2006年 05月 24日
再び光学メーカーにとってのカメラ再考
先日、このブログで、光学メーカーのプライドなる形で、オリの今回の中期計画がよく言えば、非常に固く映像事業にとってはありがたい予算である一方で、ここまでしてカメラメーカーの看板を下ろさない理由について、「カメラを作るというのはある種の、光学メーカーのプライドである」と言う、いささか情緒的な記事を書いた。実際、2004年以降メーカー各社のDSLRが出揃って以降、光学メーカーは撤退をしていない、、、、、しかし、、




ちょっと待て、先ずコダックはコンパクトは続けているがDSLRはやめてしまったし、京セラ-コンタックスも撤退。そして、あのコニカミノルタも撤退したではないかと言われるであろう。中判では、マミヤも事業を譲渡したでは無いかと、、。

また、キャノン、ニコン、オリンパス、ペンタックスと言っても、売り上げの過半を占めるのは精々ペンタックス位で、後はみなカメラ以外の事業の方が大きいではないか。(ちなみに、多い順だと、ニコンさんが約半分弱、オリンパスが3割強、キャノンさんが2割強である。最強メーカーが実は一番、事業にしめるカメラの売上比率が低いというのも興味深い)

しかし、ここで改めてルーツという様なものを考えてみよう。光学メーカーのメジャーどころは上場しているが、上場した際の主要業種に応じて各社その業種毎に分類されている。光学メーカーはここで言う分類では精密機械の項目にカテゴライズされる訳だ。

この、カテゴリーで言って、光学メーカーで且つカメラを作っているメーカーはとなると、キャノン、ニコン、オリンパス、ペンタックス、リコーがこれに該当する。

そして、先ほどの撤退したメーカーのうち、コダックは米国メーカーであるので除外するとしても、その他の会社の分類を見ると、京セラ-コンタックスは電気機器、コニカミノルタも電気機器、マミヤオーピーは機械である。恐らく、提携、合併等の際に存続会社の業種に引っ張られたのかも知れないが、分類上は精密機械に属する光学メーカーからははずれているのである。

撤退当時の、会社全体の好不調から言えば残っている上記の光学5社がいずれも撤退メーカーより業績が良かったというわけでもなく、カメラ部門だけを取っても、部門業績だけをとれば光学5社の方が悪い会社もあった。また、総売り上げに占めるカメラ部門の売り上げに関してみても、上述したように、4割を越えているのはニコン、ペンタックス位で、後はオリンパスで精々3割強、キャノンは2割ちょっと、リコーに至っては1割にも満たない。加えて各社、非カメラ部門の方がどちらかと言えば安定的に収益を上げている状態である。

結局、上記光学5社と撤退会社との違いは単に、「光学メーカーとしてカメラを作る」と言うこだわりの有無では無いかと思うのである。
では、光学メーカーとして、カメラを作りブランドを維持することに意味があるのか?と言う部分ではどうだろう。
実は、過去にカメラ、もしくはレンズを作りながら撤退し、その後も隆々と上場し(規模でなく財務体質では)カメラに固執したメーカーよりも手堅く事業を続けている会社がある。
一つは、メガネ、コンタクトレンズで有名なHOYAであり、もう一つはかつてはカメラ界に名を轟かせたトプコンである。HOYAが主要業種のメガネ等が消費者向けの製品であったために、ブランド名としては認知されているものの、トプコンに関しては、今やトプコンと聞いてカメラを認知する人は少数派であろうし、ペンタックスと規模で同規模、利益で凌駕する会社ながら、ペンタックスと、トプコンの現在の一般的な知名度を考えればその差はもう埋められないのでは無いだろうか。(いみじくも株式の証券コードではニコン、トプコン、オリンパスと並んでいる)
やはり、ただ単に名前が売れれば、会社が残ればと言うのでなく、「光学メーカーの○○」としてその名を知らしめるためには、この消費者向け光学製品の象徴とも言えるカメラ部門を存続させると言うことに光学5社がこだわるのはわかるような気がするのである。

ただ、今回このデジタルカメラ以降のカメラ業界の争い、そして今年からいよいよ本格的にいわば「カメラの頂上決戦」とも言うべきDSLRを主戦場に繰り広げられる争いは今までと違う様相を呈している。今までも古くは日本対ドイツ、そしてその後国内メーカー同士であくなき競争が繰り広げられてきたが、所詮は大きく括れば光学及びその周辺業界内での覇権争いのようなものである。しかし、今回はソニーと、パナソニックが加わる形だ。売り上げ規模だけで会社の体力が決まるわけではないが、光学五社はガリバーのキャノンで4兆円、ニコン、オリンパスは1兆円前後、ペンタックスが確か千数百億円規模である。一般的に言えばどの会社も大企業であるが、ニューカマーはソニーで7兆円、パナで9兆円を売りさばく企業である。
イメージで言えば、ニコン、オリンパス、ペンタックスにリコーを足したのとキャノンさん1社の売り上げが大体同じで、この5社を全部足しても、ソニーとパナの間(要はこれらの会社の)1社分と言った感じである。(注ここでの売り上げは各社Gの連結ベース)

どうも、私を含めカメラだけの売り上げや、シェアの序列に目が奪われ勝ちであるが会社全体で見るとそう言う感じである。おっと忘れたが、リコーさんも会社で見ればキャノンに次ぐ2兆円の売り上げ、複写機も好調である。(そう見れば、会社の体力比ちょっと力こぶを入れればGRD位作る体力的余力はあって当たり前、作れて当然かも知れない。別に赤字を出さなければヒットしなくても会社としてはどうと言うことは無いのである。)

そんなことは、あり得ないが、もし、ソニーなり、パナソニックが「採算度外視だろうが何だろうが会社のリソースをありったけ注力して何がなんでもDSLRでトップをとりたい」と本気(狂気?)を出せば、とれるかも知れないと思う。しかし、そんなことも無いだろう。逆に既にコンパクトではこれらガリバーに浸食されながらも、光学五社がペンタックスに至るまでカメラにしがみつく、オリのように他部門の黒字をつぎこんでも続けるというのはやはり、私は何かの「光学メーカーとしてのこだわり」を感じずにはいられない。
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by Hiro_Sakae | 2006-05-24 23:56 | 雑記諸々


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