2008年 08月 13日
マイクロフォーサーズへ打って出る事を別の視点から見る
  画質だ、光学ファインダーの有効性、或いは未来と言ったこと以上に、写真とは全く関係ない事情ではあるが、昨日の日経産業新聞の記事より、、




  オリンパスが、大赤字を出した頃はデジカメ業界は一部のメーカーをのぞき大不振状態となり、このあたりを前後に京セラ等のデジカメ撤退や、ミノルタのカメラ部門のソニーへの売却、PentaxのDSLRでのサムスンとの提携、そしてHOYAへの合併等が進んでいった。そしてようやく一服した感があった。しかし、ここに来ての円高と淘汰されたとは言えたくさんの会社がひしめく中でまた価格下落が進行し、各社で揃った4-6月期の数字を見る限り再度生き残りをかけた淘汰の波が来そうな様子である。上記の記事は12日付タイトルは「小型デジカメ苦戦、主要8社4-6月期・・・・(中略)・・・生き残りへかけ商品力競う」とある。読まれた方も多いだろう。

  記事では、冒頭にHOYAに買収されたPentax並びに、富士フイルムのデジカメ部門が前年同期の黒字から一転赤字に転落。この記事では載っていないカシオも数パーセントの数量増に対し16%の価格下落した様子で、デジカメに関してはかなり苦戦しているようだ。

  キヤノンは減益ながらも同部門の営業利益率21.5%を維持。ソニーも非公表ながら減益のようだ。そして、ニコンは公表資料から逆算すると15%弱。パナは不明。ちなみに、オリンパスも前年同期比落ちたものの、映像事業部門の営業利益率は13.5%で、在庫水準も想定以下に維持している。実際この13.5%と言う数字を見た時は、枕詞に「高い」と付くほど良いものなのかイマイチぴんと来なかったが、去年度も営業利益率が二強とはダブルスコア以上の開きがあったように記憶しているので、率に関してはかなり縮まった。

  むしろ、二強とそれ以外の会社ではデジカメ販売数に占めるDSLRの割合が「桁違い」に違う。これの有無で埋められないほどの利益率の差が出ていた。ここにきて、オリンパスが他社同様の価格下落に見舞われながらも、堅調に利益率を確保しているのは、デジカメ事業の収益回復期にDSLRに収益を依存すると言うことが出来なかった(=あてにしなくても儲かる)ところが幸いしたとも言えるだろう。

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  DSLRに関して言えば、今年はキヤノンは引き続き全体の伸び率以上の拡大路線。方やニコンは伸び率は平均以下に抑え、中上位機に注力と明暗が分かれたが、あしもとの数字を見れば落ちたとは言え未だ20%超の営業利益率を誇るキヤノンがボリューム重視で、方や、家電メーカーはもとより、キヤノン、オリンパスと比較しても全社の営業利益でカメラ依存度が高いニコンが利益率重視に傾くのは双方理にかなった戦略と言える。

  そして、オリ&パナ連合。パナは未公表ながらデジカメは好調なようでキヤノン同様今年はデジカメ全体では強気の計画をだしている。世界ベースで日本メーカーのデジカメ出荷数の順位(2007年)はキヤノン、ソニー、オリンパス、ニコンであったが、今年の出荷計画通り各社達成するとパナが3位に躍り出て、この順位はキヤノン、ソニー、パナソニック、オリンパス、ニコンとなる。ちなみに、ちなみに、今期の出荷計画の打ちDSLRを抜いた非DSLRでいくと、約1億台今日の計画の内、ざっくり言えば、キヤノン、ソニー、が各2500万台、パナソニック&オリで2500万台という形。この4社でシェアの75%を押さえる形になる。いつもDSLRシェアを見慣れている私には若干違和感のある数字ではあるが、世界ベースでの非DSLRのシェア分布はこうなっている。

  こう考えてくると、全般的な収益率低下の中で生き残りをかけた第二Rが始まっているとなれば、キヤノン、ニコンが戦略の違いはあれDSLR(=自社の得意な市場)に力こぶを入れる以上、これを追撃するオリ&パナとしては、自分たちが強みのある市場に近い方から取り囲みこれを切り崩すというのはまあ理にかなっていると思うのだ。

  また、そういう間に入って、デジカメシェアでは王者キヤノンに肉迫しトップを狙っているソニーが、フルサイズからコンデジまでのフルラインで挑んでいるのには注目したい。これがどういう結果になるかが見物なところだ。

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 オリ&パナの戦略が当たるとすれば、マイクロフォーサーズで非DSLR部門のデジカメの収益率を上げつつ、DSLRのボリュームゾーンであるエントリークラスのDSLRを吸い上げていき、フォーサーズDSLR自体は計画通りの12%程度の成長であっても「シェアとしては上昇する」というところか?

 エントリークラスのDSLRが値崩れしたら逆にマイクロフォーサーズにとっては想定内かもしれない。どう考えても光学ファインダーやAFセンサー関係がごっそりパーツとして不要の企画である。まずマイクロフォーサーズ VS エントリーレベルDSLRでは価格競争力はかなりある。

  では、値下がりしていくエントリーレベルDSLRに対してのフォーサーズDSLRはどうか?今程度の台数でも他社対比そこそこ競争になる価格で出している。そして下の妄想でも書いたように、光学ファインダーとAFセンサー以外の撮像素子やSSWF等主要デバイスからマイクロフォーサーズと共用出来る。従ってマイクロフォーサーズの量産効果の恩恵はフォーサーズにも当然効いてくれば、フォーサーズDSLRもこの恩恵を受ける。良くも悪くも(笑)フラッグシップ機まで同じフォーマットサイズであるから尚更だ。

  逆転の発想というのだろうか?DSLRに飛べない人や、DSLR以外の何かを求めている人たちの固まった層がある。ここはコンデジ一般の平均単価や利益率よりおいしそうである。デジカメメーカーとして、生き残りのためにここは狙わないと言うのが得策なら構わない。しかし、ここがとれるならとりたい、いやとるべきだと言う結論が先に出たとしたら、そこに対してGRDの様なコンセプトの新たな商品群を企画したり、そこのために新たなチビサーズの様なレンズ交換コンデジを考えるよりは、「どうせフォーサーズで色々開発するんだから」これと極力共有出来る使い倒せるものでもう一個作っちゃえと言う方が却ってリソースの分散を防げた効率的な方法とも言えないなと思う。つまり、現環境下で更に生き残っていくためには、「フォーサーズ以外には何もしないと言う選択肢は無かった」と言う前提を置けば、、と言う話だ。

  脱線するが、そう考えると安直かもしれないが、このフォーサーズ撮像素子及び関連デバイスを「使い倒して」作れそうなデジカメに関しては、それがSPの様なネオ一眼タイプであれ、あるいはレンズ非交換式のものであれ、とことん全てフォーサーズで作ってしまうと言うのもいいんじゃないかと思ったりもした。
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by Hiro_Sakae | 2008-08-13 21:33 | E,Pen-system関係


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