2007年 09月 08日
二強さんの新商品発表で与太話
 キヤノンさんの40Dは予想通り好調の様である。他社が店頭にならぶ9月、10月にどれだけ差を付けるか勝負どころでもあるし当然と言えば当然だろう。とは言え私などはあれこれとその先を考えてしまうのだ。



 キヤノンさんの40Dと言うのは実に良いところを突いているというか、はっきりとスペックでわかるところはきちんと向上させた上で明らかに値段勝負で出てきた。確か30DとD200の時はもう少しグレードが接近していた印象がある。しかし、今回ぐらい価格差をつけてしまうと仮にものの出来としてニコンさんより劣る部分があったとしても、「そりゃこんだけ価格が違うから」となる。文句の付けようが無い形だ。

 私などは、むしろ40DははなからD300など相手にしておらず、隙間を埋める様に並べたニコンさんのラインナップで一番手薄なところ、D80とD300を集中的且つ強力に突いて来たと思う。むしろ、D300に当てるタマは40Dでは無いだろう。そう、今回のD300とガチンコになる価格帯に5Dか或いは噂されているその下なのか、ここにフルサイズの下限をおろしてくるのではないかと思うのだ。恐らく防塵防滴ボディ等作り込みに関してはD300の方が見る人が見れば質感は上。あそこまで丁寧に作り込んでフルサイズで同価格はいかにキヤノンでも無理だろう。しかし、その辺はまあうまいこと作って(苦笑)、今の現行5Dのスペックでおろしてくるならやってやれないことはないと思う。この時、市場はどちらを選ぶか?密かに楽しみにしている。

 それと絡んでソニー。ものとしては悪くないのだろうが(すいません、知識が無く)、ただ世間でソニーに期待していたほどのサプライズは無かった。力不足か?いや、そんなことはない。PMA2007から打ち上げている企画である。と、考えればソニーα陣のパワーのある部分(ひょっとするとそちらの方が多いくらい)来年の上級機ボディにフォーカスされている様な気がするのである。フルサイズDSLRはキヤノンの独壇場。ニコンですら挑戦者の立場になる。加えて、一定数が見込めるプロ、業務用市場にシェアを持たないソニーが本当にフルサイズに参戦するならかなりの力を投入してくるはずだと思うのである。

 従って、来年を見据えるとキヤノン、ニコン、そしてソニーがフルサイズを出しそして今まではキヤノンさん特有の問題であった「自社顧客をこの2フォーマットでどうセグメント分けし、ラインナップをどちらにどこまで受け持たせるか」という問題を各社が持つことになる。これにより、レンズラインナップの揃え方も微妙に変わってくるだろう。単純に考えれば、高級ラインはフルサイズにフォーカスし、APSはこれを兼用させ、これでカバーできない広角側と廉価版の売れ筋ラインのみにAPS専用レンズを用意する。もしくは、ここのレンズはあまり儲からないのでそこそこ揃えたら後は、シグマやタムロンのレンズメーカーが「食べていける市場をつくり、カバーさせる」とこういうところだろうか?フルサイズとAPSを両立するとなると、中級以上はフルサイズ、中級以下をAPSと言う切り分けになり、上に述べた様なレンズ構成になっていく様な気がする。キヤノンなどは両立を先行していた分、そういう傾向がより強く出ているだけだ。

 さて、今のAPS利用者でかつ入門機に飽きたらず40D,D300をターゲットとするユーザーには二つの層が混在している。一つは「何れはフルサイズ派」、もう一つは「敢えてAPS派」である。積極的にAPSを選ぶ方をポジティブ派、何れは、、の方をネガティブ派としよう。あぶり出すために、意地悪い質問をするとしたら、ニコンでD300をターゲットにする人で、もう数十グラム重くなるかもしれないが、2,3万円アップで来年待てばフルサイズ出るよとわかってD300を買う人がどれぐらいいるか?或いは、40Dがあそこまで安くなるとは思わず4,5万円予算を多く貯めていた人がPMA2008頃にフルサイズのEOS7がその予算プラス2,3万円で出るがどうするか?と言うところだ。(ここでは2台とも買う予算は無いと仮定する)。それなら待つよと言うネガティブ派は結構いるのではないか。

 フルサイズの価格の下限が20万円程度、すなわち今の中型機ラインまでおりてきたら現行のAPSのこのカテゴリーのユーザーのネガティブ派は少なくともメインボディでは「APSのボディを使う理由はなくなる」。ある意味、一番ハッピーになれる層である。型落ちになるボディを温存すれば「手軽なサブボディ」にもなる。どうせサブだからそれで構わないし、サブ用と割り切れば中途半端に重い中型機よりも次は小型入門機の方が合理的だろう。そして、このネガティブ派はメーカーの思惑とも一致するからだ。

 問題はAPSポジティブ派の存在である。「これ以上の性能や、或いはボディその他の作り込み、質感を求めるならフルサイズにどうぞ」と言われても、重いボディや、望遠のエンドを伸ばすためだけにまた新しいレンズ買うの嫌だ、無駄だと言うことになる。このポジティブ派は細分化すれば更に二つに分かれるだろう。つまり、そもそもカメラに割く予算としてAPS中型程度で十分だというAと、いやもしAPSの特徴を活かした更に高性能なレンズがあればそれを買うというBタイプである。

 商売として見た時Aタイプは、結局フルサイズだろうがAPSだろうが「これ以上はメーカーにお金を落とさない」という意味では一緒である。問題はAPSポジティブBである。ここの受け皿が欠如する。従って、APS、フルサイズで、初級~中級、中級以上マニアと切り分けた場合、「APSと言うフォーマットにポジティブ、もしくはフルサイズに必要性を感じないマニア」の受け皿が不足する。暗に言うと、「ここをとりこぼしても、中級以上マニア市場での損失は軽微」という判断がメーカー側にあると言うことだろう。でないと、特にレンズなどは重複して高級ラインを揃えないといけない形になってしまう。

 恐らく、ニコンさんなどは微妙にこの辺を察した上で、D300を「APSのフラッグシップ機」という位置づけにした。しかし、今後もD300に見合ったグレードのDXで更に単焦点のラインナップを拡充をしつつ、更にフルサイズでキヤノンとしのぎを削るとなるとそうとうきついのではないか?少なくとも利益の大部分をたたき出しているAPSに、その利益の割合に見合った分惜しみなく投資されるかは疑問だ。

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 多分、合理的に考えれば現在の中級以上のユーザーで且つ実際に金を落としてくれる層の分布を見れば、フルサイズネガティブ派の方が、ポジティブB派よりも圧倒的に多いのだろう。しかし、ここ数年、そして今後もこの2フォーマットで続ける限り、今後DSLRの入門者は圧倒的にAPSフォーマットから入ってくるのである。35ミリ換算何ミリと言ってもそもそも、35ミリ換算の画角自体を体験、経験していない層がどんどん増えてくるわけだ。

 数年たって、APSしか知らない世代の方で真面目に取り組んだ結果、APSでの焦点距離=画角が身に付いて、フルサイズを使う時にいちいちAPSベースに逆に換算するという人が出ないとも限らない(苦笑)。そうすると、フルサイズは画質はよいけど重いし、画角を換算し直さないといけないし面倒だ、ということになる。

 本来は、フィルムにおいて、35ミリ、中判、それぞれそれはあくまでフォーマットによる画質、使い勝手等の違いであったはずだ。フルサイズがそうである様に中判も平均値として、35ミリより高価であるし、用途等から言って初心者はあまり使わなかっただけで、35ミリでも極めようと思えばライカあり、ニコンのFありと高級機まできちんと用意されていたはずである。

 思えば、APSが出た頃まだDSLRがメジャーでなく一眼レフで中級からそれ以上へステップアップを考える人は「初心者、入門者時代はフィルム一眼=フルサイズフォーマットを経験している」と言う前提が成り立っていた。だから、メーカー側が「コストや、レンズ性能のバランスでAPS」を出していて何れフルサイズというのが見え隠れしたとしても、ユーザー側の思惑とも合致していたわけだ。しかし、その後ユーザー側の想像も超えるほどDSLRシフトが急速に進み、各社がようやくフルサイズDSLRが出揃うかという頃に「大量のAPSのDSLRしか知らない自社ユーザー」を抱え込むことを予想していたのだろうか?


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 今回一斉に各社がこのカテゴリーの機種を入れ替えたと言うことは、またこれの次の代もガチンコ勝負となる可能性がある。その時に各社がこの価格帯にどのフォーマットのボディを持ってきて、APSとフルサイズの位置づけの本音の「白黒」がどうついてるかが楽しみである。はっきり言えることは、フォーサーズは次もフォーサーズのままだ。(笑)しかし、強いて言えば次の勝負時までフォーサーズはフォーサーズマウントに全てのリソースを集中的に投資するし、それまでに出てくるレンズは全て松から梅までフォーサーズマウントにそれぞれのグレードに応じた過不足無いパワーとサイズとお値段で出てくるはずである。間違っても、使いもしないフォーマットをカバーするために無駄なガラス代を払うと言うことは無いし、普及型からお布施をしたお金の一部が回されて開発されたフラグシップ機が、「自分のレンズの一部が使えないフォーマット」になる心配もないと言うことだ。良くも悪くもフォーサーズである。
 
 しかし、「フォーサーズにはフルサイズにアップする楽しみがないじゃん」という意見もある。「もし、将来フォーサーズ以上の画質を欲しくなったらフルサイズじゃないの」と言う意見も聞く。(笑)。それに回答するのは簡単だ。「そうだね」と、、。「その時はフルサイズで一番良い会社のボディとレンズ買えばいいじゃん」と言うことだ。そういうものだろう。「もったいなくないか」とたたみかける人もいるが、、、日頃の使い回しで35ミリでニコンを愛用していた人が、風景写真も極めたくなって、ペンタの67のセットを揃える様なものだろう。その時に折角のニコンの投資が無駄になるねと言う人はまあいないだろう。勿体ないと思えば両方使えば良い話だ。次元の違う様な話の気がするのである。

 と言うことで、結局与太ってしまった。従って、個人的には「キヤノンがあれであの値段で、ニコンも来て、ソニーも来たら、価格競争もあるだろうしこの調子でいけば、ひょっとすると思っていたより早く、フォーサーズメインで、フルサイズとなんていうのが出来るのかなあ」とか思う。出来たらニコンさんのD3に頑張ってもらって、キヤノンさんのフルサイズの価格が下がってOMのボディに使える様になったら良いなとか思ってみたりもするのだ。(笑)
 


 
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by hiro_sakae | 2007-09-08 22:38 | 雑記諸々


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