2006年 05月 14日
日経ネットの社長記事及び光学メーカーのプライド
先日の決算発表会での社長発言等がロイターに続いて日経ネットでもアップされているが、、



 結論から言うと、プレゼン資料に則った説明であるが、色々あるので若干の私的補足説明について

1.新型DSLRについて、
 多分、これは私も記事にした、この中期計画の枠外のその先についての資料でニューコンセプトDSLRと言うものが書いてあったので、注目がどうしてもそこに言ってしまう為であろう。資料でもこれからの3年間については、フォーサーズを更に小型化他煮つめていく、進化或いは深化させていく時期となっている。
 文脈で判断出来ると思うが、ここで言う新型DSLRとはフォーサーズ発表時のような、全く新しい規格のものを開発したり、発表すると言う意味で、オリのDSLRはそう言うことは全く無く、フォーサーズで変わらず行くのだと言う訳である。後段のイメージングの大久保社長の談話では当面はE-500を更にてこ入れしたいということだったので、恐らく、今年度次期E-1ともう一機種となれば、更に小型化等を煮つめた、次期E-500が出てくるのはほぼ確実なのではないかと言える。
 また、新たなものが無いという意味では、巷間未だにミドルクラスのE二桁機はどうなったという話しが出るが、当面オリのDSLRは、E-1,E-3xx,E-5xx系の3ラインでこれをそれぞれ発展させると言う形で(これに更に新ラインが加わると言うことも無い)と言うことだろう。これを軸に、いままでどちらかといえば「世界初」と言うような斬新さはあるものの、カメラの基礎体力と言うべき部分が他社に対して甘い部分があったので、オリの特徴ある技術を煮つめつつ、この基礎体力部分の地味な部分を改善する、いうことであると思う。

 尤も、ではその先の事を見据えた、基礎部分の研究開発もしないのかと言うとそれはあり得ないだろう。(笑)事実、この3年間は研究開発費は増額で推移する計画であるし、イメージング部門の新規事業開発に関しては、各部門と共通する部分もあり、オリ本社に格上げし、イメージングの負担を減らしている。従って、DSLR他イメージング部門の研究開発がしょぼしょぼになるという話しではない。(断るまでもないが、念のために)また、もしも、この研究開発の中でフォーサーズの第三世代向けの諸要素の研究をするからと言って、「計画中に新DSLRと言ったものは開発しないが、次に向けての○○というものを開発します」とも言えない部分もあるのではないか。Live-MOSも基礎的な部分は5年前からやっていたという話しであるし、フォーサーズすら企画が社内であがったのは構想発表にさかのぼる3年前だったはずである。で、こんな動きは当たり前であるが、途中で発表されたわけでもない。

2.事業撤退は無いかと言う話題について

 これも、当然あり得ないと思うが財務数字や短期的な考え方から見れば質問を出したくなる気持ちもわかる。

 中期計画を見れば、3年後に1兆4000億円の売り上げで、営業利益を1500億円、約1割強の営業利益率を確保するとしている。そして、その中で映像事業は3000億円で120億円の計画である。全体では、売り上げを35%、利益を2.1倍となる中で、映像は同12%増、同20%増と低い伸び率になっているのである。
 計画達成の数字を映像部門と、非映像部門で分離するとさらにわかりやすい。全体数字から逆算すると、
映像部門     売り上げ3000億円、  営業利益120億円
非映像部門合算 売り上げ1兆1000億円、営業利益1380億円
となり、映像部門が無いと当然財務的にはぐーんと良くなるのである。もう強引に言ってしまえば、恐らく映像部門に付加されていないものの、映像部門でも共用される開発等もあるだろうし、有利子負債等から生じる営業外費用を考えれば、はっきり言うと、「3年間は映像事業は収支とんとんで良いし、加えて当然研究開発費等はむしろ従来より増やしてあげるから、とにかく継続的収益が出る事業として盤石にせよ」とまあこんな感じである。

 ファンとしては、正直続けると口だけでなく、収益的にも負担をかけずまたそういう中身で世間に公表してくれる「オリンパスへのカメラ事業継続に対しての姿勢」は非常に嬉しく思うのである。ただ、この辺は一般投資家から見れば、「合理的ではない、本当か?」と思うのも無理はない。

 私自身も、これに対する合理的理由は何もないが、ただ80年代後半の一眼レフ不況と言える時期に踏ん張ったペンタックス、○○スイートとかイ○スと言ったママさんSLRで苦戦したりして一時期赤字が続いても、踏ん張ったニコン等、カメラ部門の赤字、低採算性にあえぎながらもこれを乗り越えてきたのはカメラメーカー共通のものである。 むしろ、カメラの好不況の波を乗り越える中で、カメラ以外の主軸事業を拡大、発展させてきたような節もあるぐらいだ。

そして、今DSLRの主要プレーヤーとして残っているキャノン、ニコン、オリンパス、ペンタックスの中でも、戦前からあるメーカーは、キャノン、ニコン、オリンパスの3社、またその中でもキャノンは戦前はニコンからレンズ供給を受け、ニコンはレンズは戦前からあるが、ボディは戦後である。オリンパスのみが、この栄枯盛衰の激しいカメラ業界で戦前から、レンズ、ボディ共に生産を続けている「光学屋」である。

ライカも、ツァイスも、最後はカメラで覇者を目指したように、やはり光学メーカーにとって「カメラを作る」というのは格別の意味があるのではと思うのである。やや皮肉的な言い方をすれば、「収益不安定で競争も激しいと言ったカメラ市場で、プレーヤーとして活躍すると言う道楽、或いは余裕、そしてそこでの成功」というのは光学メーカーの最大の栄誉とプライドがかかっているのではとさえ思うのである。極端に言えば、「例え、会社は生き延びても、むざむざカメラ市場から敗退するなんて屈辱を味わうくらいなら、会社やってる意味ない」みたいなものであろう。結局、撤退した京セラさんは光学メーカーでは無いし、これは全くの私見であるが、コニミノもミノルタであれば撤退はあり得なかったと思う。逆に言えばミノルタがミノルタであることをやめてコニカとくっついた段階で、少なくとも(個人は別にして)会社の意志としての「カメラ事業を守り抜くという光学メーカーのプライドと執念」は喪失していたのであろう。

また、話しが拡散したが、私的にはオリンパスが発表しコミットしてくれたことは、オリンパスがズイコーのブランドと共にカメラ事業を目先の利益でなく、光学メーカーの「看板」として事業の長期的継続の為に、暖かく大切に扱ってくれる証として、評価したい。


  
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by Hiro_Sakae | 2006-05-14 00:35 | E,Pen-system関係


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