2006年 09月 02日
オリのホームグランドでの、熱い闘い +おまけ
  ここに来られる方はオリンパスと言ってもフォーサーズ→DSLRに興味のある人が殆どだろう。しかし、オリンパスのデジタルカメラ部門として見た場合、コンパクトもある。そして、、、今回また新たな読者が増えているようなので、オリンパスのホームグランド=大衆機、カメラに対する考え方を紹介する。共感してもらえればファンとして嬉しい。



8月30日付の日経産業新聞に、各社のデジカメ秋商戦の記事が出ていた。フォトキナの年でもあることや、全世界的に買い換え需要の波が起きていることから新機種投入が集中している。(事実、カメラ映像機器工業会の調べで今年1-6月のデジカメの世界出荷台数累計は国内出荷が前年同期比8.6%増、世界出荷では19.5%増)

そして、この記事の中で多機種投入で積極的に出てきている2社としてオリンパスとニコンを上げ、この手の記事では久しぶり&珍しく(苦笑)他社をさしおいてオリの機種を上げていた。

ところで、BCNの2-7月の国内販売台数シェアでコンパクトカメラを見ると、キヤノンの19.5%を筆頭に、富士フイルム(17.4%)、カシオ(14.8%)、ソニー(13.2%)、松下電機産業(12.2%)、オリンパス(11.1%)と拮抗状態とは言え、国内ではオリンパスやニコンからコンパクトのメジャープレーヤーというイメージが出てこないだろう。

しかし、これを毎年発表される日経の世界シェア(上位5社)の発表で見ると状況が一変する。去年(2005年)のシェア順位は、1位キヤノン、2位ソニー、3位コダック、4位オリンパス、5位ニコンとなる。特に3位以下はコダックが大きくシェアを落としたために接戦でオリンパスと、ニコンは確か0.2ポイント程度の差しかなかったはずだ。そしてDSLR程の寡占化は進んでいないが、この上位五社で全世界のシェアの8割以上を押さえている。

結局デジカメ黎明期には、混乱はあったが蓋を開けてみると全世界的には3社がカメラメーカーがライクインしている。(ここでは、富士、コダックは敢えて省く)国内では上位五社にキヤノンしか入っていないのと対照的である。

カメラメーカーでトップのキヤノンに次ぐ第二の地位を或いは、全体で見ても上位ビッグ5の地位を賭けてニコンと、オリンパスはつばぜり合いをしているのである。ニコンさんにすれば、DSLRであれだけシェアを伸ばしているのだからキヤノンに次ぐ地位を取りたいだろうし、オリンパスにすれば一眼レフはともかく、コンパクト=大衆機市場はオリのホームグランドでもあり、ここは意地でも負けるわけにはいかないだろう。また、微妙なのは両社の自社のデジカメ出荷予想は決算発表時ではほぼ同数なのである。(苦笑)

オリンパスは、PenF,OMと一眼レフでも名機を出しているがホームグランドは大衆機(高級機=古くはライカ型レンジファインダーその後一眼レフ、以外のカメラ)であり、オリンパス35と出て、ワイドでブレークした後は、ペンとだーっと、XA迄この大衆機の分野ではトップを走り続けた。OMの陰に隠れた70年代にシェアを3割前半に落としてオリのコンパクトが精細を欠いた時期があるが、それでもトップであったのだ。(事実このころの35SP,RC,DC,海外版のRDや真の大衆機Trip35などは、何れも名機揃いである。)

本家の強みがあってのOMだと思うし、OMがオートフォーカス化を失敗し事実上進歩をやめてしまった時期のコンパクトはXAがピークを過ぎ、その後オリのカメラを長らく支えるμシリーズが発売される前の端境期と一致している。(オリンパスピカソとかその辺だろうか、、、)

また、国内だけを見ていると安いだけではないかというFEシリーズ等あるが、これも日本以外で9割を売るオリンパスとしてみれば、新しい物好き、世界基準から見れば高価格帯が売れる日本の好みだけでラインナップを構成するわけにはいかないと言う事情もある。

余談だが、私はオリンパスはOMやフォーサーズの様に光学メーカーとしてハイエンドのシステムを作ることも大切だが、この大衆機をベースにそして一般ユーザーに目線を向けている姿勢はとても好きである。オリンパスはE-systemに力を入れるが、それでも世界の一般の人々にカメラを供給すると言う姿勢は変えないで欲しいと思う。

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おまけは、特に35ミリカメラにおいて、先輩のライカ、ツァイス、或いは日本のキヤノン、ニコンが高級機からスタートした中で、大手光学メーカーでは珍しく、大衆機にそしてカメラを使う人に目線をおき35ミリカメラを普及してきた歴史でもある。いつも、目線は一般ユーザー、そしてカメラを持ち歩く我々に向けられている。その一端を紹介する。

「光学機械を中心とする精密機械の分野で、世界の顧客が求める製品を供給することによって、文化の向上と科学の進歩に寄与することを念願し、、」(大正8年、オリンパス創業時の経営理念前文)

「取り出せばすぐに写せる小型堅牢な35ミリカメラの大衆版」(昭和23年、キヤノン、ニコン、ライカのレンジファインダー機のアンチテーゼとして世に問うたオリ初の35ミリカメラ、オリンパス35の設計方針)

「オリンパスエースは、交換レンズを使う楽しさを大衆の手に、レンズ交換というアマチュアの夢を気軽に実現したいと言う意図のもとに生まれたカメラです。」(昭和34年、写真工業81号での桜井氏の発言)

「このカメラに託したわれわれの期待もここにあり、、、万人が気安く入手しうる価格で、万人が気安く持ち歩きうる大きさ、重さ、形で、万人が気安くレリーズボタンがおせて、気安く楽しめる写真の出来るカメラ」(昭和35年、写真工業一月号「オリンパスペンの企画と設計」)

「なんだ軽いだけではないか、小さいだけではないかと思われる方がいるならば、それは写真を、写真の撮影がなんであるかをご存じないからだと思う。写真はけっして想像の産物でもなく、部屋の中に座っていて生まれ出るものでもない。現実の姿をとらえ、定着された映像を通して何ものかを表現し、見る人に語りかけるものである。いうなれば写真は足で写すものだといっても言い過ぎではない。」(OM発表にあたり、米谷氏に「OMの設計理念」)

「重いから交換レンズを置いていく、、、何のための一眼レフですか?」(1975年、OM-1の広告のコピー)

「カメラを置いて出かけると、千載一遇のチャンスに出会った時、カメラを持ってくればよかった、と悔しがる結果になります。、、、、、ポケットに入れられるくらい小さくて、キャップレス、ケースレス、ポケットに入れた時にゴミの付く心配もない、、どこにも気楽に持っていくことが出来るカメラ。それがXAのねらいです。」(1979年、アサカメのニューフェース診断室のメーカー回答より)

(カメラの自動露出が自動化に進む中で)「ひとつの被写体に対しても、(適正な)露出はいくつもあるはず。これがオリンパスOM-4の最初の発想」(1985年オリンパスの使い方2の、「OM-4の開発意図と制作ポリシー」より)

っつーか、これを拾い出すときりがないとこの辺で、、(笑)大正時代から営々と続くオリのカメラへのこだわり、そしてそれを引き継いでいるE-systemとして考えれば、オリのゆっくりペースだろうが、こんなもんで終わるどころか、お楽しみはこれからだと楽観している次第だ。
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by hiro_sakae | 2006-09-02 09:13 | E,Pen-system関係


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