2006年 11月 05日
オリンパスとIBM協業の記事と、センサー絡みの妄想
 11月1日付で主要各紙やネットで取り上げられたにも関わらず、デジカメ関係のHP等では全く取り上げられていない。E-systemにも関連することなのでこの記事を取り上げると共に、私的センサー絡みの妄想を、、



 どこにリンクしても良いのだが、日経ネットに出ている記事はこれ。

現在、オリンパスの全製品にかかるハードへの組み込みソフトは、オリンパスソフトウェアというオリンパス全額出資の会社に集約されている。

引用すると
「具体的には、日本IBMからオリンパスソフトウェアに業務改革を支援する専任のエンジニアを出向させ、組み込みソフトウェア開発業務を支援します。併せて日本IBMからオリンパスソフトウェアに資本参加すると共に開発業務に関し長期にわたる業務変革支援サービス(BTO*=ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング)を締結」するという内容だ。

今後、これによりオリ本体の開発はよりハード寄りにリソースを割く一方で、IBMのノウハウを導入して組み込みソフト側のさらなるスピードアップと、開発効率のアップを図る様である。別記事に寄れば、IBM側から、オリに来る部隊は約70名。オリンパスソフトの開発体制自体も業務支援と共に効率化する様で、これにより開発コスト自体も約40億円の削減が可能とのことだ。

この手法は、リストラ時にある事業部門を売却し、売却先とまたその事業の委託契約を結んで今まで、内製化していた部門を外注化(固定費の変動費化と、総コスト削減)する手法と逆の手法である。(先般行われたコダックのカメラ製造部門の売却&製造委託が良い例)
オリとすれば、開発力アップのために、オリで即戦力になるエンジニアを70人も一気に採用し、またそれを正社員で固定費化するコストとリスクを回避でき、IBM側もエンジニアが有効活用できた上で、今後の様々な有力クライアントを確保できる。

なお、すぐ訂正が出されたが一部記事で、IBMがオリンパスソフトに出資することと、このBTO契約を勘違いして、「オリンパスが、自社製品の組み込みソフト制作をIBMに全面委託」と言った内容の記事が一部出た。誤報である。(笑、こういうの、本当にやめて欲しい)
IBMからの出資は10%のみで、契約内容は上記の通り。また実際にはどの部分の製品から重点投入するかはこれから決めるとのことである。

さてさて、ここでIBMのエンジニアを引き込んでまで、オリンパスが注力しようと言う製品は一体何か?と言うことである。オリンパスソフトのHPを見てみよう。恐らく、外部から人を入れようと言う程であるから、その部門には人がいることが容易に想像できる。で、求人欄をみれば一目瞭然である。各求人欄の上位どころは
組み込みソフトウェア部門→内視鏡と、デジカメ
アプリケーションソフト部門→内視鏡とデジカメ
品質エンジニア→内視鏡と業務支援
ネットワーク関連→内視鏡業務と、医療系システム
とこうなっている。上位部門の中のそれぞれ上位にデジカメが入っている。内視鏡部門自体はそもそも厚い開発体制が敷かれているだろうから、今回の補強目的の主要因にデジカメ部門が含まれている事が推察できる。

また、今回の発表がここに来て思いついたというのでなく、開発体制の抜本的改革のために周到に用意されていた節がある。と言うのも元々、オリンパスのシステム等の開発会社としてはオリンパスシステムズという連結子会社があり、この会社の業務の一つとして親会社及びグループ会社の各製品のソフトウェア開発を行っていた。

ところが、オリは中期計画発表後の7月1日に、オリンパスシステムズの中の自社製品向けソフト開発部門をわざわざ分離、独立させてこのオリンパスソフト(正式名はオリンパスソフトシステムズ(株))を設立したのである。(その時のリリース)

従って、今回開発体制の抜本的改革の為にIBMと手を組むというアイデア、そのための受け皿会社設立を7月に行ったとすれば、相当前から周到に計画されていたのだろう。
オリがここまで力こぶを入れている、要因の一つを上のオリンパスソフトの情報と合わせて、
・リリース体制遅れを含め改善が急務であるデジカメ部門のてこ入れ(中期計画ではデジカメのコア事業はE-system)
と考えられると、今回の措置は、先日渡辺担当部長が、「お客様に迷惑をかけない開発体制等がようやくできた」と胸を張っていた改善策の一つではないかと思えたのである。

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IBMは、巨大企業で様々な事業を行っているが、組み込みソフトとはいえIBMとデジカメ?でピンと来ないので、ネットで検索してみた。するとデジカメに関係しそうな記事で面白い動きが過去あったのがわかった。お相手は、何とフォーサーズの盟友コダックである。

コダックは、ご存じの様に元々デジタルカメラ用は撮像素子はCCDを大型静止画専用にKAF、コンデジ用等にKAIと二つを主軸にリリースしている。現行オリが採用しているのもこのKAFシリーズである。

CMOSに関しては、元々業務用カメラとかそういうのしか無かったのであるがセンサー事業をコア事業とする中で、今後のデジカメから携帯等まで幅広く使えるCMOSの開発に乗り出すことに決定し、2004年にナショナルセミコンダクターのCMOS事業を買収する。
そして、これをてこに更に、次世代CMOSと言うべき新センサーの開発に着手するにあたり、共同開発/製造のパートナーに選んだのが他ならぬ、IBMであるのだ。ちなみに、この共同開発計画がスタートしたのは、2004年9月である。(当時の記事リンク)

引用すると、デジカメや携帯付カメラ向けの新型センサーで、
「IBMのCMOS(相補型金属酸化膜半導体)技術を使用することにより、似た設計のCMOSイメージセンサーよりも、消費電力の少ない高画質なセンサーが製造可能」
であり、
「新しいセンサーでは、CCDで提供される最小の画素サイズと同レベルの画素サイズを実現する一方で、光感度の向上やノイズの低減が図られるという。これらのセンサーを内蔵しているカメラを使うと、光量が少ない場所でも、数百万画素の写真や毎秒30フレームの動画を撮影できると両社は述べた。」
とある。

ちなみに、現在コダック社のコンデジに乗っているのは従来型のCCD(恐らくKAI型)で、CMOSも従来から発売されているKAC型、フォーサーズ以上の大型静止画用はKAFでラインナップは変わっていないし、私の見たところではその後、上記の様な性能を持った新型センサーは出ていない。パナのLive-MOSのMOS技術も当初は携帯電話カメラ用のMOSをフォーサーズ用に開発したのは周知の事実である。

つまり、ここからは妄想であるが、コダック-IBM-オリンパスが結ばれるのである。

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結局第二章以降の次期E-1開発遅れの元凶とも言える新型撮像素子は以前闇の中である。

整理すると、
1.2003年秋にE-1が発売。当然、一丁上がりと同時に開発部隊は次期E-1に向けて動くはずである。
2.そして、翌年の2004年にコダックは、次世代CMOS開発のためにナショナルセミコンダクターを買収の上に、IBMのCMOS技術を使って共同開発を行うことを発表する。
と続いているわけだ。

携帯機器用にCMOSを使うのは判る。しかしこの時期にデジカメでCMOSって一体どんなデジカメに使うつもりだったのだろう。コンデジはいまでもCCDである。当時CMOSを使うデジカメと言えば、コダック自身が他社製CMOSを導入したフルサイズDSLR、そしてキヤノンさんのDSLR位だ。パナのN-MOS技術がフォーサーズ用に転用できたのと同様に、デジカメ用→フォーサーズ用というのを考えてもおかしくはない。

また、奇しくもこの2004年の9月と言うのは、2005年の1月に発表されたパナとオリの共同開発が水面下で進み始めた頃と一致する。 方や、パナは2006年1月にはLive-MOSをオリと共同開発→製品化(E-330)に成功し、方やコダックはいまだもたついている。

そう、本来はパナと同じ時期にスタートし、同じ程度のスピードで開発が進み、コダック製のIBMの技術を使った新型CMOSセンサーが同時期に、パナとの共同開発機と歩調を合わす様にオリ単独開発機にも乗りこれがリリースされる予定だったのが大幅に遅れているのではないかという妄想である。

で、パナの方は本来携帯電話用MOSをオリが実装部分、フォーサーズ用への改良の部分で共同開発に参画しうまくいった訳である。オリとしてもここで出来上がってからやおらそのハードに合わせて組み込みソフトを含めた実装部分をやっていては、「どうにもならない位遅れてしまう」ので、ここはコダック社と撮像素子を共同開発しよくわかっているIBMから人を入れて一気呵成にやってしまおうとまあ、こんな舞台裏もひとつあるのではないかと言うものである。(はあ、やっとつながった。)

過去、やれaltasensだ、cypressではと、撮像素子関係の妄想は外れっぱなしなので(苦笑)書くかどうかためらっていたのだが、これが来てくれればすごい。

キヤノンのCMOS,ソニー、ニコン、ペンタックスのAPSーC勢力のソニー製CCDに対抗して、フォーサーズ第二章は、オリを中心に、パナのLive-MOSと、米国連合とも言うべきKodak-IBMの新型CMOSセンサーという布陣だ。当時の記事通りの開発が進んでいれば、高感度低ノイズを実現した上で、動画も可能というわけだから、ライブビュー登載にパナ製かコダック製かの制約も無くなってくる形だ。場合によっては、非常に小さいサイズで小光量でも数百万画素に耐えると言うことであれば、
ライブビューB用に、パナ製MOSとし、今は画素数がいまいちのライブビューA用にこの超小型高感度センサーを持ってくるというハイブリッドも考えられるだろう。AFが普通に使えるビューAで数百万画素対応となれば、LCDでのフォーカシングも劇的に改善すると思う。

コダックとしても、オリと共にフォーサーズを、E-1を世に送り出した手前、次期E-1もオリ-コダックコンビで行くとなれば、面目躍如だろう。何れパナはパナで独自ボディを出し、独立して飛躍するとすれば、、将来的に
オリ-コダックの新型CMOSセンサー
パナ-ライカのLive-MOSセンサー
シグマ-フォビオンのフォビオンセンサー
富士の新型ハニカム(もしくはオーガニック)センサー
となってくれないだろうか。

とんでも無い大大妄想ではあるがこのうち、Live-Mosは既にある。第二章発表でもし、コダックの新型センサーが発表され、くすぶっているシグマのフォーサーズ参入が発表されれば、(フォビオンセンサーは既にあるのだから)来年中に4つのうち、3つが全部実現する可能性も無いわけではない。

第二章が不発でこけたら、ブログ名を「ズイコー-フォーサーズあれこれ」の「あれこれ」を「なにそれ?」に変えると、公言(苦笑)しているが、もし上の4つの内3つ以上来たら、(コダック新型センサー+シグマ参入)「あれこれ」を「あれもこれも」に変えてもいいかもしれない。(笑)

楽しみである。
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by hiro_sakae | 2006-11-05 00:48 | E,Pen-system関係


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