2008年 09月 21日
散発的に書いていたが、だいぶ皆さんのコメント等を頂きながら自分でも整理出来たので、もう明日にもオリのマイクロがらみの話が出るのではと言うところで出ちゃう前に書いてみたい。 1.フォーサーズ等のDSLRを周囲に気兼ねなく使える場面が減っているのではないかということ。 我々のように、写真やカメラが好きな人間、比較的DSLRをよく持ち出す人間にとっても昨今は肖像権や個人情報、プライバシーの意識の高まりと共に、DSLRで撮影する、場合によってはぶらさげて歩いているだけでも不審がられたり、色々気を遣う局面が多い。 実家の奈良の観光地当たりであれば、フォーサーズをぶら下げて時折立ち止まって町並みを撮影したり、お店の人にものを買ったついでに一緒にスナップを依頼しても違和感ない事が多いが、これを近所の路地で行ったりするのには困難が伴う。問題なのは、実際にすぐトラブルが発生するという以前に、「何となくまずかろう」と思ってしまう世間の雰囲気である。 同じカメラでありながらそれがDSLRの形態と質量になった途端にそれを取りだして撮影したり、ぶらぶら持ち歩いて持ち歩けるシーンに制約を受ける度合い、何となく感じてしまう「何か言われないかな的」度合いが増幅するのである。結局、一般の人がDSLRを気兼ねなく使えるシチュエーションは ・旅行先や、観光客等が来ていても違和感のない場所として認知されているところ ・運動会や、子どもの行事等「ハレの場」として認知されているところ ・家族内のスナップ等いわゆるうちわのもの。 に限られる形だ。 コンデジからステップアップした途端に、描写や画質は上がるとしても逆に利用するシーンに関しては却って使いづらいと言う側面があると言うことだ。重くて持ち運びが、、と言うのとは別の次元での超えないといけない壁である。 また、マイクロフォーサーズはフランジバックが短くなり、ボディが薄く、広角側のレンズが小さくなり、光学ファインダーレスでより小型軽量が見込めるものの、撮像素子がちいさくなったわけではない。E-420から光学ファインダーを取り去って、フランジを20mm詰めればかなり小さくなる。しかし、それ以上に劇的にちいさくなるものでもない。コンデジの範疇で見ればこれにレンズをつけた状態ではむしろ大きいコンデジの部類に入る。 加えて、G1程度のサイズになれば、DSLRのこの部分をネックを思う人の取り込みは難しいと思えるからだ。 2.ぶっちゃけ値段の問題 G1と現行の他社も含むエントリー型のDSLRとの大きさがこの程度の差であれば、やはり、値段の問題は大きいと思う。下の記事でも書いたが、DSLRなら少し大きくなるが、ボディの値段でダブルズームキットが買えるのである。ニコンのD40,60なども買える値段だ。(笑)例え、小さくて持ち運びが軽くなったとしても上記の要因は解消されない。 今のエントリーDSLR群と形状において似た形で、価格的には多少高いけど機能が盛りだくさんというので売れるだろうか?子細にEVFの将来性とか、広角レンズまで含めた小型軽量の度合い、このタイプの将来性などを吟味して買うのはそれこそ、パナさんがあまり想定しない、ここを読んでいる方のような既存DSLR層の様な気がする。 また、マイクロフォーサーズが明らかになるにつれ、特にフォーサーズと共用する場合においても、フォーサーズのレンズはコントラストAF対応レンズでしかAFが出来ないと言うのが明らかになった。今のところ、梅のみ。松、竹は全滅である。となれば、既存フォーサーズユーザーからの相乗りと言う面でも、これはある意味「全く別のマウントを導入する」のとさして変わらない。 となれば、やはり新規マウント導入という意味では新たに買う購入層と同じくコストパフォーマンスは重要である。フォーサーズを補完するという意味で導入に見合った投資が見込めるものでないといけない。特にフランジの件もあり、マイクロフォーサーズのレンズがフォーサーズで使えるようになるのはまずあり得ないので尚更である。 3.と言う風に考えれば 先ずは、DSLRライク風な出で立ちはだめだ。私は個人的にはEVFはいらないと思っている。E-420でスナップをこのまえしゃかしゃか撮った際におおっと振り向かれる頻度はアイポイントで撮っている時と、腕を伸ばしてライブビューで撮っている時では明らかに後者の方が少なかった。今や、街角や雑踏で違和感なくとけ込む撮影スタイルはアイポイントでなく、腕を伸ばしたコンデジ風撮影スタイルである。一見、遠目では形状からDSLRには見えない形状で、コンデジ風に撮影出来るというのがベストである。これであれば多少コンデジ対比大きくても、DSLRより気兼ねなく持ち込める撮影範囲は大きく拡大する。 そして、レンズも商売上標準+望遠のズームぐらいは出るかもしれない。しかしメインはやはりマイクロフォーサーズの得意とする広角から標準ぐらいまでのレンズを充実させる。つまり、 ・フォーサーズでは絶対無理な小型化が出来ているか? ・或いはフォーサーズでその小ささにするよりもぐっと低価格で実現されているか? と言う二点に着目したい。特に望遠になればなるほど、フォーサーズより多少小さくなったとは言えポケットに入るわけでもない。要はフォーサーズと並立するメリットは段々失われていくからだ。実際Gレンズの40-200もコンパクトではあるが、コンパクトさではZDの40-150の方がかなり小さい。現行の第二章小梅をものにしたオリンパスが改めて40-200の同スペックをフォーサーズ版で作った場合、二つのマウントに投資するデメリットを相殺するほどの小型軽量に差が出るのか疑問の湧くところだ。 4.更にいってしまえば、 これは、今後出るサムスンのAPS-Cにも言えることだが、同じフォーマットであればDSLRとレフレスでもDSLRと現行コンデジほどの劇的な大小差は出来ないだろう。DP1等のレンズ固定型と違い、レンズ交換式特有の ・レンズを着脱する為のマウント機構の組み込み ・同じく、これから生じるゴミ取りの機構の組み込み 等の機構なり仕組みを組み込む分大きくなる。更に、 ・システムとして最大重量のレンズを想定したマウント強度、ボディ強度の確保 ・同じく、グリップ等ハンドリングも可能とするための形状 等を言い出したら、小さくなるにも限界が出るのは明らかだ。 フランジバックの長さから来るボディとかレンズの重量が相殺される分岐点、例えば ・ボディ云々よりレンズ重量の方が重要になってくる画角以上 ・広角端がフランジバック長以上のズームレンズや、単焦点レンズ ・高性能レンズを使うにふさわしい、ある程度のボディ質量 等を超えてレフレス一眼がその範囲をもカバーしようとするとDSLR対比の小型化出来るメリットが薄れてくる。仮に将来フォーサーズマウントのままで新たにピンが増設され(ニコンのFマウントの進化のようなものか)、フォーサーズマウント上でも11ピンレンズが出てくれば、この相殺ポイント以下で且つ光学ファインダーを必要としない領域のみにこの「同じ大きさのマウントの兄弟」のメリットがとれる部分は制限される。(当然、マイクロと違い位相差AFは行えるので旧来の9ピンレンズでAFが出来ないなどと言うばかげたことは生じない。) 本来的にそういうものだと思う。なぜなら、マイクロで出来ることは大きさをのぞけばフォーサーズで出来るからである。(これはAPSのDSLRとレフレス一眼も関係は変わらないだろう。) 従って、マイクロフォーサーズは文字通り「フォーサーズの拡張規格」であって、フォーサーズを軸にマイクロでフォーサーズでカバー出来ない部分を一つ一つ詰めていき、システム全体としてカバー領域を拡大するという位置づけが理にかなっていると思うからだ。 5.個人的にフォーサーズを補完するシステムを1から考えるなら、、 私は、レンズ交換式という形式は同じフォーマットであればレンズ非交換式に大きさでは上記の点から負けざるを得ないと思う。従って、レンズ交換式を維持したまま既存のシステムより小さくする、あるいは肥大化を防ぐとなれば、撮像素子のサイズ自体を縮小せざるを得ないと思う。妄想で過去書いたように、既存のシステムより明らかに小さくしようと思えばフォーサーズの半分、2/3インチサイズのツーサーズぐらいにしないと無理だろう。これはすなわち、フルサイズとフォーサーズそのもの。フォーサーズ自体が、かつてのOMを理想に小型一眼レフのハンドリングの良さを求めた時に撮像素子を小さくしたのと同じだ。 そして、もしこのフォーサーズのフォーマットを維持したまま、フォーサーズでは出来ない小ささを目指すとしたら、形式を変える。すなわちレンズ交換式を捨てた、レンズ固定のフォーサーズコンデジを作るというのが安直であるが理にかなっていると思う。DP1のフォーサーズ版だ。 Penが秀逸だと思うのは、ボディを当時としては破格の値段にした上でホーム用、サブカメラ用、あるいはハイエンド用、或いは広角用とPenというカメラ自体でEEシリーズ、Sシリーズ、Dシリーズ、W,やFE等様々な用途のPenカメラをシステムとして展開したことだ。 それぞれは単機能のコンパクトカメラであるが、これらの中で自分の用途に応じた1台、もしくは複数台をチョイスして補完すればよい。また、コンパクトだからと1台であらゆる用途を満たすように下手に万能化しなかった分、その用途にフィットすれば安物でない使いやすさと性能を発揮した。 デジカメも、今ではかなり低価格で生産出来るようになったので私などはデジカメ版でDigitalPenのEEや、S、Dシリーズのようなものを作ったほうが結果的にそれでフォーサーズの小さなカメラが出来、フォーサーズのサブカメラ用途としては使いでがあると思う。中途半端に小さいボディ+レンズ二本なら、このデジペン2台をポケットに放り込んだ方が小さいかもしれないし、それぞれのボディユニットを共通化し、価格が下げられればマイクロのボディ+レンズ二本買うより、ペンデジ2台の方が安いと言うことも充分考えられる。値段的にそっちの方が安くて、小型であればレンズ交換するより2台ある方がよい。用途が決まっていれば1台だけ持ち出せば良く、尚更小型であるし、レンズ交換する手間も省ける。 尤も、このデジペンはコンデジであるから、DSLRのシェアを取るという意味では全く寄与しない。(笑)しかし、それでも良いではないか?デジペンでフォーサーズというフォーマットが広く普及すれば、その方が「慣れたフォーマットでDSLRを導入したい」「デジペンの豆ズイコーでこれなら、E-systemのZDを一度試してみたい」とこれはこれでE-systemのサブカメラだけでなく、E-system予備軍の受け皿になるかもしれないからだ。出来れば液晶のパネルのデザインや、ボタン等の操作形態はE-systemとして統一させ、「何気なく、洗脳してしまう、移行時に違和感なくE-systemなら使い勝手が同じ」という仕掛けを組み入れても良いだろう。 とまあ、脱線してきたので、この辺で終える。
by Hiro_Sakae
| 2008-09-21 23:28
| four thirdsの思想
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