちには既に解明されていることなのかも知れないが、この後にヤシカの子会社となり、現在は京セラオプテックになっている富岡光学というのは不思議な会社である。

富岡と言う方が作った会社であるが、当初はトミノンという自社ブランドを持ち、ヤシカのレンズを作ってからも高級ラインにはこのTomiokaのダブルネームを入れさせるほどの実力だ。ややこしいのは、ML時代に至るも当のヤシカML自体が全て富岡メイドというわけでは無いことに加えて、特にM42時代はこの富岡メイドのレンズが、マミヤ、チノン、リコー銘になって出ていることだ。(当たり前であるが、これらの名前の場合富岡と書いてあるわけでもない)何となく伝承の様にあるいは、これらを研究する方の成果で、チノンでもこれは富岡だ、とか今ではわかると言う感じだ。

こういう伝説には得てして、背びれ尾びれが付き伝説がいつの間にか神話になっているものもある。また実際には事実としてOEMとして生産されているわけであるからそれらが全て富岡のオリジナルの発想でつくられたものでない(=凡庸なものも混じる)ということもあるだろう。

さて、今回のレンズはどうなのかというのは不明であるが、ヤシカがRTSスタート時にツァイス銘のレンズと並べて自社ブランドのMLを並べた時初期ラインナップからあるレンズであること、初期からあるMLの名玉には有名なML35/2.8をはじめM42時代のヤシノンの名玉(その殆どが富岡メイドと言われている)の血を引くレンズが多いことから、この55/4.0マクロも富岡の血があるのではと考えるのが楽しい部分もある。

不可解なのは、1960年代初頭、既にまだ他社の多くがテッサー型のマクロでF3.5を出すのがやっとという時代に、当時最新鋭のクセノター型を自己消化し、F2.8で等倍というとてつもないスペックのマクロを開発しておきながら、ML立ち上げの時にこのマクロの後継を出さなかった点である。ちなみに、MLの標準マクロとしてはML55/2.8が知られているがこちらのレンズ構成はこのヤシノンマクロとは全く別物であり、一説ではスライドコピー用途のレンズの焼き直しとのことである。(これは別にだからいけないというのでなく、本来標準マクロとはそういう地味な複写系の需要が本筋のものだったのである。)

そして、このヤシノンマクロは何故か、京セラのAF一眼カメラのマクロで復活する。今や京セラにAF一眼があったことすら知らない人が多いかも知れないが、ヤシノンマクロに遠距離撮影時の色収差を更に補正すべく1枚レンズを追加した仕様とのことだ。言い換えれば、その程度の修正で充分モダーンなレンズとして通用する力を秘めていたわけである。

で、何故なんだろうと言う話しであるが、何となく看板のツァイスにはSプラナー60/2.8があり、これとタッグを組むと言う意味ではやはり55/4.0の軽量なマクロというのが良かったのかなと思う。ただ、願わくば京セラAF仕様なのでなく、ヤシコンMLで更にチューンしたヤシノンマクロがあればなあと言うのが正直な感想だ。

後は、今となっては調べる術が私にはないがこの京セラAFマクロのレンズ構成があろうことか、ツァイスのマクロプラナーと似ているというまことしやかな噂がある。できれば、この60/2.8で等倍でどちらもずっしりと思い、ヤシノンマクロと、マクロプラナー(Sプラナー)のレンズ構成を比較出来ればなあと思う。(勿論、プラナーはフローティング機構等最新のものが組み込まれているのはわかってはいるのだが、、)

何れにせよ、このヤシノンMLマクロは玉自体が少ないみたいであるが値段は今となってはML55/2.8より安い。(と言うか、最近の55/2.8マクロは高めの値段だ)富岡のマクロと同様、見かけたら抑えておくのも悪くないと思う。
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by Hiro_Sakae | 2006-04-01 19:49 | Yashica ML系


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