2008年 04月 27日
E-3, Tokina AT-X M100 PRO D ISO AUTO CaptureOne 4 私のところではOM90マクロがあり、時々Macro-Elmarがと言う状態。勿論これまでにタムロンの52Bから、Visoのベローズまで色々登場はしたものの標準マクロ域がZDも入って群雄割拠状態を繰り広げているのに対し、ここは出入りの少ない状態であった。 勿論、これをもって「中望遠はOM90とバトルを繰り広げるようなレンズがない」と言うつもりは毛頭無い。OM90のライバルとなると思いつくだけでも、うちの標準マクロのそれぞれの相棒達、LeicaのAPO Macro-Elmaritや、コンタックスのマクロプラナー、或いはZFのマクロプラナーなどがある。しかし、如何せんこれらは中古でそれらにしては安~く上げたとしても相当な「ギャラ」を用意しないと出場して頂けない。ましてZFの新品などは、今後出てくるZD100マクロより高そうな感じだ。これでは本末転倒である。 フォーサーズはその性質上、 ・同じ被写界深度で良ければ同一画角で他フォーマット比明るい絞りが使える ・同じ倍率のレンズであれば、より最小撮影範囲を小さく(=より大きく拡大)出来る。 ・同じ焦点距離のレンズで同じ撮影範囲であればより長くワーキングディスタンスがとれる とマクロ撮影には誠に好都合で「筋の良い」性格を持っていながら、このレンジに純正がいまだない。そして純正ZDは何れ解決するとしても他社にはあるあれがない。 あれとは、すなわちTamronのSPと、このレンズである。(苦笑) 中望遠マクロは他社の純正でも標準マクロと違い結構なお値段がする中で私はこの二社のレンズの特にアマチュアの懐を軽減しつつ良質の「マクロワールド」へ誘った貢献は無視出来ないと思う。そして、これがフォーサーズにはない。(苦笑)と思っていたが、強引にTamronのマクロ(現行のDi)をフォーサーズでも使っている人がちらほらいたので、これは何れ試さねばならないなと思いつつ、ずーっとそのままになっていたのだ。 そのままになっていたのは極めて単純で「タムロンやトキナーのレンズを使うならそのレンズが使えるマウントのカメラの方が良いだろう」というのと、シグマの105マクロを使ってMF時のフォーカシングの感触が今ひとつだったので他のレンズも最新のものは同様ではないかと思っていたからだ。 ---------------------- 心境が変化したのは、たまたまとある縁でフォーサーズにこの両レンズ(ニコンマウント用)をアダプター経由でつけて試す機会を得たことだ。マクロエルマーも良いが、掛け値なしでOM90と互角に渡り合える相棒を探していた私としては、やはりこの二つは良いと思った。どれぐらい良いと思ったかというと、、「ああ、血迷ってZFのマクロとかいかなくて良かった」という感じである。ZFのマクロプラナーが悪いというのではない。コストパフォーマンスの差があまりにもあるという話だ。 で、何でTamronでなくTokinaにしたかというと、個人的にはやはりMF時のフォーカシングの感じに関してはTamronはMFレンズを知るものとしてはやや軽すぎる感じがした。Tokinaの方がしっくりくる。加えて何となく作りがシックな感じがしたからだ。両方とも相当今までに練り込まれているレンズでもあり、ぼけ等は双方良い感じであった。しかし、双方ともここまでアウトフォーカスがハイレベルなのであれば、ジャスピン時のキレの良さを感じるTokinaが良いのではと思ったのだ。勿論、そこには私の頭の中にTokina AT-X→「カミソリマクロ」のイメージがあるのかもしれない。 とかく、最近はデジタル化が早かったせいか、はたまた人気が一極集中する傾向からか中望遠マクロと言えばTamronのSPマクロが圧倒的に売れている様ではある。で、脱線してTokinaさんはTamronさんの様に自らマクロ伝説と言い切るほどは自信がないようなので(苦笑)少し紹介すると、、 --------------- Tokinaの中望遠マクロのスタートを語るには、その前に米国VivitarのSeries Oneと言うレンズのシリーズを話さないといけない。Vivitarと言うのは、米国でレンズ等を売っている会社であるが、自社で作るのでなく製品はその時々に応じてメーカーに製造させて売るという会社である。そして当然の事ながらそれらの殆どは日本のメーカーが製作に当たった。 ちなみに、こういうのは昔はよくあったようでレンズならこのVivitarが有名であるがカメラだとTowerブランドが有名である。オリンパスのワイドや、35もタワーブランドで売られているものがあるし、これ以外でも例えばCanonのハーフサイズカメラのダイヤル35などはBell-HowWellブランドで米国で売られていた。今では考えられないことだ。 そして、このVivitarが一眼レフ用の交換レンズであるシリーズを立ち上げる。それがSeries Oneである。いわゆるプロの仕様にも耐える高品質のシリーズと言うことでそれぞれの焦点距離のレンズをそれにふさわしい各日本メーカーに製造させシリーズとして販売したわけだ。この時参加したメーカーがどこかは色々あってよくわからない。しかし、このSeries Oneと酷似しているレンズが主に欧州向けにそのメーカーさんのオリジナルブランドで、KironやPanagor等で出ていることからうかがい知れるだけだ。 そんななかで、このSeries Oneの中望遠マクロとして用意されたのが90mmマクロだ。海野さんがわざわざ取り寄せたという件のレンズである。当時はまだTamronSPマクロは登場していない(確かTamron登場は1979年)。NASAの設計と言われるこのマクロは等倍可能で性能は当時としては出色の出来といわれるもの。今でもこのマクロを筆頭にe-bay等でもVivitarのレンズとしては破格?の値が付くレンズである。(と言ってもツァイス等とは全然値段のレベルは違うが、、) そして、その後このレンズはディスコンとなり、変わってTokinaからAT-Xシリーズで90mmマクロが登場する。レンズ構成等から正にSeries Oneの90マクロの後継だ。タムロンのSPが「ポートレートマクロ」なら、このTokinaのAT-Xは「カミソリマクロ」として熱烈なファンを獲得するわけである。(以下略、、(笑))というところか。脱線した。話を戻そう。 ---------------------- 肝心の答えをしていなかった。それで最終的に何でこれの導入を決めたのかと言うことだ。 結論から言えば、これを素直にニコンマウント等で導入するのと比較してもこれはこれでフォーサーズで使う意味があるかなと思ったからだ。それには勿論E-3の登場と今年に入ってのファームウェアバージョンアップが大きく背中を押した。そしてとどめは、「今シーズンもZD100マクロはない」となったことか?(苦笑) 今、Tamronとは別の意味で伝説のマクロとも言えるTokinaを堪能出来るマウントはキヤノンとニコンしかない。この2マウントで普通に使うのとE-3で使うのとでは何が違うか? デメリットは簡単である。MFオンリーとなることと、実絞りになることだ。しかし、殊マクロに関してはMFを多用するし、私にとってはOMと同じ使い勝手というだけだ。 逆にこれが受け入れるならば、むしろ二強マウントでは無いフォーサーズ利用でのメリットとしては、 ・冒頭に述べたフォーサーズとしてのマクロ撮影での優位性を享受出来ること ・マクロMFに有利なフリーアングル液晶が使えること そして、最後に背中を押したもう一つのメリットは、 ・このカミソリマクロの最新レンズを手ぶれ補正付きで使える唯一のフォーマット ということだ。 お値段も、ZD35マクロとZD50マクロの中間ぐらいであるし、ニコンボディも持っている人なら更にお得感があるかもしれない。中望遠マクロの導入としてはJadowであるのは承知しているが、こだわりたい人には、シグマ105マクロと比較する一つにはなるのではと思った。特にTokinaのAT-XのMFバージョンを入れようかと思ってい人や、未だに魅力から逃れられずMFのものをアダプターで使っている人が後継としてこれを考えるのも良いかもしれない。 そして、出来れば今ZDもLeicaもこのレンジにレンズがない、いわば「飛車角抜きの状態」のこのフォーサーズにこれのフォーサーズバージョンを出してくれればなあと思った。現行の値段でこの性能でフォーサーズに投入すれば間違いなく売れると思うのだが、、
by Hiro_Sakae
| 2008-04-27 20:10
| その他マウント
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