2006年 12月 09日
DSLRの購買層と、動きについて
  と言っても、アバウトな話しである。今週の後半は仕事の関係もありいつもより熱心に新聞をあれこれ読んでいたのだが、ついつい仕事以外の記事にも目がいき、時節柄冬のボーナス商戦の動向関係でデジタルカメラ絡みの記事が目に付いた。その件で、数少ないカメラの話しが出来るクライアントの社長さんとの雑談もあったので、あれこれと、、




DSLRも今年のヒット商品番付で横綱をもらい「旬」の扱いを受ける様になったか?と言うのを書いたが、今年のボーナスで買いたいものの中でデジタルカメラは電気・AV製品の中で第三位だ。

元々、三菱総研だったかどこかの話しでは今年に入り復調し始めたデジカメ需要の要因には(国内の話し)、2002年後半から2003年に大きくピークを迎えたデジカメ初回購入層の買換需要の波が本格化している事をあげていた。今まではデジカメ需要予測となると、初回購入層もしくは複数台所有する層のトレンドがメインストリームをなしていたが、ようやく(と言うかもうというべきか)デジカメも「ストックの入れ替え」が需要動向に影響するほど普及したと言える。

そして、それを象徴的に表すかの様に今年の冬の特徴として、デジカメを購入希望対象に上げた中の約3割が「デジタル一眼レフ」を買いたいと回答していることだ。現行、一番デジタル移行が進んでいる日本でさえ、デジタル一眼のデジカメの中での台数シェアは1割にも満たない。年間販売台数で無視し得ない冬のボーナス需要期に現行シェアを上回るニーズが起きていることは、DSLRが予想通り来年以降もパイが拡大することを裏付けていると言えよう。
ただ、注目しておきたいのが日経のこの記事によればそれでも今回はパスすると言う層が相当(確か3割~4割)おり、その中の最大の理由の二つが、「(恐らく欲しいものに)予算がまだ足りない」と、「待てば、もっと(同価格で)高機能になる」というものが上げられていることだろう。
恐らく、この割合拡大にはオリンパスユーザーがかなり底上げしているようである。(って、オリの影響は嘘ですよ~笑)

まとめれば、先ずはそろそろ車やかつての一眼レフ程には行かないにしてもデジカメ界も安定成長に向けて既存デジカメユーザーの買換需要が全体の需要の大きな要因になってきたこと、そしてそのトレンドと歩調を合わせる形で、デジカメ需要(ここではパスをする潜在需要も含むが)の中でDSLRの購入ニーズが高まっていると言うことだろう。

次に、上の流れとは別に現在もDSLRの主要購買層となっている主に50代以上の中高年代層のDSLR購買需要がこれから続々リタイアする団塊の世代の影響も重なり今後も引き続き堅調に推移すると言う内容の記事があった。
この世代の男性の特徴として、時代柄そうなのか定年後も続けている趣味で写真(統計上はビデオも含む)が16%を超えてくる所だ。そして、さらに定年後、はじめてみたい興味をもっているものとして、写真・カメラを上げる人を加えるとこれが2割弱まで達する。元々若い頃に、カメラ自体が男子の憧れとしての世代であったのだろうが、これを趣味として続けるだけでなく、「若い時に手が出なかった、もしくは働いている時に忙しくてやめてしまい」定年後チャレンジしてみたいという層が少なからずいるところだろう。2割と言えば、この世代で5人集まれば一人はカメラ(含む写真)に興味のある人がいると言うことである。私の世代40代と比べてもこの比率はかなり高い様に感じる。

また、この世代に人気があるのは、10万円台後半からの中上級機というものでものへのこだわりも強いとのこと。また、いきなりボディとレンズ4本まとめ買いで一気に揃えるなんていうのはこの世代の特徴でもあるらしい。これは、別のクライアントの親会社を退職し、子会社の役員になった方の話しであるが、やはり、働きづめでリタイアしてこれからの趣味の相棒をとなると奮発するだろうと言う話しである。その方曰く
「若い人が、これからの人生の楽しみとして何かに思い切って投資するというのもこだわりがあるかもしれないが、ぼくたちが人生に一区切りした時に今までの自分に対するご褒美、これからの自分との相棒と考える時のもののこだわりも、それは大したものじゃあないか」
「まして、退職金とか入るしね。○○さん(私の実名)もそうだけど、ここで妥協したら一生買えないかもって思えば、いっちゃうよね(笑)」
と言う話しであった。言われてみれば確かにそうなんだろうなと思う。今このお金があって、まだまだ体力的にも頑張れる時に人生に一度ぐらい目一杯吟味して「相棒」を選んでみたいと言うのはカメラを続けている人は当然だし、初めて飛び込む人でさえ「ここで選択失敗しても買い直しできるかどうかわからん」となれば多少オーバースペックでも良いものを買うという心理だろうか。

実際、普及機を中心とした各社のシェアに目がいきがちであるが、EOS5DやD200は堅調に売れているし、今年の秋の新機種でも想定外の需要が舞い込んだK10D,目先の利益を捨ててでも、「ハイエンドアマチュア」向けのイメージを定着させることを優先したパナの戦略などはこれに呼応するものであろう。
特に、日本の場合はこの世代はどんどん構成比が高まってくるし、これだけ同好の士のシェアが多ければ、それに触発されて「周りにやっている人がいるから私も」と新規にカメラ購買層に入ってくる事も十分考えられる。一時的な需要と言うよりもカメラ・写真がもつ長く楽しめる趣味としての本質も考えるならば、ある程度ここは「安定した固定層」とも言え、需要、嗜好はビジネス上無視し得ないものだろう。

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デジカメからステップアップしてくる比較的若い世代の層と、リタイア後の趣味として存在するシニア層この両輪をどう取り込むかと言うことだろうか。

若い層で無視し得ないのは、やはり女性層である。単純にイオスキスが狙ったママさんカテゴリーでなく、今や高校写真部は女性の方が多く、写真の専門学校も女性の方が多いと聞く。シニア層が男性中心なのに比べて、そもそも写真を趣味として興味を持つ人の構成比が男性偏重から、女性へと大きく変わっているのだ。

そして、私が思うのはこの女性層、それ以外の層、シニア層と考えた時、それぞれに応じた機種という考え方をするのが本筋で、今までの普及機、中型機と言う言い方は(仮に値段やスペックで違いがあったとしても)そぐわない様な気がする。
フィルム一眼時代は、車のいつかはクラウンではないがぽんぽん何台も所有する人は別にして、最初は普及機でスタートするが、このカメラを下取りに出し、お金を足して一つ上の機種にランクアップという風に買い換えてきたものだろう。そして、実際、フィルム時代はそこそこのお金で下取りが出来たものだ。
しかし、DSLRになって手放して下取りに出してもフィルム時代と比べれば不当と思えるほどの二束三文状態である。(笑)
従って、本当に欲しいレベルのものがあればいきなりそれを買うという形になる。キスデジ→30D→、、、とランクアップするのでなく、いきなりEOS5Dの世界である。また、普及機を買うのはそれが、自分のニーズにあっているからである。E-400のラインの高級機はE-1でなく、あくまで超小型DSLRで高価格機があってもおかしくはない。むしろそういう突き詰め方を求める層は今後増加するのではないだろうか。

「普及機購入層が将来の上級機購入層という訳でもなく、これらはそれぞれ独自のニーズでむしろ相関性は低いかもしれない。」

「普及機をA社で始めたから、高級機もA社となるはず。」という理屈も立たないかもしれない。いざとなれば、100万円ぐらいかけて一式揃えようかと言う層であれば関係ないだろう。「うーん、今まで家族との折り合いでママの意向を聞いてキスデジ+レンズでお茶を濁したが、今回は俺は、ライカいきまっせ」的乗りである。(笑)

そう言う意味では、オリは第二章で個々の機種の総入れ替えもあるがようやくラインの整理をするというアナウンスをしている。おまけに捨て駒の無いラインナップとのことであるが、それぞれのラインに「どういう思想」を持ち込み、その思想の裏付けとして「どう言う層」に訴求しようとするのか楽しみである。すくなくとも、上から下まで、スペックと価格とサイズの大小だけで似た様なものが並ぶと言うことはなさそうであるが、、、この辺のラインナップそれぞれの見せ方も一つの見所ではないかと思った。
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by hiro_sakae | 2006-12-09 11:13 | その他写真関連


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