2007年 07月 28日
続DCM夏番付考 「降りかかる火の粉は払わねばならぬ」
 恐らく、画質検証編だけであれば、うーむ痛いところばかりまあ突かれたなあと苦笑という程度だろう。突かれるのは嫌だが、痛いところがあるのは致し方ないからだ。しかし、ハードウェア検証編はもの申したい。評者の塙氏自体が講評で「私とまったく異なる撮影スタイルをもつ方は違和感を覚える部分もあるかもしれないが、カメラはもともと個人的な満足度、欲求をかなえるためのものなので、ご理解頂きたい」と書かれている。

 と言うわけで私も之に対する個人的な考えを書いてみた。これを読んで異論がある人もあるかもしれないが、メジャー誌にこれまたプロの方が書いた記事ですら、上記の言い訳が許されるのなら、私ごときがネットの片隅でこちゃこちゃ書いたとて、問題はなかろう。



 画質からハードウェアまで11項目に亘り検証した形。しかしその内7項目がハードウェア検証である。項目の選択方法までは文句は言わないが、以下各項目に従って書く。

1.撮影可能な状態でのボディバランスについて

 この時の状態は、首や肩からさげて被写体を探している時の安定感、撮りやすいバランスとある。そして、「重さだけでなく撮影の際に疲れを感じさせないものがベスト」とある。この考え方自体には私も異論がない。そして、ここではE-410,510はA~DでCランクである。

 まず、上記のベストの基準をもう一度良く読んでみたい。すなわち、
・ここでの想定は三脚に据え付けているのでなく、「首や肩からさげて、被写体を探している時」
 の話しである。
・そして、探している時のじゃまにならない安定感と、構えた時のバランスの2点。
・ボディとレンズの組み合わせは、キットレンズのあるものはそれ、無い物は一番合わせるだろう標準ズーム、
・そして、再度書くがベストは「重さだけでなく、疲れを感じさせないもの」だ。

 そこでだ。この通りであれば、重さだけで決まらない→裏返せば、重さというのもベストの一因いや大きな要因であるはずである。そりゃそうだろう。ぶらさげて探す時に軽い方が良い。しかし重い軽いだけで決めちゃダメだよと言うところではないか。そして尤もらしくいきなり、ボディのみとレンズバッテリー等込みの重量比較表が出ている。ちなみに、どちらもE-410は第一位である。しかし、これが「参考データ」で全く加味されていないのである。

 加えて、BランクにEOS1Dsが入っている。なんだこれはと言う感じである。確かにボディとレンズのバランスは悪くないのであろう。しかし塙氏自身が「カメラを構えるとボディの重さをずっしり感じる」、為参考の女性編集「持っているだけで右手の親指が痛い」。何でこれよりE-410の方が下なんだ。ちなみに、E-410は「安定感あまりない。ボディが軽いので若干レンズの重さを感じる」である。これが、三脚使用を前提でカメラをさげるのは現地についてセッティングする間だとか、ちょいと首から提げてみたり、構えてみたときの感触だけですというならわかる。しかし、「首や肩から提げて、被写体を探す」とわざわざ書けば、それはフィールドでこのカメラを首や肩から提げて被写体を探しながら歩いている撮影者のイメージを想起するのが普通ではないか。ボディ+レンズが2.2キロと0.6キロと差があり、おまけにE-410にアンバランスな竹ズームをつけているならともかくセットの小梅であればホールディングのバランスも取れいているはずである。

 これでも、重さだけでなくと言うか重量差を超えてあまりあるボディバランスの差があるとは到底思えない。少なくとも、ここでこのシチューエーションはE-410が得意とするフィールドである。実際、私はEOS1-DsMarkIIを下げて川沿いから林、藪へのアップダウンを小一時間お散歩しE-410以上に「あまり重さを感じず」「撮影の際に疲れを感じさせない」ものか一度借りてみたい。何か特別な魔法があるのだろうか。

2.グリップとシャッターボタンの位置を検証する

これに至ってはE-410はEランクである。Cが実用上問題なしで、Dになると実用上注意が必要とイエローになり、Eはユーザーが使い方を工夫である。イエロー以下である。
何なんだこれは一体という感じだ。「グリップは握ると言うより添える感じ」ってそうなのである。いわゆるE-410はAF一眼レフで肥大化する前の銀塩MF一眼レフの時の扱い方である。そう言う意味で使い方を工夫というのは合っている。しかし、工夫した結果、そういう持ち方をすればボディが安定しないわけではない。あくまで左手でレンズを支えるのを中心にする。ボディが小さい分レンズで支えるので従来のMF一眼のように手が回しやすい。また、総重量も軽い。それでカメラの中心で支え右手は添えて支持すれば安定するのである。

従ってどうしてもこの序列にしたいのであれば「右手グリップをわしづかみにするホールディングスタイルで一番しっくり来るグリップとそれにフィットするシャッター位置のボディ」のランキングという注釈が必要でであろう。しかし、今回の検証の趣旨はそのグリップによってカメラが「安定感が増し、」シャッターボタンが押しやすい為に、「チャンスを逃さない」という目的のための検証のはずである。E-410の小型軽量のボディの得失を活かすにはこの従来型のホールディングで左手を中心に持ち、右手はボディを安定させれば良く、右指にボディを支えるという負担を軽減させているのは理にかなっているし、このホールディング方法の場合はシャッターボタンがボディ側に寄っていないと押しづらくなってしまうのだ。グリップが大きい重量機は重く、重くて安定する部分ある反面、右手をわしづかみするスタイルは意図的に脇を締めないと脇があいてしまう。

前に習えの姿勢で脇を締めたまま両手を伸ばし、そのまま今度は肘を曲げて両手を顔の前に持ってきてみて欲しい。右手と指の方向は本来は、前方に突き出るのでなく、上方に向く。右側から右手を回すグリップ方法はいわばこの右手を90度曲げる形になる。この曲げが極力少なくい方が脇は楽に閉まるのである。E-410の様な銀塩一眼レフだと、この垂直に立った右手のままカメラに添えてわずかにシャッターを押すために手首を曲げ、カメラが揺れない程度に手を添えて何かの動きの時に指が比較的フリーにしやすい形になっているのである。従来のMF一眼レフ流のボディホールディングにもそれはそれなりの安定する理があるのである。

少なくとも、最初からそれなりの質量があってグリップがついているならともかく、小さいボディにわざわざせせこましくグリップを付けているボディより小型軽量には小型軽量に見合ったボディ、ホールディング形状を提唱しているE-410が出来が悪く、また現行機種で最低というのはいかに個人的な考えが入ると言ってもいかがなものか。

3.その他の項目
次のファインダー、それから飛ぶが、操作性、拡張性はまあ異論はない。ファインダーはE-410,510は従来の延長線上の物であるし、実際にE-410のMFにおいては私自身ME-1を併用している。操作性もこんあものだろう。拡張性が上位機種に劣るのは当たり前だ。レンズもとりあえず数があるかどうかだと言われればまだ少ないのは事実である。液晶モニターのDランクはこれはわからない。少なくともそんなに悪いのかなと思うが、反証するほどの知識もないので言われたら反論のしようがないからだ。

そして、最後にハードの検証で一番不満が残るのはトレンド機能検証である。まずDSLR特有の機能と言える、ゴミ除去機能、手ぶれ補正機構、ライブビューを「入門者のためのトレンド機能」と括った上で、この3機能はまとめて一つの項目としてA~Eランクをつけているものである。

まず、この3機能こそデジタル一眼レフになってフィルム一眼レフにはないDSLRならではの新機能で今後もベースとして搭載機種が拡充されることはあっても後退することはないものである。しかし、これを、
・トレンド機能というはやりものの様な位置づけとし、
・加えて入門者向けの機能と位置づけ
・3機能で一項目分、他の項目の1/3のウェイト付け
にしている。グリップに対するシャッター位置や、ボディレンズバランスに一項目割いておき、このトレンド機能の説明で、これらの機能を、「ハイ&ローポジションで楽々撮影が出来、作品にゴミが付かず、暗い場所で撮影してもぶれない写真が撮れる」と位置づけておきながらこれらを3つまとめて一項目評価とはいかがなものか。

作品にゴミが付かない重要性と、ちょいとぶら下げた時のボディとレンズのバランスが撮影に与える影響で、ゴミがバランスの1/3程度のウェイト付けで加えて初心者向けと軽んじられる合理的根拠がないと思うのである。百歩譲って評価が全て適正であったとしても、その項目自体のウェイト付けに恣意性があれば無意味であろう。

4.それで私的には、、
結局、この辺を各項目に分離してもらえばポイント差が3から5ポイント増え、グリップとボディバランスをそれぞれBとすれば、その他で大体7ポイントぐらいはあがってもおかしくないと思う。すなわち、ランキングで言えば中の下、他社で言えばキスデジXや、D40Xと同クラスという感じではないだろうか。実際、それぞれの機種で特徴、一長一短がある中でこの3機種がそれぞれ評価する層が分かれているというのが感覚的にしっくりくる。E-510はそれより少しポイントが上キスデジXとK10Dの間ぐらいになる形だろうか。

5.おまけその1 女子にオススメのカメラ
と言うことで、画質、機能を無視して小型軽量ボディを5つ選んで比較したとある。別にこういう描き方をせずとも、女子が重視する、小型、軽量、+上げられた5項目を本論同様全ての19機種でポイント付けした上で「画質、機能を抜きにして全19機種から最適にボディを選んだ」としても、E-410が上位に来るはずである。

また、小型軽量の5機種の中から選ぶにしても全く画質機能を無視したなどとせず、この5機種の画質検証の持ち点を引き継いでハードウェア項目をここで上げた5項目に切り替えてポイントをAからEで5~1点のポイントを付与して総合ランクで選んだとしても画質のマイナスをおさえてE-410が上位どころに来る。殊更、何かもう、本筋論とは違うそういう性能無視してきめたものだからね~というのを強調しているかのようである。小型軽量も立派な性能である。

6.おまけに、いつまで男子女子とわけるのか?
いまや、写真の趣味は女性でも不思議ではなく、高校写真選手権などは女子の参加人数が多い時代である。写真趣味の女性比率が数パーセントという時代ならともかく、仮に女性が半分を占めるようになれば、女性がだめなものはユーザーの半分がダメと言っているものであり、そもそも女性から見てダメだからDSLRのユーザー層が少ないのであれば問題であろう。それをそのまま女性からの視点を抜きにして優劣をつけたところで何の意味があるのか?男性女性関係なく使いやすいかどうか。あるいは男性女性と使い手をえらぶものよりは選ばない物の方が良いに決まっていると思うのである。

また、そういう観点から見ればハードウェア検証で敢えて女性編集者のコメントをいれておきながら、これを参考意見としてポイントに加味しないと言うのはいかがなものか。それなら最初からコメントしない方がまだすっきりしている。様々な意見を紹介しているような体裁を整えた上で、女性編集者の意見は為参考でポイントに入れないと言うのは今の時代なんか違和感を覚えるのである。個人的には直感的だが的を射た意見もあると思うだけに何か不自然な気がした。

与太話であるが、オリンパスの重視している小型軽量なども女性と男性でとらえ方が違うかもしれないが、あくまで「女性にも優しい機能」であって、「女性にしか価値のない機能」ではない。そこを殊更E-410は女性向け、E-510は旅カメラとまるで主流とは別用途のカメラのように考えるのもおかしな話だ。尤も、オリンパスのこの小型軽量思想がそういう女・子供向けに扱われる、解釈されるのは別にE-systemに限ったわけでなく、OMの初期にもあったようである。
オリンパス使いの写真家として有名な柳沢信氏もM-1の試写を依頼された時の第一印象は「『小さくうまくまっとまっているな』と言う感じで女子供に良いだろうと考えていた」とある。(朝日ソノラマ「オリンパスのすべて」より)

今回、私がこの記事でランキングが悪いことでうーむと思ったのはランキング自体よりも今このDSLRを評価しようかという時の思想の違い、考え方の違いだろうか、
・小型軽量に対する評価
・デジタルならではの機能の評価
・何となく女性向け、男性向けがあり男性向を満たすことが本流のような考え方
である。これらは、
・小型軽量は、撮影者の持ち運ぶカメラの機能としてそれは、「初心者向とかでなく、フィールドに出る撮影者の道具として重要な機能である」と言うのがオリの思想であり、E-system初期に薄れた部分を原点回帰しているのが第二章である。
・フィルム一眼のデジタル化でなく、デジタルカメラのSLRとしてデジタル専用システムとしてのあるべき姿、機能追求をするというのもE-system、オリの思想であり、
・これらを通じ、Go Find~の外に出て行こうよの輪の中に老若男女関係なくみんな参加しようよと言うのもオリの思想である。

いわば、オリが敢えてE-systemを立ち上げ、
・撮影者の友としてかつての小型軽量のMF一眼レフの後継として、
・そしてデジタルの時代の新機能を開発、取り込んでいく専用システムとして
・更に、この小型で便利なシステムで色々な人にDSLRの楽しみを拡張するとする
オリのE-systemでの思想、方向性が何ら評価されない、反映されないランキングで全ての項目を網羅した上でE-410が最低ランクのカメラのように思われるのは我慢ならないと言うところだ。ここで行っても仕方がないが、(笑)DCMさんの価値観で行けばあのランクであり、私はその価値観自体がいかがなものかと提起していると言うところだろう。
[PR]

by hiro_sakae | 2007-07-28 12:02 | E,Pen-system関係


<< おまけに、DCMの本文ではないが、、      DCM8月号の夏番付考 画質編 >>