2008年 08月 05日
私的フォーサーズマイクロ、ファーストインプレ
  二強、いやオリンパス-松下のフォーサーズコンビ以外は全てDSLRをフルサイズ-APSの2フォーマット体制へと舵を切ろうとしている時に、その逆のベクトルを呈示した。
  




  とまあ、浪花節的に盛り上がる前に今回のマイクロの成立した一番の肝ともいえるのがフランジバックを思い切って半分にしてしまったと言うことだ。従来のフォーサーズの考え方から言えばサークル径対比異常に懐の深いフランジバックは何もミラーのためだけにあったのではなく、そもそもマウント開口径の大きさと共にテレセントリック性の確保→主光線の周辺領域での入射角の確保の意味もあったはずだ。

  それが、今回ばっさり半分である。マウント径の6mmの縮小でもアダプター装着時の従来のZDレンズの光路は確保される。(と言うか確保出来るぎりぎりの口径にしたのかも知れない)従って、フォーマット自体はフォーサーズのままなのでアダプター利用で従来のレンズを使う場合はフォーマットもフランジバック長も何ら変わらないので、従来と全くかわりのない光学的性能が確保されているのはわかるだろう。

  しかし、逆にマイクロ専用レンズの場合は、同じサークル径のままでフランジバック長がみじかくなるわけであるから、周辺部分の入射角は寝るはずである。そもそもの特許の理論値と比べてもやや長めのフランジバックでのりしろがあるとはいえ、半分の約20mmでは、特許上許容している従来のフォーサーズの周辺部分の入射角よりは寝るはずだ。従って、ここは従来のフォーサーズ規格よりは若干妥協しているはずである。この若干はどれくらいなんだろう?

  マウント径はフォーマットのサークル径約20mmちょっとに対し外径で6mmなのでフルサイズのイメージサークル径とマウント径の比と比べればこれでも比較にならないくらい十分なマウント径を確保している。フランジバックの対比ではどっちもどっちである。合わせ技ではマイクロの方がまだ良い。と言うことで、厳密に言うと各社マウント径、フランジバックがばらばらなので一概に言えないが、恐らくテレセントリック性の妥協に関しては、非常にあばうとではあるが、
  「他社のAPS-Cマウント並ぐらいには妥協したのでは」というところだ。

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  もう一度、繰り返そう。フォーサーズは他社のアンチな方から揶揄されるほど愚直にまず理論から入り今の撮像素子とそれに対する十分なマウント径とフランジバック長を規定し作られた。そして、これを順調に進化させる中で実際にはそこまで厳密に周辺光量やテレセントリック性を確保していない他社のDSLRでも実用上問題ないと言うところもわかってきた。いわゆる世間の許容範囲のようなものだ。

  そして、もしオリンパスがこの若干本来のフォーサーズの理論からはずれても何かメリットや性能向上を得ても良いのではないか?と考えれば選択肢は二つあったはずだ。一つは、その許容範囲を使って、ここでも妄想した様に撮像素子をより大きい方に振る方向。APSに対するフルサイズのようなものだ。そして、もう一つの方向はより小型化に振り向ける方向だ。そして、オリンパスとパナソニックは後者を選んだ。

  もしついでにいえば、他社とてもしオリンパスのようにテレセントリックにこだわらず、今まで通り例えば、APSにおけるサークル径とフランジバックのマウント径で十分と割り切ってフォーサーズと同じ撮像素子で「ニコン版フォーサーズ」などを作っていればオリのフォーサーズよりうんと小さい、小さなDSLRが出来たはずである。しかし、他社はそちらへは向かわず、むしろテレセントリック性云々などにこだわらずより「大きな撮像素子搭載」へ走ったわけである。

  勿論、単純に妥協、許容範囲と書いたがこれらはこの5年における撮像素子や、ソフトウェア処理的なもの、はたまたレンズ側の工夫等により拡大してきたものもあるだろう。しかし、私が言いたいのは、これらにより生じてくる「許容範囲」が仮に各社同じだとしても、それをより大きな撮像素子(=大きなボディ、これをカバーする大きなレンズ)に活用するか、或いはより小型化へ活用するかの思想の違いであり、その結果出てくるものやシステムの方向性は全く異なる形になると言うことだ。

  言い換えれば、フォーマット間で一番近かったAPSとフォーサーズ。それぞれ培ってきた技術力で従来は不可能、許容範囲を超えると思われるものも対応出来るようになってきた。そして例えばニコンに代表される他社はそれをフルサイズの本格的導入へ使い、フォーサーズはマイクロへ進んだ。APSとフォーサーズでは見えにくかった思想の違いがフルサイズとマイクロでは質量から見た目から歴然と且つ鮮やかに呈示されるに至ったと思う。

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  これが、成功するかどうかはわからない。しかし、今回のこの方向性は、OMやPen、或いはそれ以前のワイド、オリンパス35の時から綿々と流れるオリンパスの思想、、すなわち、
・より多くの人に、より性能が良く小型なカメラを広めるという起点
・OM開発で米谷氏が力説した、フィールドに打って出る撮影者にとってのシステムの小型軽量は重要な性能である
と言う考えに合致するものである。

  かつてOMが撮影者から「重い」「大きい」「シャッター音が大きい」の三重苦からの開放のために世に出されたのと同様、フォーサーズそしてマイクロによりオリンパスは「重い」「大きい」「操作が難しい」の新三重苦から一般の撮影者を解放しようとしている。重くて大きいほど良いカメラだと思う人にはどうでも良いことだろうが、、(笑)


  また、余談であるが、オリパナのフォーサーズでの立ち位置も何となく見えてきたような気がする。上位となるフォーサーズ規格はどちらかと言えばオリンパスが中心、マイクロは逆にパナソニックが中心という感じだ。デジカメwatchの記事によれば、シグマがこれに参加する様子。オリの談話では実際に活動しない人までオープンに集める気は今後はないようだ。それを踏まえてのシグマの参加。さすがにこの小さいマイクロに他社マウント互換のものをそのまま持ってくると思えず(笑)いよいよシグマが専用にレンズを開発するのだろうか。そしてわざわざ専用に開発するとなると、いよいよマイクロの方でレンズ交換式DP1の様なものが出るのか?

 そして、超小型の部分をマイクロのボディとレンズに委ねたとした場合にフォーサーズが上位互換として今後突き進めていくのは何か?うーむ。例の皆既日食プレゼントでは若干なんだろう?と考えていたが、本当に50万円応募に達してしまう程あれこれ出てくるのかも知れない。更なるE-4xx機の小型化というのも気になるところだ。
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by Hiro_Sakae | 2008-08-05 23:31 | E,Pen-system関係


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