2007年 10月 06日
EpisodeのAFセンサーの大きさから予想→本当に来るのか新型センサー
  正に、フォーサーズの撮像素子対比過剰とも言えるハウジング(特にミラー下部)の大きさだから搭載できた、或いはそもそもの撮像素子が小さかったから出来たとも言える大きなAFセンサー。エピソードの文面からしても全くの新開発で作ったAFセンサーである。ぶれ補正と同様比較的早い時期に特許が公開されているオリの千鳥格子センサー。いくつもの特許に分かれており過去にいくつか記事にした。ここでは、仮にこれが載ってきたとしたらE-3のAFセンサーがどれだけすごいものなのかを簡単に書いてみよう。



  特許上一連の特許で最後になるのは、この記事に書いた。興味のある方はここの番号で原典に当たってもらっても良いが、下にやや重複するが他社の比較も含め書いておく。

1.他社の40D,D300はどうなの?

40Dをみると、
・測距点は9点
内訳は
F5.6クロス測距点9点
F2.8クロス測距点1点
F2.8の縦センサーは千鳥配列の2ライン測距センサー

D300をみると、
・測距点は51点
内訳は
F5.6クロス測拠点15点となっている。

うーむ。カタログだけを見ると測距点の数だけに目がいきそうであるがこれらを読み解くには、測距点以外に、
・クロスセンサーと、そうでないセンサー(普通は横のみ)
・F2.8対応とF5.6対応がある
と言うのを理解しないとこの2機種の比較は出来ないことになるのがわかる。

2.クロス測距点と、普通の測距点の違い、とキヤノンの千鳥配列センサーとは?

AFをする際にラインセンサーという線上のセンサーを使う。これを横一本でおこなうのが普通のセンサー、縦横2本で行うのがクロスセンサーである。難しいことは抜きにしてこのクロスセンサーの方が明らかに精度が高い。例えばEOS40Dなども30Dは中央のF2.8対応が今までは一本だったのがクロスになったのを売りにしている。

では、F2.8対応、F5.6対応というのは何か?これはラインセンサーによる差異である。
キヤノンのEOS1D-Mk3のページに詳しく書いてある。要約すると
F2.8対応センサーはF2.8迄はクロス、それより暗いと横一本
F.5.6対応センサーはF5.6迄はクロス、それより暗いと横一本
とこんな感じだ。

これだけみるとF5.6の方がより暗いところまで効きそうであるが、分解能力はF2.8の方が高いようである。また、大ぼけしているところからずばっと焦点を合わせる早さはF5.6の方が勝っているようだ。従って40Dの中央はF2.8対応クロスと、F5.6対応クロスのダブルになっている。加えて、真ん中とその上下の三点の横検出センサーは千鳥配列センサーとなっている形だ。

この千鳥配列センサーというのはこの場合2列のラインが1/2画素ずつずれるようになっており列の数が多いほど性能がよいのと、特徴として大きくピントをはずした時の合焦点能力が優れている。おおきくぼけたときにずばっと寄るのが早いと言うことか。

従って、一見してみるとニコンさんの中央中心に15点F5.6対応クロスをずらっと並べた方が良いように見えるが、
・中央一点はF2.8(F5.6とダブル)で分解能力を上げ、
・更に中央、上下3点は、千鳥配列センサーを配置してデフォーカスからの復旧のスピードアップを図っている
と言うところを加味すると、キヤノンも力が入っている。なかなか難しいものだ。

ただ言えることは、
・ライン一本より、クロスラインセンサーの方が良い。
・クロスで使える範囲はF5.6の方がよい。
・分解能だけならF2.8対応の方がよいが、ここの部分はF5.6とダブルにしておかないと暗いレンズで使えるクロスが制限される。
・また、どちらのクロスにかかわらず、千鳥格子配列は大デフォーカス時からの迅速なAFと検出ばらつきに低減効果があると言うことである。

3.オリの千鳥格子AFセンサーはどこがすごいの

上記のキヤノン40Dでは、この千鳥センサー(2列配置)を横検出用に一本採用し、これを真ん中3点の横検出に使ったことを大きくうたっている。これを、大デフォーカス時からの迅速・快適なAF実現の肝としている。

 オリの新型センサーは、言ってみればF5.6対応の迅速性と、F2.8の分解能を両方兼ね備えたセンサーだ。これらを実現するために諸技術を投入しているが、何と言っても圧巻は今回40Dが一つの売りにしているこの千鳥センサーを

・キヤノンの2列千鳥でなく、もう一列多い3列千鳥格子センサーを使って
・このセンサーのみで
・全点縦横クロス測距を行い
・原理上全ての測距点が同一クロス(F5.6対応なら全てF5.6対応)
となる点である。

 F2.8ライン、F5.6ライン、千鳥格子、それぞれ長短っつーっても結局千鳥格子で作ってしまえば一番良いのなら一本なんてしゃらくさいこと言わずに、全点クロス全部これで作ってしまえと言うのがまあ乱暴な言い方であるが今回のオリ特許のすごさなのである。(おまけに工夫して3列配置を可能にした。)

3.でもでも、そしたら何で他社はやんないの?

 DCMにも書いてあったが、AFセンサーを作るコスト自体はこの3.4年で大きく下がっている。またキヤノンさんもやっているように千鳥格子センサー自体のアイデアは前からある。ではなぜオリがこれを可能にしたのか?あるいはオリは最終的に当初25点クロスを、特許上でも19点クロスにせざるをえなかったのは何故か?

 理由は簡単である。この全点千鳥格子クロスを従来技術で作ると

「ものすごくでかいAFセンサーになってしまうのである。」

 加えて、AF測距点を広範囲におこうとするとAFセンサーが肥大化する。従ってこれらを極力小さくするセンサー配置を考え、且つ千鳥格子で入れた最初の特許は25点測距で縦横5列5列でまさに画面上の4隅までクロス測距点が配置されたようなものだった。

 当然、ここに至るまでも出来るだけの小型化をしたようであるが、さしもの小さいフォーサーズのフォーマットですらこのセンサーはまだ大きかったようである。最終的に4隅を中心に6点を削りその分詰めることにより最後の特許が出された。特許上では全点クロスで行くなら19点、ラインセンサーのみの測距点を間に入れて25点の実施例が上げられている。

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 リーク記事では製品化にあたり更なる小型化や、実際の使用を考慮して11点に落ち着いたのであろうか?その辺は疑問である。しかし、特許の技術とエピソードを参考にすれば、
・使用頻度、環境から練ったAF測距点(11点)を
・ニコンさんのような、全て同じF値対応で
・且つ、キヤノンさんが一本しか使わなかった千鳥格子センサーのみで
ずらずらっと測距点を並べた豪勢なセンサーになるはずである。

 そして、この贅沢な仕様は
・AF対象のフォーマットが小さく、ボディ内にも余裕がある
小さい撮像素子のフォーサーズだから可能になった贅沢だとしたらちょっとにんまりである。(笑)

ちなみに、この大きいセンサーの前段部分(マスク等センサーに当てる前の部分)を変えることによって7点測距等に切り替えて使い倒すことも可能なようである。恐らくここの部分を測距点を少なくすることにより小型化できる→普及型にも使い倒せる可能性があるということだろう。このスペシャルなセンサーのベーシックな部分がE-3から普及型まで汎用使用でき量産効果がきくとのは良いことであるし、このセンサーがE-3のみならず次期E-4xx,5xx系に搭載されるとなれば嬉しいことだ。

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尤も、特許通りの技術で出てくるかどうかはわからない。しかし、AFは相当に気合いを入れてきたようなので、出来ればこんな感じででてもらいたいものだ。
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by hiro_sakae | 2007-10-06 10:47 | E,Pen-system関係


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