2007年 08月 21日
キヤノン 40D考 キヤノンAPSはプアマンズフルサイズとは違う
  今回の40Dそこそこにツボを押さえて且つ、ワイヤレストランスミッターやPCでのLV操作等単にフルサイズの下位という位置づけでなくこれはこれ、敢えて言うとAPS,フルサイズを上下でなく並列的にそれぞれ煮つめていく予感がした。「いや、フルサイズの方が高価格帯でっせ」と言う人もいるかもしれないが、んなものは、35ミリと中判を比較して中判の方が平均価格が高いから偉いと言えば「あほ」と言われるのと一緒である。カテゴリーが違うのである。それで、、



そもそもフィルムの粒子の密度自体を撮像素子のセンサーサイズに置き直すとどれぐらいかと言うのを考える。非公開の部分があるが、大体6μ~8μmだそうだ。均一に並んでいるわけでもないが、これに匹敵するぐらいの画素にすると大体16MP程度になる。従って、35ミリフィルム時代のレンズの流用においては、(センサー特有の周辺減光問題等は別にして)まあフルサイズ16MP程度まではきちんとしたレンズだと使える可能性が高い。APSはアバウトだが、半分かちょいそれより小さいとするとこれは、6~8MP。そうすると、何となくAPS-CサイズのDSLRが当初6MPからスタートし、8MPを超えるあたり(先代キスデジが出た頃)から、フィルム時代のレンズでは性能的に厳しいなどという意見が雑誌等でも公然と出てきたのもわかる気がする。

フィルム時代に出来たレンズの流用で、ボディの最高画素数のポテンシャルを引き出せない(画素数までレンズの解像度が追いつかない)のはまあ仕方ないなで済むとしよう。しかし、DSLR登場以降、それで使うことを(暗黙の)前提として出たニューレンズでレンズが負けるというのは避けたいはずである。ましてそれが自社純正の看板レンズなら尚更だ。

キヤノンさんの場合は、この看板がLシリーズになるのだろうがこれを順次入れ替えている。私はLシリーズをフルサイズで順次入れ替えるのは良いが、APSの方もどんどん高画素化すればそちらには追いつかないのではないかと思っていた。しかし、今回の入れ替えの様子を見ていると、キスデジが8MPの時にはフルサイズの最高画素は16MP,そして、今回キスデジが10MPに先に上がっていたが、フルサイズは21.1MPである。そして40Dも12,13に突き抜けることなく、10MP程度にとどめた形だ。(とどめたと書いたのは恐らくキヤノンさんであればやる気になれば、13,14MPのCMOSは作れたはずだからだ。)

結論から言えば、恐らくキヤノンさんは新Lシリーズ含めフルサイズDSLRを想定したレンズ設計においては、APS-Cでピーク10MPに耐える解像力の設計に揃えたのでは無いかと思う。これであれば、実際には各辺1/1.6であるので、フルサイズでは同じピッチのセンサーで25MP迄は耐えられる勘定となる。この設計で統一して作っておけば、フルサイズでは十分耐えられる他、APSの流用でも問題ない。これが、下手にAPS-Cで20MP機など作ってしまえばフルサイズに合わせて作ったレンズがまたAPSではまたレンズ負けしてしまう。かといってAPSに合わせて作ればフルサイズでは過剰すぎる。ただ単に過剰なだけなら良いがその分、コストが高くなったり、ばかでかくなっては意味がない。

フルサイズとAPSの双方を過不足無くカバーできる形のぎりぎりでバランスさせるという意味ではこのAPSとフルサイズの画素数対比を1:2程度にしておくというのは極めてセオリー通りの気がする。逆に言えばキヤノンはAPSをフルサイズ移行への過渡期としてのフォーマットでなく、フルサイズ、APSそれぞれの長所を伸ばし、並列的にこれを育てていく可能性が高い。
レンズとしては、高価なレンズにはなるがL(特に新L)を買っておけば、APSからフルサイズに移行しても性能が保証できますよ、或いはフルサイズとAPSを平行利用しても問題ないですよというのを実現させようと言う意志が感じられる。

個人的に、フォーサーズとフルサイズはこれだけフォーマット差があれば中判と35ミリの様にどっちがどっちでなく、双方補間しあえる立ち位置になると言っていたが、キヤノンさんはこれを自社のマウントで二つともやってしまいたい様である。翻って、ソニーのCMOSの画素数を見る時、或いはその延長線上としてもしフルサイズもやるし、APSもAPSで出来るところまで高画素にしまっせと言うのでは、この辺のバランスすなわち「自社で二つのフォーマットを持つことの意味」をどの程度考慮しているのか?キヤノンの方が深いところを考えていないかと言う気がした。

正直、私はAPSはAPS,フルサイズはフルサイズと言うことでAPS機で10MPに止まらず、15MP,20MPとコンデジさながらの画素アップがされるかもと思っていた。しかし、少なくともキヤノンは伊達に業界の盟主に君臨しているわけではないようだ。35ミリ一眼レフの代替をAPS、常識的に考えて代替であれば画素は10MP.むしろフィルム一眼に対し不足しているのは画素よりも、画質。これをフィルム並みに引き上げれば十分なはずと言うこと。これはすなわちフォーサーズが目指しているところと奇しくも一致する。恐らくキヤノンはAPSラインで15MP以上のものを出すなどと言う無謀なことはせずにここは、フルサイズラインに任せる形をとるはずだ。逆にAPSで15MPまで引き上げ、フルサイズを30MP~40MPなどと言う領域へ上げる時があるとしたら、その時はまた新新Lシリーズをリリースする時だろう。ただ、キヤノンさんの営業だとこれを売り切ってしまいそうなのがこわいところでもある。(笑)

-----------------

この辺を考えた時、フォーサーズの立ち位置としてE-3を20万円以内とし、画素を10MPとした上で、ここにフラグシップ機としてありったけのリソースを注ぎ込むという戦略はこれで正しかったのでは無いかと思う。フルサイズ機の守備範囲とフォーサーズの守備範囲は違うものであるし、APS-Cと比較しても本来の35ミリ一眼レフが他フォーマット比得意としていた、
・小型軽量を是とする、優れた機動性
・オールラウンドにカバーする過不足無い画質性能
等を突き詰めて行くにはここに特化し集中的にリソースを注ぐというのは理にかなっている話だと思うのである。他社対比AF一眼レフシステムの時代が無く何周も遅れた中からようやくかなり追いついてきた上に、ダストリダクション等一部では他社を凌駕する部分まで来たわけだ。今後、益々競争が激化していく中で、オリンパスがきらりと光る存在感を残していくためにはこのカテゴリーにフラッグシップから普及型までありったけの力を込める必要がある。

APSとフルサイズ、35ミリ一眼レフの代替と、それを超えるものの両者を統合し35ミリフォーマットを捨てないEOSシステム、そして35ミリ一眼レフの思想を受け継ぐべく一からフォーサーズを作り上げて挑むオリンパス。進む道、目指すものは違うが両者に強いこだわりと信念があるところは共通している様に思う。これに、ニコン、ソニーはどういう答えをだしてくるのだろうか?

とまあ、堅い話は別にしても去年、ペンタックスK100D、ソニーのアルファで普及型市場の二強体制に戦いを挑み、一時風穴をあけたかに見えたが、結局二強の新機種で蹴散らされた。しかし、キヤノンにすればキスデジXに対しあろうことか、ニコンがD40,40X,80と物量作戦で攻め込み、シェアNo1も取られてしまった。加えて、中型機もK10Dの侵攻を許しあげく売上げだけでなく、TIPAもEISAもこのカテゴリーで持っていかれたとまあ、王者から見れば踏んだり蹴ったりの状況だろう。

そして、キヤノンのそれに対する回答は、中型機以上にEOS1Dのコンビ、ポスト5D,40Dと総入れ替えで4機種投入するぜというものである。オリのE-3に、ニコンがD3が出たとして二機種、それにアルファーの中型機が出てこれを全部足しても4機種である。一社で全て蹴散らすつもりだろうか。少し、怒らせすぎたのかなあと言う気がしないでもないが(笑)。

何れにせよ、フォーサーズ、敢えて加えてAPSフォーマットがフルサイズの下位機種でなくこれはこれでフルサイズとは独自の長所短所を持ったカテゴリーとして切磋琢磨し、磨きがかかるとすればそれはそれで良いことだと思う。むしろ、フォーマットが小さいことから来る長所が伸びてくれれば一部の「最終的にはフルサイズだよ」的議論が偏ったものであることが明らかになるだろう。
[PR]

by hiro_sakae | 2007-08-21 20:51 | 雑記諸々


<< そして敢えて言いたい。フォーサ...      最後は葉っぱ。 >>