2008年 01月 07日
α200の発表に思う、フォーサーズのLVへの流れについて
  先日、EVF単独機でオリはデジタル専用の強みの三の矢を放つかという記事を書いた時に一の矢はダストリダクションで、二の矢はLVと書きとりあえず二強までしか追いついていないと書いた。そして、今日α200を見たらとりあえず今回もソニーはLVは搭載してこなかった。載せる気になれば載せられると思うのだが、今とりあえず載せるのなら大丈夫だろうが、後々のことを考えるとクリアーしておかない課題があると思うからだ。




  米谷氏が、自著「オリンパス・ペンの挑戦」の中でペンのロータリシャッターを苦心して思いついた件でこのように書かれている。
「不可能と思っていた構想も出来上がってみると当たり前のように見えてくる」
そして、収納に困っていたプリズムの問題と、シャッターが一気に解決する様を
「不思議なもので、、、(中略)、、、まるでハーフサイズ一眼のために存在した理想のメカニズムに思えてくる。また、そう見える組み合わせが最良の設計と信じている。」
(「オリンパス・ペンの挑戦」P139より引用)

 私は、フォーサーズの規格、考え方がデジタル化が進む上で色々なところで複合的に絡み合ってくるのをここで都度触れているが、今回のLVも将来的に考えればダストリダクション機能と深く関わってくると言う話である。

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 ダストリダクション機能は、現在のDSLRのタイプでも有用なことは言うまでもないだろう。しかしながら、現行のDSLRはシャッターを持ち、まがりなりにも「遮光出来る程度の」機密性はある。撮影する時以外は撮像素子はむき出しになっているわけではないのである。ところがLV機能はそういうわけにはいかない。まだ実際の使用としてはLVを使うより、光学ファインダーを使う時間が圧倒的に多いのでそれほど顕在化していないが、今後LV(含むEVF)の利用が増加していくにつれこのダストリダクション機能はより重要な機能となる。

 従来と違い、通電している状態でシャッターが開く仕組み上格段にダストがつく可能性が高まる。まして、常時LVを想定すれば、単に画像にゴミが付くと言うだけでなく、視認している間も場合によっては気になるだろうし(ファインダーにゴミが付いているようなものだ)場合によっては焼き付くとやっかいでもある。(実際、先日触れたオリの単独機特許ではハーフミラー含めダストリダクションを必要としているのは視認性の問題もあるだろう)

 
 さて、現在オリンパスを含め、キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックスもそれぞれゴミ取り機能を備えている。効果は別にして違いを書くと次の通りだ
オリンパスは、撮像素子ユニットと別にSSWFを装備
キヤノン、ニコン、撮像素子ユニット中のIRフィルターを振動させる(専用の振動機構)
ソニー、ペンタックスは同IRフィルターをぶれ補正機構を使い振動

これをIRフィルター、ぶれ補正機構、ゴミ取り機構とパーツを三つに分解してみよう。少しおおざっぱであるが分類すると以下の通りである。

1.オリは、IRフィルター、ぶれ補正、ゴミ取り、それぞれの機能単独に使う。
2.キヤノン、ニコンはぶれ補正(レンズ)、ゴミ取り(振動機構)は単独だが、IRフィルターは実際のフィルターの役目と、ゴミ落としの振動体の二つの役目を兼務する。
3.ソニー、ペンタックスは、ぶれ補正とゴミ取り機構が兼務、且つ、IRフィルターはゴミ取りの際の振動体とフィルター自体の役目の兼務である。

それぞれの機能が単独になっている方がそれぞれの機能の高性能化等に利点があることは言うまでもないだろう。私は、別に他社さんも別々のものを搭載する技術が云々という話をいっているのではない。ただ、IRフィルターを含む撮像素子に、ぶれ補正は専用の駆動機構を設け、そして、ゴミ取りにはゴミ取りで専用のSSWFと共に駆動機構を設けるといういわば「贅沢な機構」を収納した上に、メインミラーもおいて現行のスペースに収めるのは大きな撮像素子では物理的にかなりハードルが高いような気がするのである。

「おいおい、でもだからこそ機能を兼務させることでクリアーしてゴミ取り機能を入れてきたんじゃないか?それが何故いけないんだ?」という疑問がわくだろう。以下はそれを考察してみたい。

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先ず、今回のソニー(ペンタックスも同様)さんのぶれ補正駆動をぷるぷるさせてゴミを取ると言う方式で常時LVに突入した場合どうだろう。

一番極端な例で言えば、LVをしている時にもしぶれ補正兼務方式でゴミ取り機能をONさせたらどうなるかという問題である。恐らく、ぶれを打ち消しながらぷるぷるというのは考えられないので(苦笑)画面がその間は実質上LV出来ない状態になる。オリの場合はSSWFが超音波微振動するだけであって、撮像素子自体が動くわけではないので可能である。)

常時LVになり、電源消費がクリアー出来れば恐らくぷるぷるはスイッチオン時だけでなく適時適切に行う方に進化していくと思える。となれば、「LV時もぷるぷる出来る可能性」という意味ではキヤノン、ニコンのレンズにぶれ補正を任せている方式の方がソニー、ペンタックスよりも理にかなっている。勿論、ぷるぷるをSSWFに任せ、独立してボディぶれ補正出来るオリが一番スマートではある。厳密に言えばフィルターがぷるぷるするから何らかの微細な影響があるかもしれない、しかし撮像中でなくあくまでLVの視認を確保出来るレベルであればこれは許容出来るのではないだろうか。

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では、キヤノン、ニコンのIRフィルターを振動させゴミ取りにも使うというのは何か問題があるのだろうか?現状はないのかもしれない。ただ、将来的な事を考えれば言えることは、「今後IRフィルターを考えるに当たって、ぷるぷるに耐える強度、厚み等本来のIRフィルターの性能とは別の制約がかかる」ということだろう。

現行のIRフィルターはこのゴミ取りの振動に耐えるものかもしれないが、将来的に更に薄くする、場合によってはブレークスルーがあって撮像のみを考えればIRフィルターは不要になる可能性だってあるかもしれない。今はIRフィルターを振動させているがもし将来不要になってゴミ取りだけのために「素通しの硝子をおきそれを超音波振動」させるとなれば、見ようによっては「それは、そのままSSWFと硝子で密閉するオリ特許そのものじゃないか」ともなりかねない。(苦笑)

オリンパスの場合は、上記のように仮にIRフィルターが要らないとなってもSSWF自体は関係のない話である。
加えて言うならば、これも特許公開ベースの話なので定かではないがオリのダストリダクション絡みの一連の特許におもしろいものが大分前だが出ていた。
すなわち、オリはよくZDレンズの優秀性を語る一つに「レンズ設計にあたってはIRフィルターの微細な屈折率等も考慮して厳密に設計している」というものがある。

しかし、ダストリダクション関連の公開特許では正確に言えばこれはIRフィルター+SSWFフィルター合算(正確に言えばこの間)での屈折率影響を勘案する形とし、E-1設計時にZDレンズで想定している合算の屈折率影響は、IRフィルターが変わってもこのユニットとしての合算では当初設計と一定値になるように、全体でバランスをとるようになっているようである。

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理詰めから入ったフォーサーズ。デジタルだからゴミついちゃいかんよなと、なら撮像素子毎密封して光の来るところだけ透明な硝子の蓋にしちゃおう、で、蓋に付いたゴミをぷるぷるとっちゃえばよいじゃんというのが、ぶっちゃけSSWFによるダストリダクションのスタートだ。

しかし、このことにより上に見た来たように撮像素子自体は一切ゴミのことを考える必要が無くなり、従ってボディ補正とゴミ取りは矛盾無く両立出来るようになった。加えて、この撮像素子とレンズの間に「一種の光学素子をおく」というのは結果的に「撮像素子側(含むIRフィルター等)の光学的影響をオリ側で調整しニュートラルを維持する仕掛け」という副産物ももたらしたとも言える。

そして、ダストリダクション特許や或いはE-3等のカットモデルを見ればわかるとおりこのSSWFフィルターを含む仕掛けは撮像素子のサイズ対比ではかなりのものである。正にこれなどは、フォーサーズの小さい撮像素子のメリットと言えると思うのだ。そして、ユーザーのメリットはと言えば、ゴミ取りや、将来のその発展性を享受出来るという効果に加えて、ZDレンズ(E-1時代から出されているものの全て)を設計どおりの性能でこれからも存分に使えると言うところが一番だろう。(何せ、センサーが進化したら持っているレンズが馬脚を現して買い換えると言うのは一番負担がかかる(苦笑))

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出た当初から、オリがフォーサーズ規格と共にDSLR専用システムのコア技術として唄いながらあまり注目を浴びなかったダストリダクション。フォーサーズ規格、或いは小さい撮像素子のメリット共々、今後DSLRならではの進化が加速するに付け、こういう根っこの地味な部分がじわじわと効いてくるのではないかと思った。まあ、そう言う意味ではやはり現行のぶれ補正等を維持しつつEVF単独機を最速で狙える素質はフォーサーズが一番だと改めて思った。
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by hiro_sakae | 2008-01-07 22:58 | E,Pen-system関係


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