2006年 11月 12日
単焦点レンズリリースの難しさ考 でもやっぱりいずれ出るよ!
 某掲示板でma7さん(ZD魚眼使いでは、ma7スペシャル創始者で有名な方ですよね)が単焦点レンズのニーズの話題で、「そうは言っても、メーカー側に聞いた話だと、結局色々出しても、やはり売れない、、」という話しを書かれていた。私のコメントに対するレスなので板で展開しても良かったのだが、こちらで書くことにする。
前から思っていることもつらつら書いて脱線もあり、かなり長文になってしまった。しかし私のオリに対する思いや考えていることもこの際書いた。敢えて「フォーサーズの思想」のカテゴリに入れたのもそれ故である。オリンパスバカの一例として好例かもしれない。(笑)出来れば、オリの方にもこういうバカもいると言うことで読んでもらえれば嬉しいが、妄想一杯なので一部失礼があればご容赦を、、



 私自身は、幸か不幸か自分の仕事で様々な業種を担当させてもらった事があるが、カメラメーカー或いは光学メーカーなるものを担当したことが無い。従ってレンズにはレンズ特有の問題、しきたりがあるのかもしれない。レンズの売れ筋データを持っているわけでもない。また、当然オリの社内事情など知るよしもないので、おおぼけのところがあれば、一ファンの戯言とご容赦頂きたい。

1.そもそも、ニーズの分布が今変わっているという問題
 先日も、日経流通だか、産業だかにも取り上げられていたと思うが今、例えば商品が100種類あってそれを売り上げ数量の上位から並べていくパレート図の様なものを想定した時この分布(あるいはプロットしたライン)がものによって大きく崩れているという点である。ここでは、例えば、オリが今あるレンズ、もしくはこれから欲しいレンズでアンケートを採ったら100種類のレンズのニーズがあったと仮定しよう。

 今までのパレート図の常識と、レンズの持つ趣味性の部分(=ニーズが分散する可能性)を考えて、例えば上位2割で20本程度リリースすれば、ユーザーのニーズの70%を確保できたとする。そして、オリとしては100本作る訳にはいかないので、9割程度のニーズを満たしたいと考えるとしよう。そして、9割を満たすには上位5割を作れば良いとする。(一般的なパレート図はこんなものではないだろうか)であれば、100本作らずとも、7割確保で20本、9割で50本作ればよい。

 しかし、今は逆にこのカーブでの7割到達ライン=上位2割のラインがもっと上に遷移する(=売れ筋により集中する傾向)一方で、残りの部分は昔以上に拡散(ニーズの分散化)するという傾向にある。思いっきり極端な例をあげてみよう。
・売れ筋ニーズ70%をカバーするには上位15%までのもので十分カバー
・逆に残り30%のレンズ毎のニーズに差が無く均等である。
となると、まず、70%カバーまでは15本となり従来カーブよりも少ない数でカバーできる。
一方で、9割まで上げる場合を考えてみると
30%のニーズが85本に均等に割られているわけであるから一本あたりの占有率は30/85で0.353%→これで90-70=20%を埋めるとすると20÷0.353=約57本、従って、9割のニーズを満たすには15+57=72本となる。すなわち、
・7割カバーするためには、従来よりも5本少なくてもカバーできる反面
・9割のニーズを満たすには22本も余分にリリースしないと満たせなくなる。
と言う形になってくる。事実先ほど上げた新聞記事では、業種によっては、「この少量多品種ニーズで大手寡占メーカーが手を付けられない部分」にターゲットを絞って成功している中小企業をいくつか紹介していた。

2.ニーズ分布で要求されるのはレンズ設計能力ではないと言う問題

 上の例で行けば、従来パターンでオリが9割ニーズを満たすためには50本、新パターンだと72本である。このうち既に発売・開発済が20本だとすると新規開発が、従来パターンで30本、新パターンで42本だ。3割以上も開発する本数が増えて大変だ、、と。しかし、問題はここではない。

 仮に、従来パターンだろうが、新パターンだろうが、レンズ全体でさばく本数予測は変わらないものとする。ニーズの分布が変わっただけで社として売りたい総本数に変化は無いという前提だ。仮に総本数を年間10万本と想定しよう。従来パターンでは7割→9割にもっていくのに作るレンズの種類は30本である。ここの部分は平均すると20%÷30=0.667%だ。実際にはこの中でなだらかなカーブを描くとして、一番少ないのは0.5%だとしよう。そうするとこの9割を満たす為に一番少ないと思われるレンズの生産本数は年間500本である。一方で、新パターンだと75%から90%の間のレンズの占有率は、0.353%であるから、これは年間353本である。

 従って、これまた極端な話しであるが、従来であれば一番採算的に厳しいレンズも500本/年で採算が取れる価格設定で損は出なかった。しかし、新パターンであれば、売れ筋上位15本以外は353本/年でも採算が取れる様にしないと、全て赤字となってしまう。「なら、300本でも採算に乗る様な価格設定にすれば良い」というところだろうが、メーカーの思惑とは別にユーザー側も「この程度のレンズならこの価格という」需要側の価格設定がある。需給の価格ラインが交差しなければ、それはあくまで「潜在需要」であり、「売れない」のはイロハのイであろう。

 要約すると
・今は、より少ないレンズラインナップでかなり(7割)のニーズを取り込める様になっている。
・しかし、これを十分満たす(9割)為に必要なラインナップはむしろ昔より増加しているのでは無いか。
・このニーズを満たす為の従来以上の少量多品種生産に物理的に対応できるのか?
・物理的に対応したとして、その時の採算価格はユーザーが受け入れられる設定に収められるのか。
と言う部分だろう。少量部分の価格を下げるには生産ラインを抜本的に改善すると言った部分だけに目がいきがちになるが、売れ筋製品(超過利潤が生ずるライン)の価格設定の調整で対応する部分もあるだろう。しかし、この全体で価格調整となると、当然出来上がりの姿、どこまでラインナップを広げるかというグランドデザインが無いとそもそも売れ筋の価格設定すら出来なくなる。

ZD自体は、E-1のムック本のインタビューでも開発側からすれば「設計だけを考えれば、ズームより単焦点の方が楽である」と言い切っている話しである。

3.上記の仮定がレンズに言えるかという問題と、DSLRレンズ固有の問題

上記で仮定した、従来の分布図より「売れ筋商品へのシェア偏在化と、その他商品のニーズの分散及び平準化」という仮定はDSLRのレンズに当てはまるのか?

個人的且つ、感覚的なものであるが私は以下の点で言えるのではと思う。

まず、ズームレンズの高性能化により「写真を撮るという実用面でのニーズ」はズームレンズで充足される様になったという点である。つまり、交換レンズを買う際に、「きれいな写真が撮りたい」という実用面でのニーズと、「レンズ自体を楽しみたい、あるいはある画角にはこだわりをもちたい、最高性能を求めたい」と言った趣味的ニーズを分けた場合、実用面のニーズはズームレンズだけで充足できる様になった。
従って、DSLRの実用面的ニーズの大半は高性能なズームもしくは、いくつかのグレードのズームがあれば殆ど満たしてしまう形になる。従って常用焦点距離のレンジをカバーするいくつかのズームに集中する傾向がズームの高性能化とリンクしてより高まるのは理屈として通る様な気がする。

一方で、ズーム以外の単焦点はそういう「実用性の部分のニーズをズームが吸収」していく過程の中で、「より、ユーザーの嗜好」のみでチョイスされる傾向が増加するはずだ。一般的に、カメラに限らず、ユーザーの嗜好まで下りていけば行くほど、そのニーズは分散、拡大していくものであり、何もそこに偏向がなければ均等化されていくと思われるからだ。

最後に、交換レンズでは更に予測が難しいと思われるのは、ユーザー側がレンズを考える場合、レンズ単体(一本買って終わり)でなく、複数本のトータルで見ると言うことだ。ここが今まで書いた単純な例や、単品販売ものと違うはずである。メーカーはどういう風に見ているのだろうか。

すなわち、もしDSLRユーザーの固有のニーズとして「大部分はズームで済ませるが、こだわりのある部分はやはりレンズ交換できるのだから、自分の嗜好に合う単焦点レンズが欲しい」というもので、
・極端に言えば、DSLRユーザーは殆どみんなこういう潜在ニーズがあり、
・加えて「このこだわりの一本の部分」のニーズが十人十色で拡散している
と言うケースである。(あながち的はずれな仮定では無いと思うが、、、)
この場合は、人気上位15本を揃えただけでは、アンケート上では少なくとも7割のニーズは満たしている形にはなるが、「自分の満足行くシステムが組めない」という意味では、殆ど全てのそのDSLRシステムユーザーが不満を抱えている形になる。

4.ZDレンズの現行ラインナップについて

ZDのレンズラインナップのズーム偏重に対し、確かオリは「設計が難しいズームからまず手を染める」的発言が合った様に記憶している。しかし、実際にはこういう形でラインナップを充実させざるを得ないと言う事情があったものと思う。

例えば、先ほどの例で言えば「きれいな写真を撮る」という実用面的ニーズを「ズームの高性能化」で集約できない部分が出てくる。マクロ、魚眼、シフトレンズと言った一眼レフシステムで「撮影可能であるべき部分」でありながら、ズームでカバーできていない部分である。従ってZDでもマクロと、魚眼だけは揃えざるを得ないし、ここはそれぞれの「そういう写真を撮りたい」という実用面のニーズが確実に見える(=需要が読める)部分だからである。需要の大小でなく、読めるか読めないかが重要である。

8ミリの魚眼が出た時に、一部雑誌では「こんな特殊なレンズをよくもまあ」的発言があったがそう言う意味では私は理にかなっていると思う。事実オリ以外でもこういう特殊レンズが売れ筋の主流であろう。

言いたいのは、ZDレンズの今まで出た部分は
・素人目で見ても確実に需要が予測しやすい部分(生産、値付け等もしやすい)
・従って、開発が真面目に良いものさえ作れば良い
と言う部分だ。この点ではZDは性能面では十分ニーズを満たしていると言えるだろう。

一方で、今出ている松~梅レンズ群に性能対価格面では満足しているにもかかわらず、「いまいちしっくりこない、充足感が得られない」ZDユーザー層が少なからず存在するのは、いわゆる「my system」として、上記に書いた「DSLRの交換レンズ特有のニーズ」を満たす単焦点レンズ群が無いというところだろう。

従って、恐らくオリの考えでは今のズームレンズ群でニーズのかなりの部分は充足しているし、性能でも文句がないはずなのに、ユーザーから不満が出る、システムとしての充実感が「ユーザー側の気持ちとして」しっくり来ないというちぐはぐ感が消えないのだと思う。

5.敢えて言いたい、オリの本気はこれからの「レンズ第二章」にこそ出る。

ここまでの事で大体は予想は付くかもしれないが、結局これからのレンズ展開は恐らくこの確実に売れる部分を超えて、単焦点レンズの部分を展開していく形になる。そして、そこは単品販売とも違う、DSLRの交換レンズ特有のニーズ、はたまた実用性だけでは割り切れない趣味嗜好の部分に入っていく形だ。

恐らく、現行ZDレンズ群や、小梅シリーズ、はたまたコンデジで蓄えている小型レンズ作成のための種種の特許関係のノウハウ、また医療部門を初めとするオリの技術力を考えれば、「ユーザーニーズを満たす、種種の単焦点交換レンズ群」を今後リリースするにあたり、ボディの様な「開発技術側がボトルネック」となるケースは少ないのでは無いかと思う。

むしろ、この辺のDSLRシステムの交換レンズを売るという企画、販売側の真価が問われるのではないだろうか?そして、過去の例を考えると(広い意味での)オリの営業サイドはこの辺が必ずしも得意では無いという印象を受ける。

そもそも、オリンパスのカメラ営業なるものが、、
・オリンパスのカメラ自体が本来は大衆機→システムでなくカメラ単体を売る商売がメインであることに尽きる。

メジャー4社(キヤノン、ニコン、ミノルタ(ここでは敢えてソニーをミノルタと書く)、ペンタックス)に関して言えば、キヤノン、ニコン、ミノルタは一眼レフ登場前からもレンズ交換式のレンジファインダーでシステムというのを学習している。ペンタックスはそもそも一眼レフシステムでずーっと食っている様なものだ。(←極論ですよ(苦笑))

フィルム時代にミノルタや、ペンタックス、そして(敢えて書くなら)ニコンさんがコンパクトカメラシェアで永年オリンパスのトップシェアを崩せなかったのと同じ理由で、カメラ単体販売のノウハウと、レンズ交換式カメラのシステムを売るノウハウ、思想と言ったものには、同じカメラでも違う部分がかなりあるのではないかと思うのである。そう、この思想が極めて重要である。

オリも過去にPenFシステムを出し、そしてOMシステムを出した。米谷氏がPenFの事に触れる時に「皆に祝福された幸せな事例」として出されるが、裏を返すと営業と開発で意見が相違する事例も少なからずあったのだろう。そして、恐らく、PenF,OMの時は「開発の意見が通った時代」であり、また幸運なことは、この時の開発側のキーパーソンが米谷氏やそれをバックアップする桜井氏等「メーカーの人間でありながら、自らが写真家でカメラを愛し深く理解をした人々」が揃ったからであると思うのだ。今から思えば、「カメラを愛し理解する技術者が開発をし、それが会社の方針としてリリースできた」時代であったのだと思う。そしてこういう長期的なスパンを持てるかどうかが一眼レフシステムが成長するかどうかにはとても重要だろう。

さて、私がオリの営業戦略に一抹の不安を持っているのはと言うと、、、、

・とにかく売りたいと言うことでOM開発があるにもかかわらず、強引にFTL計画を平行させた
・ZUIKO銘では米国では、純正レンズと思われずサードパーティ製の交換レンズにやられっぱなしなので、Olympus銘に変えろと言って実際OM3桁のレンズからZuiko銘を消した。
・OM3桁の後、「高性能ズームがあれば、大概のユーザーの撮影ニーズは充足でき従って不要」との判断で「レンズ非交換式一眼レフのLシリーズなる」ものを立ち上げ売った。
・オリの次代の看板となるべき「E-system」に付ける交換レンズに直前まで「Zuiko」銘を付ける気が無かった。
等、OM,E-systemのカメラとしての水準とは別次元のカメラファンから見れば「自社のフラッグシステムたる一眼レフシステム、そしてそれに思いを込めるユーザーの気持ち、心理がわかっているのか」「そこがわからずして、これで商売が出来るのか、ユーザーのお財布のひもをゆるめることができるのか」と素人でも首をかしげるような迷走をした実績があるからだ。

6.そして最後に、今回のオリは大丈夫か?

不安なままで、自分の金をつぎこむほどバカではないので(笑)、私なりにオリは今までの紆余曲折を経て今回はかつてのOM程度には長く、またDSLRビジネス、思想なるものを腹を据えて取り組んできているものと思う。勿論、今や昔と違い、米谷氏の様なカリスマ的存在は無い。また、そういうもので左右される様ではまたぞろ、過去の二の舞になるであろう。私がここの迷走が終止符を打ち、E-systemを一眼レフシステムとして育てていく(=単焦点レンズの様な単品で難しい商品もシステムとして揃えていく)と考える要因は以下の通りである。

1)そもそもE-systemが立ち上がったという事実
 メーカーさんというのは、商品化されるされないに関わらずいろいろな商品や、要素研究をしていてその中の一部が採用され、商品化へと進んでいく様である。部外者は特許等で垣間見るしか出来ないが、過去のオリの特許を遡ってみると、明らかにOMのボディでデジタル化を想定しているもの、デジタルバック式のもの等の技術がぽつぽつ見受けられるし、出れば良かっただろうなと言うものが色々ある。E-system立ち上げ当時の山田久美夫氏のオリの小島氏とのインタビュー等を見ると、DSLRシステム自体の企画は、そもそも営業サイドでなく開発サイドからの提案であったようである。(そしてそれが通った)

 フォーサーズのHPによれば、フォーサーズの基礎研究が始まったのが1999年頃、この時はまだ商品化が決まっていなかった。この後、この企画がどういう紆余曲折でゴーサインとなったかは定かではない。OMがあのような状態で、フィルムSLRはLシリーズとなり、おまけに、「デジカメにレンズ交換はダスト問題で難しい」と言われていた時代である。E-10ラインのままLシリーズの様に進んでもおかしくはなかったはずである。へそ曲がりな私などは、このダスト問題なども結果的には、これの解決が大きな強みにはなったものの、当時レンズ交換式DSLRを提案した開発側にとっては、「クリアーしなければいけない大きな課題」として重くのしかかった事であろう。とにかく、何れOMの灯が消えると言う中で、当時のオリの中でこのE-systemが誕生できたと言うところにそもそもの変化を感じる。

2)Zuiko銘の復活
 Zuiko銘というのは、オリンパスが苦心の上に顕微鏡を立ち上げドイツの先輩企業に習いカメラレンズに進出し、昭和10年に作った75/4.5から冠された銘である。昭和9年に写真用レンズ研究のために「瑞穂光学研究所」を立ち上げ、昭和10年に社内公募をし付けられたものだ。

 新しい研究所、そして社員全員の公募で「ZUIKO」とし、日本製レンズでありながら、「・・R」や「・・・N」等他社の様なドイツ風のレンズ名が付けず、「瑞穂の光→瑞光→zuiko」と日本語表記の出来るすっきりとした命名で、戦中の一時期高千穂銘使用をした以外は綿々と続いてきた銘である。
 上に述べた、小島氏のインタビュー時点でもそういう噂があるものの決まっていないとのことであり、事実当初は全くそう言う計画もなくE-systemリリースがかなりに詰まってから急遽決まった様である。OM以来30数年ぶりの新マウント立ち上げによる、オリのカメラ部門のトップをしょってたつE-systemのレンズに対して、声が挙がるまで「Zuiko銘」を付けようと思っていなかったと言う感覚自体が私には信じられないが、(苦笑)恐らく、当時今の前の3カ年計画で提唱されていた、「ブランド戦略」に合致したのか、はたまた、これも何があったのか定かではないが、Zuiko銘が復活されることになった。「単に復活しただけではないか」と思われる方もいるかもしれないが、新型にこのZuiko銘が冠せられるのはXA以来であり、実質ディスコンのブランド銘を新たに付ける以上は、しかるべき社内手続きを踏んで決められたはずである。かつてOM時代には営業サイドの力で「交換レンズの商売上ないほうがよい」と消された経緯を考えると、ここにも変化を感じるのである。

3)2005年7月以降のオリのHPの変化、OM-米谷氏の復活?
 この頃から、変化がまた始まった。個人的にはフィルムカメラ→デジカメに至るトップの流れが変わり、有価証券報告書で見ると今までと毛色が変わった方に社長が交代した。今までの流れが、変化への序章だとすれば、ここで体制自体も変わった様な気がする。
 一つは、壁紙ライブラリーのアップにより、ブランド戦略だろうか?それまでの過去のオリンパスのカメラ特にOM、Penを中心に壁紙ライブラリーがアップされる様になった。
 そして、変化の顕著なのがオリンパスの歩みと称されるオリンパスのカメラの歴史をアップしたページである。現社長になった直後のものを残しておけば良かったと今後悔しているが、当初公開されたものは、「意図的とも思えるほど」OMシリーズの部分が割愛されていた。それがある時期、大幅に手を入れられユーザーから見ても、「時代、重要性にリンクした」形に改訂されたものだ。

 更に、その数ヶ月後、E-500のユーザー向けのイベントでは今まで、E-1,E-300では全く登場しなかった米谷氏がユーザーと懇談するイベントが設けられ、それまでは無償配布などという「中途半端な扱い」になっていた、OM-フォーサーズアダプターなども、正式のアクセサリに「格上げ」された形だ。他にも細かいことを言えば
・ズイコークラブで米谷さんのエッセイが連載される様になった。
・同クラブの講習のカレッジの撮影会にE-systemだけでなくOMでも参加できる様になった。
等である。

7.おまけの与太話

 ここは更に、私の勝手な妄想ではあるが、
 オリのE-system誕生と過去の歴史を見ると、そこには単に新しいシステムを立ち上げると言うだけでなく、長らくカメラ部門で何もかも営業サイドが強くなってしまったところが、本来の姿(=少なくとも一眼レフという開発スパンの長いものに関して)に戻ったのでは無いかと言うことである。

 そして、私は上記のことから、E-systemが当初は「デジタルカメラの品揃えとしての、一眼レフシステム」から、「Zuikoを擁し、デジタル時代のオリのカメラ部門のフラッグシステム」として、「フィルム時代のフラッグシステムであるOMシステムの正当な後継者」への位置づけに変化したものと勝手に考えている。(笑)また、そういう目線で見ると、E-400の開発で「小型化の目標にOMの大きさに近づけることを目標とした」という話しを読むと、ふむふむとにんまりしてしまうし、「やっぱり、ここはE-10,20、、に続いてしまう二桁は現行開発陣は意地でも使わないのかなあ」とか妙な納得をしてしまったりもするのである。

 米谷氏が、「いくら良いものを作っても、それを製品化するには社内の説得他色々ある」といった内容の事を書かれていたのを思い出す。恐らく、前にも書いた様に営々と4大メーカーの寡占体制が揺るがないDSLRなんぞは、ビジネス上リスキーな部分もあるだろう。中途半端にやれば返り血を浴びるだけであるし、その分の力をコンデジに集中した方が良いかもしれない。事実オリに関しては、戦後のカメラ営業では一眼レフで食っていた時代の方が短いのである。

 そんな中で、ぽっと誕生したOMシステムと珠玉のレンズ群。これを一度は「消えてしまった」が光学屋のプライド夢に賭けてもう一度一眼レフシステムでZuikoの威力を世に示したいと言う思いはユーザーだけでなく、当のオリ自身の社員の中にもあったはずである。そしてそんな中でようやく世に出ることが出来たのが今のE-systemだと思うのである。

 最後に、私が相変わらずあれこれ悠長なことを言いながらも、オリの第二章を信じて気長に待っているのは実はこの辺なのだ。オリの環境は4大メーカーの様に「会社が一眼レフシステムを継続して当たり前」という環境では無かったと思う。そんな中で、消えかかったZuikoに再び灯をともし次代へつないでいこう、いけるかと言う最初の正念場の時期が今だと思えば私は必ず、第二章以降ではレンズもまた我々のニーズを汲んで色々リリースしてくれるものと思うからだ。やきもきしたり、あせっているのは、ユーザーだけでなく、オリのこのE-systemを作ってくれている人達も同じだと思う。(漏れ聞くところに寄ると、もうずーっとこの部門の人は多忙を極めまくっているとのことである)

 と言うことで、結局客観的な分析はしてみたものの、最後は信じちゃってるんだなあ(笑)最後まで読んでくれた方は「何じゃい」と思われるかもしれないが、(笑)とにかく、レンズもきっと出ますよ。楽しみに待ちましょう~。
[PR]

by hiro_sakae | 2006-11-12 12:32 | その他写真関連


<< Sigma105/2.8 Macro      【特許関係】E-400に続け!... >>