たまり場であった草むら脇の空き地がマンション建設で根こそぎつぶされて以降、姿を見なかった「的場君」。今朝、その脇の草むらを書き分けて進む見慣れた背中を見つけて近づいた。ちらっと顔を上げて思い出してくれたのだろうか。逃げないので、私はそっと近寄りかつての「彼らの城」のあった方向を的場君と一緒にながめ、それから傍らで、ほとんど腹這いになりながら彼の姿を撮った。後に続いて草むらの片隅で休息したところでもう一枚。やつれは見えず、相変わらず良い目をしていた。「俺は、野良じゃなくて野生の猫だ」とそんな感じか。
E-300, ZD12-60/2.8-4
ISO 100
CaptureOne 4