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2007年 04月 21日
肌感で感じるE-410の注目度と、オリのDNA継承
  いえ、本来は今日はE-410が手元にある予定だったのが私の段取りの悪さで手元に来るのが明日になってしまいました。と言うことで、そこここでゲットのご報告が入っているのを聞きつつヨタヨタ話で場をつなぎつつ、、改めて、オリのDNAの私的話しも交えつつ



 お陰様で、PMAやフォトキナのイベントがあるたびに平均アクセス数がアップするという法則を今回も踏襲し、PMA2007以降も順調にアクセス数が推移している。ただ今までと違う点がある。

 一応、私もExciteのアクセス解析を週次ぐらいで見つつあれこれ反省なりをしている。(苦笑)今回今までと違うのはキーワード検索の動き。大体上位に出てくる検索用語は固定化しつつありその顔ぶれは変わっていないのだが、E-410が発表されたPMA以降「フォーサーズ」「E-410もしくはE410」で検索してここにたどりつく比率が突出して増加している。2月から今月までのアクセス数増加のかなりの部分がここで稼がれている感じだ。特に「フォーサーズ」を検索している比率が、この1週間で顕著に増えている。

 この両者の動きは今まで無かったことだ。特に元々去年の8月ぐらいまでは「フォーサーズ」も多かったが、「ズイコー」も多かった。しかし今は「フォーサーズ」が圧倒的に伸びている。私としては少なくともネット上でフォーサーズに興味を持ちググッている人が増えていると言うことはとても嬉しい。そして、もう一つの「E-410」検索。私は記事中に当初から機種名を書いているけれど、E-300とか、E-1とかこういう機種名自体が検索用語の上位に顔を出したのは2年数ヶ月このブログをやってきて初めてのことだからである。おまけに「E-410」と「E410,e410」を足すと4月に入ってからの伸びでは、「ズイコー」「zuiko」よりも高いのである。極めて私的な情報ではあるし、キヤノンさんやニコンさんの新製品発売とは比較にならないかもしれないけど、少なくとも私がブログ開設以降のE-300,E-500,E-330の時には無かった盛り上がりを感じる。

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 私的な感想では今回の第二章スタートでオリも変わったあるいは、ようやく鮮明になったとあらためて思う点は二つだ。

1.改めて、オリのDNAを引き継ぐシステムを強く打ち出す。
 オリンパスの35ミリカメラは戦後間もなくオリンパス35でスタートしたが一貫しているのは
・35ミリという小さなフォーマット(DSLRではフォーサーズ)を活かした小型軽量なカメラ。
・カメラは持ち運んで写してなんぼ。だから操作性を失わない以上小型が良い
と言う性能確保の上小型が良いという質量に関する基本的考え方と、
・光学機器メーカーとして高性能なレンズ等を供給するものの
・カメラ自体は長く、「大衆機、より多くの人々に高性能なカメラを供給する」
と言うのを軸足においてきた部分である。

 米谷氏は傑出した設計者でありOM、Penはオリを代表する名シリーズであるが、この天才設計者を見いだし採用したオリンパスカメラ部門の立ち上げメンバーの一人桜井氏以降綿々と続く「オリのカメラに対するDNA」の土壌があったからこそ、米谷氏の様な方が出たり、これを事業として続けられてきたと思うからだ。

 その辺のオリのカメラに対するDNAの本質がE-systemではプロ用をあまりに全面に出し過たかどうか、とにかくこれが薄れた時期があった。殊更このフィルム時代からのオリと袂を分かちデジタルで全て一新するかのような感を受けた。

 それが、一昨年のイメージングで大久保さんが社長になった頃から壁紙ライブラリーの充実に始まり、秋の決算ではオリンパスの小型を求めるDNAの発言、そして米谷氏がE-500のプロモ企画に登場と、一転、デジタルだろうが、フィルムだろうが、「オリのカメラにはオリのDNAが流れているんだ」と言う方へシフトしていった「思想の原点回帰」が感じられる。その集大成、思想にようやくハードが追いついてスタートしたのがこの第二章とも言える。

 オリのカメラの本質を突き詰めるとプロ、アマの区別以上に写真を撮る機会としてより高性能のものをより一般大衆に提供するか、そして実際に野に、街にカメラを持ち出す時に小型化はアドバンテージになるという考え方である。オリンパス35,オリンパスワイド、Pen,PenF,トリップ35,RC,DCシリーズ、XA,そしてOM,単焦点のμシリーズ、カメラタイプ、設計者、時代それぞれ違うが、オリの様々なカメラの中で「名機」と位置づけられているものは、必ず一般大衆への提供→性能がよいのに安価、野に、街に→当時の標準より、一段小型、そして高性能の証として、一貫して(μを例外に)レンズに「Zuiko」のブランドを掲げてきたわけである。

 そして、これらのオリのカメラの伝統、誇るべきDNAの延長線上に描くDSLRとしてE-systemは第二章ボディで違和感なくとけ込める立ち位置を確保したのでは無いか。フィルム時代からのオリファンがE-410に魅力を感じるのはそのシェイプに惚れるのもさることながら、そこに綿々と引き継がれていたオリの思想を無意識に感じるからではないかとも思うのである。

2.オリンパスブランド、メーカーのポリシーとしてE-systemの立ち位置の融合、明確化

 オリンパスは、まあ簡単に言えば健康、環境配慮を重視し、オプトデジタルで人々の健康を維持し、幸せにするお手伝いをする会社というのがポリシーの様になっている。これを機能という面から言い換えると、人の視神経の能力を拡大する(顕微鏡、内視鏡、カメラ、双眼鏡)機械で収益の殆どを挙げている会社である。ここが、キヤノンやニコンさんが同じ光学技術でも事務機や、ステッパー用産業機械等に拡大しているのと違う点である。オリンパスもキヤノンさんや、ニコンさんと同様カメラ以外の売上げが過半を占める体質になっているが、オリンパスの場合は、他の光学関連機器も結局オプトデジタル「光を光学で捉え、デジタル技術をあれこれ使って最終的には人が見る画像を作る」という意味では、同じカテゴリーに収まってしまっていると言っても過言では無いと思うからだ。

 と言うわけでハードウェア的に、オリの3本柱、内視鏡、顕微鏡、カメラが今の時代ベース技術では不可分一体で融合しているのは理解していたが、思想の部分、ソフトの部分でなるほどと思えることが今回あった。それは、PIEの時にオリの寺田氏がされたE-systemの第二章の説明である。

 その時の説明をまとめれば、このオプトデジタルで人々の健康、幸せに資する為に作られた内視鏡、顕微鏡、カメラをインナー、アウターと区分した上で、これを具現化するためにオリとして、
1.インナー→人々の体の中を健康な状態に維持する為、検査するために必要なオプトデジタル機材、これが内視鏡、顕微鏡及びこれらに付随する技術、製品群。
2.アウター→インナーで健康を維持した人々が、今度はその健康な体で外に飛び出し色々発見、活動をするためのオプトデジタル機材、これがカメラや、その他製品群
として用意されているのだと、、、、。そして、インナーに置けるコアシステムがオリが誇る、内視鏡、顕微鏡のシステム群であれば、アウターに置けるコアシステムこそが、我らのE-systemであるのだと言う位置づけである。

 いわゆる、ハードだけでなく、オリの思想面においても顕微鏡、内視鏡、カメラはそれらのどれ一つ欠けることなく、インナー、アウターの循環を作り上げるために必要不可欠であるのだという考え方である。この考え方は、元々オリにはあったかもしれないが、私が記憶するところE-500やE-330の製品発表での社員さんの説明、レクチャーでこの様な全社的な考えの中でのE-systemの位置づけ、重要性の説明を受けることは無かった。なるほどと今回初めて感じた点である。

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 こういうのを見たり、聞いたりするに付け今回の一連のPMAから第二章のスタートそしてその見せ方は私はフォーサーズ続けてきて良かったなと思った。オリは、他社と違ってフィルム一眼をディスコンにした上でマウントまで変えてしまい、「フィルム時代の資産の承継」という意味では他社比「一番既存ユーザーに冷たいメーカー」になってしまっていた。(苦笑)

 確かにオリはそういうハードな面では既存ユーザーを一旦切った。これは事実である。しかし、「虎は死して皮を残す、人は死して名を残す」ではないが、そういうハード的な恩恵をオリは何も残してくれなかったが、オリが35ミリカメラスタート来綿々と紡いできたオリのDNAの継承という意味では、これでようやく目処が見えてきたと思えるのである。OMのマウントは引き継げなかったが、OMに込められた思想をDSLRで具現化していくためにはやはりこのフォーサーズの小さめの撮像素子と「青臭い理想を求める姿勢」が必要では無かったかと、、。

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 今回のE-410のプロモ、CMもカメラのハード好きの方から見れば、ソフト、イメージに走りすぎている様な印象を持たれる方もおられるかもしれない。しかし、先ずオリとして、は第二章でユーザーに伝えたいものは、ハードの超小型、OMライクなシェイプもさることながら、思想の上でも「従来のオリ、OMの伝統に息づくオリのDNAの継承、原点回帰」を伝えたいのだとすれば、この一連のプロモや、開発者にHP上で「OMへの思い」を吐露させると言うのも全てお腹に落ちてくると思うのだ。

 何だ、何だ、青臭い話しじゃないかと思われる向きがあるかもしれないが、私はDSLRもハードの技術が実用上どこのカメラを使っても差異が無い程度に作り上げられていけば行くほど、このメーカー毎のそのDSLRなりカメラに込める思い、思想、そしてそこに紡がれていくブランドの歴史、物語、エピソードというものがシステム選択のファクターとしてより重要になってくると思うからである。

 何れにせよ、そうはいえやはりフォーサーズはそういうところが多少不器用で青臭いかもしれないが、私にはそれが魅力なのである。特におじさんになって、仕事ではどろどろした事が増えてくると尚更、こういう趣味の世界ではそういう青臭いものを信じたくなるものである。(苦笑)

by hiro_sakae | 2007-04-21 21:32 | four thirdsの思想


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