2006年 10月 07日
ZDレンズでのMFフォーカシング考
  私自身も、一般的な用途ではもっぱらAFで利用しているがマクロ(もしくはそれに近い近接)撮影ではMFを利用せざるを得ない。MFとなるとボディのフォーカシングスクリーンに関しては色々議論がよく出るが、個人的にはファインダーもさることながらMF時のフォーカシングリングのタッチも気になるところである。



  そもそもは、E-300導入当初にシグマのズームを2本導入していた時期があった。シグマのレンズはMFの際にZDの様な電子式のものでなく、従来通りの方式のものである。個人的にAF一眼レフの時代を殆ど経験しなかったために、「AFレンズのMFにうぶな私」としては鏡胴を回した時のタッチの差に驚いたものだ。

 別にそれでは合わせられないとか、使い物にならないというレベルでは無い。MFレンズのグリースの効いた感触、力を入れるとぬめっと動き出して、徐々にスピードがおちてぬめっと決まる感覚が無いのである。何というかカラッとした感じなのだ。(すいません、文章でうまく表現できない(苦笑))実際、今回シグマのマクロも試してみたが、感触的なものは同じだ。

 さて、ZDレンズであるが、ZDはフォーカシングリングは全くの電子式でリングの動きと鏡胴がリンクしているわけではない。従って、従来親しんできたレンズのフォーカシングの回転方向に合わせて右回り、左回りをチョイスできるという考えられないような機能が付いているのである。では、現状、ZD50マクロと、OM50マクロを比べてことフォーカシングしているときの感触等はどちらが上かとなると、これはOM50に軍配が上がる。この電子式フォーカシングリングのおかげで、ZD50マクロの場合、回し初めのぬめっとした感じや回している時のなめらかさはなかなかよいものがあるのだが、以下の点を改善して欲しい。

1.まず、グレードによる差異から考えること
 よく、このZDのフォーカシングリングのタッチが全然つかいものにならん的な事をいわれる時があるが、一見電子式で同じように見えるフォーカシングリングでもぬめ感、なめらか感、重さ感に関してはレンズによって違いがある。(ユーザーの方は気づいていると思うが)
 リングの感触に関して言えば、写り以上に竹と梅の差は激しい。通常ボディを購入した時についてくるZD14-45レンズの電子リングのふにゃすか感覚=ZDのリング感覚と思って「こんなもんで、マクロとかMFを多用する場合使い物になるのか」とびびってしまった人もいるかもしれない。(私も実はそうだった)。しかし、同じズームでも14-45と14-54では全然違う。梅の中でも35マクロはさすがにかなり改善されている。

 要は、悪くも電子式なのであるから、この辺のタッチをチューニング出来るのでは無いかと言うことである。リングの材質の重さ等をもう少し考えて、グリース等の調整がきかない部分を電子式にいかようにでも出来そうな気がするのである。

2.改善点1 トルク等の重さ感、なめらか感
 説明は、上記の通り。この辺は、ファームウェア等で改善できる部分だけでもしてくれるとありがたい。

3.改善点2 リングの回転量の問題。
 一番は、回転量である。ZDマクロをMFで回していて、明らかにぐるぐる回す量がOMマクロに比して多い(=時間がかかる)と感じていた。特に無限遠状態にリセットされているところから近接までぐぐっと回す時の量がかったるいのである。
 どれぐらい違うのか、今回試しに測ってみた。OMマクロだと無限遠を12時の位置にして、時計と反対周りにぐるっと回って、最近接の1/2倍が丁度1時か1時半ぐらいの位置に来る。端から端まで1回転弱である。ちなみに同じ倍率の90マクロでも同じ感覚である。一方ZD50マクロはどうかというと、無限遠に合わせた時にリングに印を付けてぐるぐるまわして最近接に来た時にストップしてみると、何と2回転と1/3位回し続けなければならないのだ。これでは、OMマクロではくいっとすぐ寄るところが、もたついてしまうし、感覚と相違が出て思わず距離目盛りを確かめたくなるわけだ。
 電子式フォーカシングリングの良いところはレンズの物理的回転量と、リングの回転量の関係を遮断できるわけであるから、レンズの回転量に関係なくMFで回す時に使いやすい或いは、同じ焦点距離、用途のMFレンズと同じ程度の回転量に合わすべきである。これだけでもずいぶん使い勝手に影響する。

4.改善点3 ストップ感を出せ
  ZDのリングを回していて、違和感を感じるのはこの回転量の問題の他にレンズが最近接と無限遠の域を超えてもリングがぐりぐり回ってしまうことである。がちんと止まるというのが無理でも、例えば警告音であるとか、ぐっとトルクが重くなって気が付くとか明示的な仕組みを与えて欲しい。特にZDの竹シリーズは距離目盛りがあるので、距離目盛りを見れば判るという点もあるが、35マクロ等の梅シリーズは距離目盛りが無いので、距離目盛りで確かめることすら出来ない。上記の回転量の問題も合わせて、35マクロでぐりぐり寄っているとこれは近寄りすぎで合っていないのかわからず、ぐりぐり回し続けてしまうことがある。

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 色々書いたが、AFレンズになって、AFの高速化の為にレンズの回転量(繰り出し)を極力小さくしたり、或いはレンズの駆動に極力負担をかけないようにする必要があり、結果として物理的にフォーカシングリングを回す際には、それが従来のMFと違ってトルク感等の相違や、回転量の相違(=MFレンズはある意味MFのしやすさが命の部分があるのでこういう部分の相違はえてしてやむを得ず目をつぶっているというのになりがち)が起きるのは致し方ない。AFを受け入れるのと引き替えに、ユーザー側が受け入れないといけない部分であろう。

 しかし、オリンパスは折角この電子式フォーカシングリングというユニークな仕掛けを導入したわけである。すくなくとも「レンズAF化がMF時のフォーカシングリングの使い勝手に物理的に及ぼす影響を遮断するテクニック」を持っているわけだ。であれば、今でもぬめ感やトルクも「手を入れたんだろうな」というのはわかるので、一歩つっこんでここをもっと熟成させて欲しい。これを煮詰めて、MFレンズに遜色ない水準まで高められれば、一般受けするかどうかは別にしても、MFを必要とするユーザーには売りになると思う。


 
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by hiro_sakae | 2006-10-07 10:32 | E,Pen-system関係


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