2006年 08月 27日
目先の話と、オリのこれからのネタ
 今年の初めから、カメラ雑誌と言うよりも経済誌等でデジタル一眼レフ絡みの話題が出ると電機メーカーの参入もあり、(特にワールドワイドで見ると)今年から、来年がいよいよデジタル一眼レフ大競争時代の幕開けの様に書いてあった。これに関する与太話と、この前の記事ですこし書いた、これからも楽しみなオリのデジタルネタの私見を書いてみた。



 丁度、2年前のフォトキナの開催された2004年の頃と言えばようやくカメラメーカーの各社がDSLRに揃った頃、2005年は二強のキヤノン、ニコンがシェア争いの主戦場である普及価格帯よりも上の中級機の入れ替え(ニコンのD200、EOS5D)をし、今年の春までは、その他各社は戦線の維持が精一杯で、中にはコニカミノルタ、コンタックス、コダックのように戦線自体からの離脱を余儀なくされるような状態であった。

 そして、今年はソニー、パナソニックが加わった訳である。去年との違いはDSLR大競争時代の幕開けにふさわしく、夏からペンタックスのK100D、ソニーのα、ニコンのD80,そして王者キヤノンのキスデジXとニューフェイスが続いていること。今年のフォトキナは、一番シェア争いの熱いカテゴリーに各社が新鋭機をずらりと並べてお披露目をするという場になるというわけだ。

 と、考えてきた時にこれに対抗するフォーサーズ陣営としてのフォトキナを考えてみると、やはりオリンパスとしては、まずはこのフォトキナにこれら各社のいわば宣戦布告のお披露目とも言う場に、「不戦敗」は出来ないと言う事情が考えられるだろう。であれば、待ち望まれる次期E-1後継機のモックアップぐらいはでてくるかもしれないが、やはり(それがE-500の後継なのか新型かは別にして)このカテゴリーにニューフェイスを投入するのを優先すると言うのはむしろ当然と考えられる。

 加えて、今までキヤノン、ニコンの二強は揺るがないと思われていた中で、(それが二強のモデルがディスコン末期だったという特殊事情があるにせよ)、ソニーがアンチダスト&ぶれ補正&10MPで、ペンタックスがぶれ補正で、二強のシェアを大きく崩したと言う「異変」を起こしている。もし、オリンパスがぶれ補正や、AF改善等の「コマ」を持っているのならこれを次期E-1にと出し惜しみをせずむしろ、このラインに投入してくるはずである。いや投入すべきである。そして、お手ごろ価格も必要だ。2年前のE-300で「レンズセットで10万円アンダー」を打ち出しその後の普及価格帯のDSLR実売価格を下げたものを、再度再現して欲しい。ソニー、ペンタックスが善戦しているのも、それぞれ性能対比の「値頃感、お得感」が寄与しているのも事実だと思うからである。

 だとすると、「これはお得だなあ」と思わせるために、本気でやるなら、
・AFと連写の噂程度の改善に加え
・ダストリダクション(まあ当然)
・他社比優秀な撮像素子手ぶれ補正
・ライブビュー(AでもBでも良い)
・10MP
有り体に言えば、ソニーのゴミ取り&ぶれ補正&10MPと同等性能にライブビューも付けて価格は、レンズセット99800円、実際の実売スタートはE-300と同じ89800円でキスデジXよりも安いと。これぐらいであれば、良いのでは無いだろうか。値段ではペンタとキスデジXの間だけど、新しい機能はてんこ盛りという感じだ。出来ればボディは79800円あたりでスタートすれば、相当いける感じがする。

上の機能で中途半端にボディ10万ぐらいにすると、既存ユーザー(E-500やE-330ユーザー)あたりからは、「おいおい、1年でこの値段でこんなについちゃうのかよ。おれの去年の投資は一体何だったんだ」と反感を買うおそれがあるかもしれない。しかし、ボディがスタート8万円を切っていて、2,3ヶ月経って実売が下がり、更にポイントも付いてとこれぐらい下がると、怒るのを通り越して、「あた~、やっぱこんな安いとがまんできなくなっちゃた~」と逆にまた「お布施」も見込めるというものである。勿論新規ユーザーにとっても安いに超したことは無い。中途半端でなく、がつんといけばみんなハッピーなのである。(笑)

で、来春の次期E-1につなぐ。その間にコアなファン向けに、次期E-1で腕をふるってもらえるようにレンズをぱらぱらとPMAにかけてリリースするというのも悪くないだろう。(苦笑)
これで、次期E-1までつないで、来年の後半はと言うと、情勢によるが普及価格帯は(オリの目線で言えば)マイナーチェンジぐらいで熟成させ、勝負球はE-3xx系の後継機だろう。パナさんの次期機種のベースボディとしてもこれは必要であろう。今度は順番を入れ替えて、パナを先に出して、オリが後なんていうのかもしれない。

「うーん、でも今回ぶれ補正とか出して、新機能好きのオリの出してきそうなネタって今後も何があるの?」というのが考えられるが、私がよく記事にする公開特許ベースで複数公開され煮詰まっているネタが以下の通りだ。かなり先のものもあるかもしれないが、将来のお楽しみとして読んで頂きたい。

1.無線通信機能(アダプター)
  これは、次期E-1で乗ってくる可能性がある。プロ仕様としてこれをかなり煮詰めている。無線搭載のアダプターもバッテリーグリップの様なものから、USBアダプターの様な小型のものも公開されており、最近ではボディの中にアンテナがしかけてあり、カメラの向(縦位置、横位置等)にあわせて最適なアンテナを使用して通信を安定させるような特許や、PCから通信機能で複数台のカメラを高度にコントロールする特許なども公開されている。

2.ゾーンフォーカシングAF
  今回の噂では7点測距等のレベルであるが、オリ特許では最大29点測距で且つ、それを5点程度のゾーンを任意に設定でき、そのゾーンに入った被写体のAFをゾーンの網で補足するようなアイデアがいくつか公開されいてる。(AF測距点の多点化のしくみついては、ペンタミラー型と、ポロミラー型でそれぞれにフィットした特許が公開されている)

3.動体追随AF
  これは、C-AFと違い、例えばある被写体にAFをロックインすると画面上でその被写体が動いても、AFポイントが変わり追随していくもの。今の3点AFではどうしようもないが、上の多点測距と組み合わせれば、画面内を横切る被写体に追随してAFポイントが動いていくような形になる。

4.TTL位相差AFとライブビューAの合わせ技によるAF高度化
  これは、比較的最近公開されたもの。いわゆる2,3の機能強化及び、精度アップのために通常配置のAFセンサー情報に加え、ライブビューA用の受光素子の情報(コントラスト情報)も使ってしまおうというものだ。有り体言えば、通常の一眼レフのAF方式とコンデジのAF方式の二つのAFセンサーを搭載しているようなものである。これで他社対比優れたAFが作れればオリ独自のライブビューAとの組み合わせでアドバンテージを得られるだろう。

5.超高速連写
  ここで言う、連写は秒50コマとかそういうレベルのものである。このレベルになると一回のミラー駆動の間に何コマも撮るので、そのAF処理、AE処理も含めたカメラの仕組みの部分の特許や、この高速処理を可能にする演算部分の特許、また、最近ぽつぽつと上がっている特許では、この短期間の間に膨大に出てくる画像データの処理(出力、バッファリング、保存)についての特許が公開されている。このくらいの間隔になると一こま一こまでは殆ど(全く)差異のないデータもでてくるので、それを間引く手法、間引いたデータを消去せず特殊な可逆圧縮で蓄積する方法、またそのままの形でデータをやりとりするのでなく工夫をする方法等、色々出てきている。
  ちなみに、オリンパスはこれとは逆のアプローチ、すなわち超高速フレームのハイビジョン動画を撮り、ここから任意の部分で更に高画素の静止画を作成すると言うビデオカメラをNHKと共同研究で進めており、こちらの方は去年試作機が完成し、新聞記事や、オリの中間決算でもお披露目されている。分野としては、医療事業部門の機材であるが、恐らくSSWFの様にこの辺の基礎技術が生かされているのかもしれない。

6.超小型化したズームレンズ
  これは、かなり先というか(苦笑)次世代レンズと言おうか、電子ペーパーというのをご存じだろうか?あれは電圧が加わるとガラス版のようなものの中の結晶のようなものの屈折率が変化して白黒で画像や文字が浮かび上がる仕掛けになっている。この屈折率が変わると言う仕掛けをレンズに応用してしまって超小型のレンズ(と言うかレンズエレメントの一部)に使うというものだ。

  これも上の連写と同じようにそもそも(一部特許には実施例でカメラレンズが記載されているが、特許対策かもしれない)は、医療部門、バイオ部門の特許で例えば、この仕組みを使って超小型電源を内蔵しためがねにし、より高精度のめがねを作るとか、(あまり自分がしたいとはおもわないが、)別の実施例では、視力障害の方のために、超小型のものを眼球内に移植し人工網膜のようなものへの発展等が記載されている。ちなみに、カメラであればレンズのエレメントの一部にこの仕組みをいれるだけでも相当小型になるようであるし、流体(液体)レンズなどよりも精度が出しやすいようである。

7,撮像素子交換可能な構造

  一転して、これはカメラ固有のもの。特許上は交換可能なグリップとなっている。撮像素子+背面液晶の部分と、グリップ部分が一体になっていてこれが本体と脱着可能となっているというアイデアである。
  撮像素子と一緒に液晶部分も交換できるが、この特許の肝はこの同時脱却されるグリップ部分にいわゆる画像処理エンジン等のCPU部分を入れてあるというものだ。最近の撮像素子は撮像素子だけでなく、その処理エンジンも含めてパフォーマンスを発揮するために、これらを一体に交換可能とし、技術発展に伴うユーザーの負担を軽減するためとなっている。カメラの中で、グリップ部分にこのCPU部分を寄せる仕組み、またボディとの結合の仕組み、データのやりとり等が特許として構成されている。

8.同じく交換可能なカードアダプター
  
  これも、仕掛けとしては、今のカードスロット部分をユニット化し脱着可能としている。想像だが、E-330をL-1でSDカードスロット化する際に、この仕掛けが使われているのかもしれない。

  余談だが、上記の撮像素子交換可能な仕掛けもユーザー側で勝手に付け替えられるというのはすぐこないにしても、ユニット化すると言うアイデアは現在でも行われているオリ-パナの協働等にも有利ではと思うし、エンジンごとの脱着が可能であれば、例えばフジがオリボディで富士ブランドのハニカムフォーサーズ機を出すにしても、ここのユニットだけ変えてアセンブリすればその他ボディは共用できる形になる。またこの辺のユニットの仕様を共通化しやすいのも、おおもとの撮像素子サイズ等をオープン規格化しているからであろう。


 とまあこんな感じだ。当該特許を紹介する時にも書いたが、私はフォーサーズが連合として大きく化けて他社がどんなに頑張っても物理的にできないと思うのはこの最後に書いたユニット化であるとおもう。レンズ、撮像素子双方とも複数メーカーが集うフォーサーズ連合としての最大の強みを出せる部分であるからである。

 会社、ブランドの枠を超えて、レンズが使え加えて撮像素子も好みのものをチョイスする。考えれば夢のようなDSLRであるが、一眼レフが機能高度化と共に各社独自マウントを完成させる前のフィルムの古き良き時代、M42マウントや、或いは今も現役で残るライカマウントなどでかつては実現されていたこと(各社のレンズが使えて、フィルムも自由に選べた)である。
 ユーザーがかつて享受できた便益をデジタルでも実現して欲しいという風に書き換えてしまえば至極もっともな要望であり、メーカーとしても出来るなら応えて欲しいものだ。

とまあ、話があれこれ言ったところで終わりにする。
 
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by hiro_sakae | 2006-08-27 01:05 | E,Pen-system関係


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