2007年 01月 21日
DSLRもフォーマットによる分化、進化が始まるのか
  今月号のデジタルカメラマガジン(DCM)を見ていて実は一番気になった記事は25機種格付けの記事である。ランキングとしては第1章オリDSLRは低位であり(苦笑)こんなものは想定内であるが、私が気になったのは別の所にある。




 今回の格付けにおいて、DCMは全機種をずらーっと並べるのではなく、DSLRをAPS&フォーサーズフォーマットと、APS-H&フルサイズフォーマットの部門に分けた上、レンジファインダー部門と、中判部門も加えた。かつてフィルム時代に、ハーフ、35ミリ、セミ判、6×6等フォーマットによる区分けが合ったのと同じ感覚だろう。これについて、色々考えられることがある。

 先ず、今までフルサイズのDSLRからフォーサーズまでDSLRは全てDSLRで一括りにされその中で評価されていた。しかし市場が今後拡がればより多様化したDSLRが出現し、それぞれのフォーマットでそれぞれの持ち味を活かした進化が図られるはずである。そしてそれが進んでいけば、例えばライカM6とハッセルの501CMの比較などあまり意味が無いようにDSLRにおいてもカテゴリーが違えば比較しても意味がないレベルまで今後それぞれの長所を伸ばしていきそうな予感がする。そして、従来もそれは、上級機、普及機と言った切り分けはあったが、フォーマットによる切り分けをしたところに注目した。

 恐らく、APS&フォーサーズは今後より小型化へ向かうだろうし、例えば「小型軽量」のランキングでフルサイズ機が劣ると点を付けても何の意味もないだろう。また、解像力だけで点を付けるとなれば、これはフルサイズ機に優位に働いても当然のことである。キヤノンだ、ニコンだ、オリだと言う前に、先ず、自分の撮影スタイル、要求するものは何かを見極めた上で優先順位を付け、そして大まかにターゲットにするフォーマットが決まり、機種をチョイスすると言う考え方に変わっていくかもしれないと思った。ユーザー側も、APS&フォーサーズはオリで、フルサイズ&APS-Hはライカなどという選択肢が取りうるし、メーカーの評価や、シェアランキングなども、フルサイズはキヤノンで、APS&フォーサーズはニコンとかそういう風になるかもしれない。

 次に、恐らくこういう評価方法を入れてみようかと考えた裏には何かそうした方が良いのではと思う意志があるのではないかということだ。例えばAPS-C&フォーサーズなどはこのカテゴリーの中で比較し評価することに現状でも意味はある。しかし、例えばフルサイズ&APS-HなどはキヤノンとライカRモジュールで4機種しかないし、レンジファインダーと中判に至っては、それぞれエプソン&ライカ、マミヤ&ハッセルの2機種しかないのである。つまり、現行機種ではこの切り分けはあまり意味がないのだ。

 単純に考えられるのは、「将来的にはこのカテゴリーを作る必要があるくらいの新機種(新参入メーカー)があるのでは?」というのを想像させる。まず、きな臭いのは何と言っても敢えてライカRモジュールを入れてまで2社ある形にし、カテゴライズしたフルサイズカテゴリーである。ここにはやはり新規参入があるだろう。少なくとも、ニコンかソニーかどちらかが参入すればもう一方も参入するだろう。どっちから出ても「ソニーがフルサイズCCDを作る」と言うことには変わりないからだ。何れにせよ、色々な噂でもあるようにキスデジの代替わりを無難にしたキヤノンとしては、今年の目玉は「フルサイズに本気のキヤノン」であると思う。いくつかの機種リリースも噂されている。キヤノンにすればフルサイズ市場は、DSLRの中でも特に利幅が取れ文字通り1社で育ててきた金城湯池の独占市場である。反乱が起きない前に芽を摘んでくるだろう。(笑)
 
 問題は、ニコン&ソニーがフルサイズに出ていく場合にマウントの問題だ。キヤノンのEFマウントだから何とかフルサイズに耐えている部分もある。既存マウントで行ったとしてその内容でキヤノンフルサイズに勝てるかと言うところだろう。妄想だが、もしソニーに商売はAPSのαで固めて、フルサイズはコンペティターとして真っ向勝負をするというのなら、この際同じCCD仲間のニコンと組んで撮像素子共同開発&共通の新フォーマットを立ち上げてニコン&ソニー連合軍も面白いと思う。フランジバックを考えてマミヤや、ペンタの中判レンズもアダプターで使用できるものとし、レンズはニッコール、ツァイス、ミノルタの3ブランド連合で用意するという形だ。

 ペンタックスは、逆に中判に出ていく形だろう。私は、今回のK100D→K10Dと電子部分を中心にサムスンとの共同比率が順調に高まっているので今年でなくとも何れどこかでこのペンタックスでサムスンが撮像素子用CCDに進出してくると見ている。従ってもし、ソニー&ニコンが参入すれば競争で激化必至のフルサイズより、きっちり儲かる中判に進出する方が賢明だろう。何せコンシュマー用ではハッセルと、マミヤしかいない。(苦笑)ここにリソースを集中すれば中判のキヤノンになれるだろう。APSをサムスンに移行し、フルサイズ戦争を避け、中判を一手おさえる形だ。そして、こうなれば撮像素子に関してペンタックスは「ソニーの呪縛」から解放される。

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 フォーサーズの立場から言えば、2007年にもし、キヤノン VS ソニー、ニコンのフルサイズ戦争及び、ペンタックスが中判へ開発リソースを割くというのは、悪くない話しである。オリは良くも悪くもフォーサーズで従来の「35ミリ小型一眼レフ」の代替をターゲットにしており、ここにリソースを集中する形だ。そして、フォーマットの特性を活かした、小型化やデジタル技術実装の有利性を活かしてこれを突き進む。皆が皆、多少大きくても画質こそ命、フルサイズのレンズが使えなきゃいやとか、性能のためなら価格は妥協すると言う人達ばかりでない。(笑)

 小型軽量で可搬性にすぐれたもの、リーズナブルな値段で手が届くもの、かつてライカ、ハッセル、ローライ、或いはローライ35等それぞれのフォーマットや大きさでそれぞれのカテゴリー価値観の元にナンバーワンが存在し、それぞれが輝き評価されたものである。フォーサーズの立ち位置がより鮮明になって良いのではないかと思うのである。

 恐らく、フルサイズは後10年も経てば、それは「従来中判カメラでしかなし得なかった画質等の性能を一回り小さいボディで達成できるようになった」と言う「従来のレンズがそのままで使える」と言う次元とは違った正当な評価を得て生き延びるであろう。ひょっとすると、ある時期にフルサイズにふさわしいマウントが登場するかもしれない。

 そして、フォーサーズも10年程度経って、もしまだあれば(笑)それは恐らくDSLR専用システムとして、他フォーマットよりデジタルならではの機能を一歩先に行き、リーズナブルで小型ながら、フィルム一眼レフ並の性能を十分確保する形が出来上がったと言うことだろう。

 興味深いのは、今一番シェアを取っているAPS-Cフォーマットの行方である。仮にソニーやニコンがフルサイズに参入した時、キヤノンのボリュームと資金力があるからこそ、マルチフォーマットをこなせているとも言え、どちらかが手薄にならないのだろうか。或いは10年スパンで考えて、「フィルム時代のレンズが使える」と言うメリットが相対的に薄れてきた時に、フルサイズとフォーサーズの狭間で、「バランスが良い存在」となるのか、「中途半端」となるのかと言ったところは微妙である。意外と、ソニーや、ニコンがキヤノンと二正面作戦をする中で、APSにリソースを集中してペンタックスが急伸すると言うことも考えられる。(とにかく、ペンタはしたたかである。オリが見習って欲しい部分でもあるが、、)

 とまあ、こんな感じである。従来DSLR一括りであったのだが、戦争に例えるのは不謹慎かもしれないが、今後は、各フォーマット毎に戦線が分化していき、それぞれのカテゴリーで覇権を争う形であろう。メーカーは大変だろうが、ユーザーとしてはその混沌の中から色々な個性を持った機種が登場してくるのは歓迎である。数年経てば、「フルサイズと、フォーサーズを比べて何の意味があるの?」と言う時代が来るかもしれない。
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by hiro_sakae | 2007-01-21 21:09 | その他写真関連


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