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2008年 03月 30日
敢えて書きたい、E-3のファインダー傾き問題考
  価格コム他に既に出ている話題ではある。私は普段この手はほとんど書き込みをしないが今回は首を突っ込んでしまった。DSLRの板はオリンパスに限らずキヤノン、ニコン他色々な不具合の報告がレベル、内容も玉石混淆でアップされる。これは致し方ない。
  オリンパスのDSLRとて例外ではなく、例えばE-410,510で特殊な使用状態における縞状の問題、あるいはE-3とSummiluxの相性問題然りである。では、何故私が他の不具合の際には敢えて首を突っ込まず今回はあれこれ書いているのか?気にならない人にはどうでも良い問題かもしれないが敢えて書いてみたい。
  結論から言って、これが「仕様」なら致し方ないし、私の個体は問題ないので使い続けるがオリンパスに思い入れのある「オリばか」としては非常に残念で悔しい気がする。



  まず、今回問題になっているのはE-3においてファインダーをのぞいて水平に撮影したはずが撮影後確認してみると、水平が概ね左側に傾いていると言うことだ。ただ、この購入した個体のファインダーが傾いていること自体は、残念ながら他社の中型機以上の個体でも不具合として価格コム等の板でも報告がなされている。当たり前のように起きているようだ。こういうことが起きてしまうことは、無いに越したことはないが、やはり機械として一定の確率で不具合の個体がでてしまうのは致し方ないのだろう。

  ところで、本論に入る前に例えばオリンパスが今までこういった板で報告されている不具合に関してどういう対応をとっているかと言えば大きく二つのパターンがある。

  一つは、E-510等で言われたある種閾値を超えた輝度差と高感度の組み合わせによるものに関しては、オリンパスのHPのFAQ内にその対処法を記載している。つまり撮像素子等オリンパスだけでは直しようが無いものに関しては仕様としてその対処法を開示すると言う方法である。
  一方、12-60のAFや、HLD-4の不具合等オリンパスで対応可能なものはあるものは無償修理、或いはファームウェアのアップデートにて対応している。それ以前のものに関しても、まめにファームウェアアップデート等により手を入れサポートもしてくれると言う意味ではオリンパスはとても頼れる存在である。

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 そして、今回の傾きの程度はと言うと総合すると傾き0.5度程度まではオリンパスのサポートに持ち込み傾きがあったとしてもそれは「仕様内」ということで修理はしないという形になり、どうしても納得が出来ない場合は交換をしてもらえるケースもあるという話だ。尤も、書き込み自体は中にはにわかに信じがたいものもあるが、個人のブログで報告されている方や知った人の話を総合してもこの辺で間違いは無いようである。私自身がオリのサポートに確認したこととも大差は無い。

 ここで、0.5度と書くとわずかな差のように思えるが実際に画像ソフトで水平だとおもっている画像をデジタルでシフトさせて見て頂きたい。私も最初は「何を些末なことを、、、」と思っていたが、人間の水平方向の感覚は非常にデリケートなようで(笑)0.5度ははっきりと認識出来る。大伸ばし云々でなくVGA程度の画像でも充分視認出来る形だ。

 尤も、私は手持ちで最初試してみたが手持ちだと0.2度程度は水平からはずれる。逆に手持ちでもそんなにずれないものである。「そうかなあ」と思う人は試して欲しい。以外と人感センサーは感度がよいものだ。だからという訳ではないが、恐らく殆どのE-3が、「使っていてもそんな細かいことがきにならない」のではなく、実際に気にならない程度の誤差に収まっているのだと思うのである。(私の機体も試してみたが、やはり誤差が気にならないのでなく、そもそも殆ど傾いていなかった。)

 「なら、いいじゃん。なんでわざわざ今回は引っかかるの?」というところだろうが、それは次の通りだ。

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 上にも書いたように、今までオリンパスも不具合が無かったわけではない。しかし内容的には外部調達するパーツの性能に起因するもの(撮像素子)や他社製品等の相性の問題(レンズ)でオリンパスだけではいかんともしがたい性格のものや、カメラも電子製品になってしまったが故にファームウェアアップデートにて対応するもの→ソフトウェア的不具合によるものに殆どが収斂される形であったと思う。しかし、今回は乱暴に言ってしまえば組み立て精度の問題である。事実ライブビューを使う分にはこの傾きの問題は発生しない。  

  そして、使用状況においては問題となる、或いは不都合が生じるという誤差が「不具合」でなく「仕様」であるという事は、
・少なくとも、オリンパスは製造過程でファインダーの傾き誤差があるのは承知しており
・今回問題になっている程度の誤差はE-3ユーザーに対して「仕様」として説明が付く
と判断したはずであると思うからだ。

  他社で言えばEOS-1系も同様の症状がかなりの数で報告されているが、キヤノンはこれらのクレームに関しては、SSが何度も調整に応じているようである。オリンパスは、これは調整は出来ず従ってどうしてもとなれば交換で対応する形になるようだ。(まあ、メーカー的には仕様である以上は欠陥でないので当たり前と言えば当たり前。欠陥でもないものを交換に応じてくれるのであるから、親切といえば親切だが、仕様だと突っぱねきれないところに曖昧さがあるようにも思える。)

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  AF一眼がすっぽり抜けていたオリンパスがE-1から再スタートしようやくE-3の水準まで駆け上がってきた。その労苦は大変なものであったろうと想像が付く。またフォーサーズという小さい撮像素子であれだけの見えとキレを確保するために恐らく素人が想像を超えるような精密な製造過程を経てあのファインダーが実現されているとも思うのである。

  しかし、しかしである。こういったファインダーの傾き誤差等この辺の組み立て精度こそが光学メーカーであると同時に世界に誇る日本の精密機械工業の腕の見せ所ではないかと思うのだ。全部誤差無しで作れと言っているのでもない。不幸にも誤差がでてしまった個体を調整することもままならず、そもそも「んなもの、不具合でも何でもない仕様内の許容範囲内ですよ」と、、
おまけにそれがオリンパスのフラッグシップ機であるE-3ではがっくりという感じだ。よりによってE-3でそれは無かろうと言った方が正確か。実際に、このE-3の傾き誤差の仕様を決めるにあたって、製造工程上からはじき出される許容すべき誤差とは別に、実際に水平を要求するシチュエーションでファインダー上と実際出てきた画像の水平の誤差を見比べてオリのエンジニアの方々が「こんなもんは、E-3の誤差として許容されるものでしょう?」と判断されたと言うことだろうか?これは悲しい。

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  機械である以上、完璧なものは作れないし一定の確率で不良個体は出る。しかし仕様と言ってしまえばそれは不良でなくメーカーにとっては正常である。その正常が素人でも並べればすぐわかるような不具合とはいかがなものだろうか?またそうした不具合或いは、仕様の「甘さ、幅」と言ったものはつきまとうものとしても、致し方ないものと、そうでないものと色合いがあると思う。

  それらやカメラのスペックの至らなさを全てメーカーに文句を言うというのは私も嫌いだ。本当にどうしようもなければメーカーを変えれば良いだけの話である。もしくはそれ以外に魅力を感じてつかいたいのであれば、ユーザーの使いこなしで「宜しく、つきあっていく」話だ。私もE-300時代にMFのマットでのフォーカシングは鍛錬したし、機種毎にボタン操作を覚え、ソフトの処理で補えるものは補い、果てはアイカップ、マグニファイヤー或いは、グリップ等純正、サードパーティ製問わずブツの導入等こちらの慣れと努力・鍛錬と追加投資?で補えるものは何でもして大好きなズイコーとつき合ってきたつもりである。

  しかし、それはオリンパスもオリンパスでその時々のベストでカメラを出してくれていると思っていればこそである。だからこそ、ユーザーもしのごの文句も言わずに何とか使いこなそうと頑張るのである。となると、やはり組み立て精度、工作精度において不具合と言われれば交換に応じざるを得ない程度の誤差まで許す「仕様」とは一体何なのか?内視鏡や、顕微鏡で超絶的な技術を誇るオリンパスが、コンシューマー製品になった途端、フラッグシップ機で明らかに視認出来る不具合を仕様だといい、挙げ句の果てに交換でしか対応出来ないとは正直、悔しいのである。

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  とまあ、私がここでぐだぐだ言ってどうなるものでもないし、発生個体は少数派であろうから世間一般的に言えばどうということでないのかもしれない。従ってE-3はそういうカメラだと言うことでこれはこれでまた使いこなしていくしかない。幸い自分のE-3はファインダーの傾きが無いので、破損したりして使えなくならないように大切に使うつもりだ。また、それらこれらも含めてE-3の実力として判断すれば良いわけだしこれ以外の他の魅力がいっぱいあるために、これに変わるシステムが無いからこそ、使い続けるわけだ。

  ただ、もしE-3を「現状の価格であの内容で出すには現行の仕様程度の誤差は容認してもらわないととてもじゃないと作れない」というのであれば、それを納得する代わりに「では、その辺も含めて価格が高くても良いから、他社から見ても「信じられない」と言うぐらいのクオリティのフラッグシップ機を作ってくれ」と言いたい。
  E-3の上の仮にE-3Pとしたら、そういうのが欲しいなと思う。

  フラッグシップ機というのは、単に一番ランクが上のカメラというのでなく性能的にそのシステムの象徴となるべき機体である。システムの平均性能は全体で底上げされるものかもしれないが、絶対性能は一にフラッグシップ機にかかっている。今回の件も、もし、E-3の上に超完璧なE-3Pがあれば、「そんなにこだわるのなら、E-3Pしかないよ。そういうところまで気になる人は高いけどあれを買えばそりゃもう完璧だわな」で終わってしまう話だ。

  まあ、与太ってしまうが、上位機種とまではいかなくてもノーマル版E-3を八王子や辰野のマイスターが全て念入りに再調整して更にグリップラバーとか、ボタンも含めて総チタンのE-3 SpecialEditionのようなものを5周年記念ボディのように売り出しても良いかもしれない。(冗談ですけど、、)

  結局、思い入れの強いオリばかの勝手な言い分になってしまった。(笑)しかし、あの米谷さんが世に問うたOM-1以降、綿々と続くオリンパス一眼レフのフラグシップ機の血を引き継ぐE-3であると考えると、少なくともオリの工作、立て付け精度の仕様がこの程度とは残念な思いで一杯であると言うことだ。

by Hiro_Sakae | 2008-03-30 19:32 | E-x,E-xx関係


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