2007年 02月 24日
ダストリダクションだけでない、オリの「ライブビュー」の先進性
 第一章の中でオリの誇る際だつ技術を上げよと言われればダストリダクションがあるだろう。オリ1社が搭載していた時はとやかく言われたが、各社搭載され先月号のDCMではないが各社比較する際の一機能としてポイントを付すまでになった。他社も追いついてきたが、逆に言えば他社も導入するに及んで、ようやく「DSLRの重要機能として認知され、且つ優位性が再認識された」と言って良いだろう。そう言う意味で、第一章のもう一つのオリの技術フルタイムライブビューも今まで比較するものがなかったが、今回第二章スタートにあたりようやく登場した。キヤノンさんのライブビュー(オリ流に言えばBタイプ)である。

 たまたま、今月になりより詳細に次期E-1タイプとにらんでいるものの最新特許が公開され、これに搭載されているライブビューBもより洗練されたものとなった。ライブビューが各社追随する「第二のダストリダクション」となるかはわからないが、ダストリダクションと同様オリはここでもかなり先行したようである。一体キヤノンさんのライブビューと、この次期E-1かもとおぼしきものに搭載されているライブビューBの性能がいかほどの差異があるのか見てみよう。個人的には期待したいのだが、、




 まず、キヤノンさんのものは詳細図面があるわけではないがわかるところではE-330のライブビューBに近い形であるが、
・MFオンリーであること
・AEが光学ファインダー使用時のTTL測光ではなく、評価測光になっていること
から、単純にミラーアップしMFオンリーで使うタイプである。スタジオ等での使用前提だろうか。

これに対し、現行のE-330のライブビュー(恐らくE-440や、E-550に搭載されるタイプもこれだろう)Bは、
・AE測光に関しては、ミラーの開閉により光学ファインダー時と同等のTTL測光用のセンサーを使う。
・合わせてAFも可能
・但し、それぞれミラーの開閉を伴う
と言う次第だ。現行の比較においてはどちらも一長一短であろう。特にE-330方式のAF&AEに関してはミラーの小さいフォーサーズであるから何とかものになっていると言えないこともない。

さて、オリンパスがここのところ断続的に公開しているリレー光学系による一眼レフにおいては光学系の改善もさることながら、ライブビューBの次のステップを呈示しているのである。原理的には、このリレー光学系と、E-330のポロ型にも適用は可能である。(ファインダー光路途上にAFセンサーを置けるのがポイントになるからである。)
ここでは、更に改良されているリレー光学系の最新特許図面でライブビューBの工夫を見てみよう。
c0036985_15465319.jpg
【特許公開2007-47197】 添付の公開図面1より

今回は、リレー光学系でなく、ライブビューBに絡んだものである。次期E-1がこのリレー光学系かどうかは単に光学ファインダーの改善だけではない。このペンタ型を廃し、ファインダー光路上にAF/AEセンサーを取り付け、且つメインミラーをハーフミラー化することにより、ライブビューB状態でも通常とかわりなくTTLのAF/AEが可能となるのである。従来型とは使い勝手では雲泥の差であるからだ。

ハーフミラーでメインイメージャーに光も当てれば良いというのは誰でも思いつくがこれで分岐した航路上にAF/AEセンサーを仕込むとなると、現行のペンタ型では無理があり、(ライブビューAのサブイメージャーがペンタ型では無理か、ニコン特許のように上に大きく出っ張る形になるのと同じ理屈)、原理的に可能なのはポロ型と、このリレー光学系となる。

今までの特許でこの方法によるライブビューBによるAF/AE化の仕組みを考案した上で、前回紹介と今回の間にもう一つ特許がありそこで、このハーフミラーを使用してメインイメージャーでライブビューする際の問題を一つクリアーにしている。
それは、このハーフミラー経由で撮像素子に光を当てた場合にわずかであるが、光が屈折する。従ってこれをそのままライブビュー表示すると、ハーフミラー越しに表示される像と、実際に撮影される(ミラーがない状態)像ではわずかではあるがずれが生じるわけだ。従ってこのわずかな屈折による誤差をライブビュー中は撮影時との誤差をなくすために補正する仕組みが考案されている。恐らく他社がハーフミラーを利用するにおいても勘案しないといけない問題点であろう。ここを原理的な仕組みで特許を取った形だ。

今回は、更にメインミラーをハーフミラーにした場合に生じる問題点を指摘している。すなわち、ミラーが上がって撮像する際に、ミラー自体がハーフミラーであるからこれをあっぷさせてもファインダー光路からの光の進入を完璧に遮蔽できない。幾分かでも光が透過しそれが画像にゴースト等を起こす可能性があるということだ。つまり、メインミラーをハーフミラー化で行う場合には避けて通れない欠点、問題点が露呈するわけだ。当たり前だが、これはライブビューBを使っていようが光学ファインダーであろうが、ミラーアップしてもハウジングが「完全な暗箱」にならないと言うことである。確かに、その通りだろう。

従って、このミラーアップして撮影している間だけ遮光しなければならない。しかしながら遮光すると言うことはその間ファインダーが見えなくなる。これは煩わしい。遮光していることを撮影者に意識させないためには、ミラーアップしている瞬間に同時間だけピンポイントで遮光する仕組みにしないと行けない。

オリンパスは、この瞬きのような時間を遮光する仕組みとして、この引用図の例ではリレー光学系の接眼部の奥に遮光用絞りを設置し、瞬間遮光するもの、もうひとつはメインミラーがアップする丁度上部のカバーガラスの辺に観音開きの様に設置して瞬間遮光する形、または逆にミラー下部にユニークな方法で連動する方式の3つを実施例として上げている。
そして、この光が入ってくる接眼部、ミラーとプリズムの間、もしくはミラーの下部の設置位置は色々応用が可能であり、またこれがハーフミラーでなく、通常のミラーでもその形態は問わず、要はこの形態のライブビューにおいて、撮像時の迷光を遮断するための仕組み自体にそれら応用例は及ぶという形になっている。

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ハーフミラーでない、ミラーで何でこの特許を広げる必要性があったのか、ここには言及されていないが私が考えられるのは二つである。

一つは、メインミラーのハーフミラー化による分岐を回避するために仮にペリクルミラーの様な固定ミラーで分岐を行ったとしても、当然撮像時には迷光を避けるために何らかの遮光をしないといけない。これにこの技術を使われるのを防いだのではないかという点。

もう一つは、例えば将来的にE-330型或いは、この次期E-1型でAF/AEセンサーにライブビューAを載せこれを表示用でなく、撮像用にも応用したい場合に特に引用例のような接眼部に迷光用の遮光をする際にも範囲が及ぶように下のではないかという点

の2点である。

(余談であるが、一度ここでも紹介したがオリンパスは、この次期E-1型から光学ファインダーをごっそり取り除き、ミラーで分岐した部分にAF/AEセンサーを単純においたライブビューB単能機の特許も取得しているが、これの場合は可動ミラーとは別にペリクルミラーでの実施例も上げられている。)

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何れにせよ、ライブビューをするとなると撮像素子を使ってやるとなればこのライブビューB方式であり、TTLのAE/AFとの同時使用であれば撮像素子にも常時光路を確保しつつ、AF/AEセンサーにも確保し更に光学ファインダーも使いたいとなれば、3本も常時光路を確保するわけにいかないと思われるので、ファインダー系にAF/AEセンサーをくっつけるというのはまあ理にかなっていると言えば理にかなっているだろう。かなっているがなかなか出来ないのは、DSLRのファインダー光路中にボディを肥大化させずにAF/AEセンサーの場所を確保するのが現行ペンタ型では無理があるからだろう。そう言う意味でこのリレー光学系は何れ採用して欲しいと思うのだ。

また、もう一つは現行の一眼レフの仕組みを活かしたまま、光学ファインダーをデジタルで置き換えると言う発想でライブビューをするアプローチもあるだろう。AF/AEセンサーあたりの分岐の仕組みはそのまま使える。そして、これがライブビューAである。素直に考えればこの2通りのどちらかに解決法は収斂するとも言え、オリはこの双方で先手を売ったとも言える。勿論、これら複雑な仕組みを現行一眼レフ並のサイズに抑えられている一因にフォーサーズの小さなサイズが効いていることは論を待たないだろう。

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問題は、このリレー光学系程度の凝った予算がかけられる次期E-1や、原理的にライブビューAとBの併用が可能な(従ってライブビューAを高性能化すると言うことで解決できる)ポロ型のE-3xx系は良いにしても、他の系列のライブビューBは今後もフルタイムのTTLのAE/AF化に進化する道は無いのかという点である。

ここは、私もわからない。(当たり前だ)。EVFが思ったより早く来て一気に解決するのかもしれないし、たくさん売れるようになれば(苦笑)このリレー系も更なる改良で普及価格帯に搭載できるかもしれないし、、オリのことだからあっという解決策を考えているのかもしれない。先の楽しみでもある。いずれにせよ、ライブビューも他社さんがもっと参加して、ライブビューの有用性自体がDSLRユーザーの中でもっと認知されればそれはオリにとってメリットではないだろうか?
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by hiro_sakae | 2007-02-24 17:14 | E,Pen-system関係


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