2008年 02月 02日
そして、色々発表されたけれども、、
  本当は、昨日の日経産業新聞の記事を紹介したかったのだが、コピーを持って帰るのを忘れてしまい(苦笑)、、、でもあらかたはその記事に書いてあったこととそれから考えたことである。



  一時は頭打ちかと思われたデジカメも色々な機能が出てきたことと、平均で約3年で買い換えというサイクルが安定的になってきたことに加え、ロシアや新興国需要が本格化してきたことで毎年の出荷台数も1億台を突破し安定的に推移しそうな勢いである。ここでも何度か紹介したように、フィルムカメラ時代のように、フィルムの供給並びに現像等のDPE網と言ったインフラを必要としないデジカメは「その国の経済事情が価格的に買える水準」に到達すればその国が市場化していく。唯一のインフラ?とも言うべきPC(やプリンタ)が世界に行き渡ればフィルムカメラ以上に新たな市場が拡がっていくのも間違いないだろう。

  そして、現状コンシュマー向けデジカメの最高位カテゴリとされているDSLRもその例外ではなく今年過去の生産台数ピークを20数年ぶりに突破し800万台を超える。しかし、昨日の記事ではその後は年率10%以内、いわばデジカメ市場の伸び率とほぼ同じ程度(=デジカメ出荷数の中のDSLRのシェアは安定的)のものに着地する様である。デジカメ全体の伸び率を大幅に超え一時は倍々ゲームのように拡大してきたDSLRもかなり伸び率は減速するようだ。良くも悪くもデジタル移行前のフィルムカメラにおける一眼レフの割合とほぼ同じと言ったところだ。以前書いたように、これに現在カメラの一種として定着した感もある、携帯電話に付いているデジカメ機能の台数もいれればむしろ、広義の「カメラ」に占める一眼レフの存在感が高まっているというわけでもない。

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 紹介したかった記事に戻れば、一昨年に家電メーカー2社が参入し一種の乱戦状態に陥るかに思えたこの市場も結果的にキヤノン、ニコンの二強の寡占化が益々進んだという結果に終わっている。国内シェアによれば、2007年も2006年対比この2強のシェアが4ポイント以上アップ。最終的に約85%をこの2社の製品で占めるようになった。

 勿論、この間他社も手をこまねいていたわけでなく、この2年近くのDSLRのトレンドである、
・ダストリダクション、ライブビュー(オリンパス)
・ボディ手ぶれ補正(ミノルタ)
・防塵防滴の低廉な中型機ボディ(ペンタックス)
等斬新な切り口はむしろ二強以外のメーカーから繰り出されているにもかかわらずである。老舗のブランドイメージと、プロ用から普及型まで隙間の無いラインナップ、そしてDSLR特有のフィルム時代からの厚いレンズ等の資産等様々な理由が上げられている。

 記事中ではHOYAはペンタックスのDSLRの今後の舵取りとしては、普及型から広くユーザーを取り込むというのを修正し中型機以上の写真を趣味とするハイアマ以上の層に絞った機種と収益の上がる交換レンズ事業の充実に注力するようである。またソニーも当面フルサイズ等の中、上級者ユーザーをカバーするラインナップをとりあえず作る方向に動くようだ。悩ましいメーカーとしてオリンパスも取り上げられ、去年3機種を出して専門家を中心に評価が高いものの伸び悩んでいると紹介されている。

 実際、今回フォーサーズ陣営以外にはペンタックスもソニーも普及型に新機種投入を発表した。しかしだからといって、一番新味が無いD60と続投のD40のニコンコンビのシェアをどちらかがひっくり返せるか?となると正直そう言う気はしない。結局、通年のシェアで見れば二強でシェアを80%以上確保。3位以下は、とにかく新商品が出たとか何かそういうのででっこみひっこみで順位が変わるものの、二強とそれ以外のカテゴリー間の順位変動は無いと言う構図は変わらない気がするのだ。(冷めた見方で申し訳ない、、)

 さて、ここでも取り上げた山田さんの発言。シェアが10%以上変わるかも、、ファインダーが変わればカメラが変わるという発言。その裏返しとして、何をやっても、恐らくこの土俵では勝てないのではないかと言う各メーカーの焦燥感というのを先ほどの引用の記事では感じた。3年から5年程度のスパンでみればHOYAの戦略は収益的にはペンタックスを潤すのであろうが、もっと長い目で見た時に自社ファン取り込みのポータルとも言える普及型をおろそかにして写真趣味層から安定的に収益を取るという虫の良い話が通じるのだろうかとも思うし、ソニーのフルラインナップまで揃えた上で、二強とは差のある生産台数で逆に伸びきった戦線に潤沢にタマを投入して戦える成算があるのかとも思う。

 そして、この追いついたつもりでも追いつけない二強。焦燥感の高まるその多勢。そして山田さんの発言等から私はかつての時代の日独の興亡を思い出すのだ。

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 クラカメファンであれば、1954年のフォトキナというのがその後の日独の興亡、或いは35ミリ高級カメラのメインプレーヤーの入れ替えのきっかけになる一つの「事件」であったと言うことをご存じであろう。

 戦後、外貨獲得の有力製品として日本のカメラ産業は立ち上がっていく。当時の35ミリカメラの最高位はライカのIIIcやfあるいは、コンタックスでありこれに追いつけとばかりに開発が進んでいく。それより下位のカメラではドイツに追いつきつつあったが、如何せんこのレンジファインダーの壁は厚い。ようやくこれらの先達の水準に追いつくかと思えた矢先、この1954年のフォトキナで衝撃的な製品が発表された。ライカのM3だ。そしてその後もこのレンジファインダー機に対抗すべくキヤノン、ニコンもそれぞれ製品を発表するものの、このレンジファインダーでライカと真っ向勝負で覇者になるというのをあきらめる。そして結局一眼レフへと一斉になだれ込んでいき、結局これで35ミリ高級カメラのメインプレーヤーはライカ、コンタックスから、日本のメーカーへと交代するわけである。

 勿論、一眼レフ自体は日本人の発明でなくより古くから接写や特殊用途のカメラとして存在していた。光路上の像をそのまま視認出来る、使えるレンズバリエーションの幅がレンジファインダー比広いなどの長所は元々備わっていたわけであるが、当時は今で言う開放絞り機構も無く、ミラーも一回写せばブラックアウトする(クイックリターンミラーではない)という致命的欠陥があり且つ、重量も重かった。これらを一つ一つクリアーしていったのである。あの一眼レフをレンジファインダーと互角に戦えるように改良するための努力をレンジファインダーに注いでいたら、同じ土俵でももっと戦えたのではと言う気もする。ただ、結果論で言えば、「欠陥を乗り越えた後の拡張性、あるいはポテンシャルの高さ」がレンジファインダーより、一眼レフの方が断然高かったと言うことだろう。

 ファインダーが変わればカメラも変わり、そしてシェアも動くは、このレンジファインダーから一眼レフへの移行そのものだ。そしてそれが可能なら、確かにシェアが動く可能性がある。
一言で言えば、
「たとえ、現行の性能対比では劣るファインダーでも、それの未来図や可能性が現行ファインダーよりも優れた方式」
であるならば、
「苦労はするかもしれないが、チャレンジしてものになれば現行ファインダー方式に取って代わり」
「地滑り的に、シェア、メインプレーヤーが入れ替わる可能性がある」
と言うことだろう。

 残念ながら、そういう新たな胎動は今回のPMAでも見えてこなかった。同じ土俵の延長線上での動きだけだ。誰が均衡を破るのか?そして誰がこのリスクをとって果敢に挑むのか?かつてドイツに挑んだ、二強は今やそのチャレンジャーの位置ではないだろう。やらないと尻すぼみになるその他メーカーから出ると思うのだ。こんなギャンブルは普通追いつめられないと出来ないと思うからだ。(笑)
 
 脱線するが、今回オリンパスは目先のシェア維持のために現行機種の改良型みたいなものを出してくるかと思ったがそんな気配はみじんもなかった。相変わらずである。(笑)ただ、それならそれで新機種を出す際は、この閉塞感をぶっ飛ばすようなものを考えて欲しいものだ。そして、私はオリファンとして当然そんなむふふを期待しているのである。
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by hiro_sakae | 2008-02-02 15:36 | 雑記諸々


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