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2008年 03月 22日
【特許関係】この手があったか?ぶれ補正小型化の特許
  このところ、ライブビュー(単独方式、位相差AF等)絡みとパナさんのセンサー絡みが大きな動きがあったが、久しぶりにぶれ補正で新たなものが公開された。ぶれ補正もE-4xxファンとしては重要だ。小さくなって早く搭載される目処が立たないかなあと思っているためだ。

  今回の特許はコロンブスの卵的特許。見てしまうとうーむというものである。電子式ぶれ補正のように筋は良いかもしれないが実現には相当のハードルが、、と言う感じでもない。機構を簡略化し、省電力で、かつ現行のぶれ補正より精度が上がる感じ、、。仕組みが簡単なだけにおもいついちゃったもの勝ちとなりそうな感じもする。




【公開番号】 特許公開2008-67317
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【発明の名称】 撮像装置及びカメラ

というもの。名称に「像ぶれ」と入っていないので危うく見逃すところであった。
これは説明するのに図があった方がわかりやすいので以下に公開図面を引用する。
【特許関係】この手があったか?ぶれ補正小型化の特許_c0036985_10493162.jpg

(上記特許の公開図面1より)

まず、この図は模式図のようなものなので厳密な大小の比較は違う。真ん中の長方形は撮像素子の有効画素部、丸はそのレンズの像が写っているサークル。そして有効画素部を囲むように4箇所は撮像素子の有効画素部以外の画素がある部分を使うようだ。この図で見るとこの4箇所のスペースがかなりあるように見えるが、実際にはこんなに大きくはないようだ。

この有効画素からはみ出した画素の内、上下左右中心をはさんで実際には2万画素程度を使う。この図ではサークルが有効画素に対してかなり余裕がある図となっているが実際にはこお上下左右辺は丸が出っ張っている部分にあたるのでサークル径と有効画素の対角線はもっと近接している。

今回の肝は、このセンサーの画素の内、レンズから結像していながら有効画素としてつかわれない長方形からはみ出た部分の上下左右の結像部分に位置する画素を使ってぶれ補正をやってしまおうというものである。

「仕組み」
撮像素子の内、画像撮影に使う部分(有効画素)の外側に画面中心から上下左右対称に4辺の画素を使う。画素数にして2万画素程度。

そして、ここから高速でサンプリングして画像を読み出し、像と像のぶれ具合によりぶれ補正量を求める。(複数枚の画像からぶれ補正ベクトルを導き出すのは既にしれた技術があるとのこと)

そして、このデータに基づきぶれ補正駆動(これは現行のE-510やE-3と同じ)をする。

これにより、角速度センサー関係の装置が一切不要になり、省スペース、省電力且つ省コスト化されるということだ。

「肝」

ぶれ補正検知用の画素読み出しはわずか2万画素程度で済む為、この程度の画素数にすればぶれ補正で発生する周波数をサンプリングするのに十分なレートが確保出来る。

加えて、角速度センサ方式ではどうしてもぶれている撮像素子から離れた距離に角速度センサをおく形になる。また角速度センサの情報を元に、「撮像素子のぶれ量を予測」するという形になってしまう。(原理上仕方がない)

しかし、この方式だと正に「ぶれている撮像素子そのものの挙動を検知する」のでより正確なぶれ補正が可能となるということだ。

うまくすれば、現行の撮像素子ユニットの大きさを変えずにこれを仕込み且つ、このぶれ補正用画素部分の処理回路と、撮像画像の処理回路を共有することも出来るようでそうすると単純に角速度センサー周りを省略した様な形になると言うことだ。コスト的にもかなりの省コストになるようである。

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2枚の画像を取得してぶれ補正量を算出するという手法自体は目新しいものはない。しかしこれをぶれ補正センサーに使えるほどの高速読み出し(しかも全画素)をするのは事実上現行のデジカメの画素数では不可能だと言うことになっていた。

しかし、それなら専用のものを用意すれば画素数をうんと落とせる、そしてイメージサークルが円で撮像部が長方形である以上、その隙間に像を結んでいるところがあるじゃないか?と言うのは気づいてみればその通りであるが、うまいことを考えたものだなあと思った。

何れにせよ、出来ればより小型に、より高精度になりつつ、コストも安くなる(多少なりとも安価に出来る)というのであればユーザーにとってもウェルカムな技術と言える。

by Hiro_Sakae | 2008-03-22 11:21 | オリ特許関係


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