人気ブログランキング |
2008年 11月 27日
【特許関係】久々に来た!大いに興味をそそられる特許
  ぶっちゃけ、E-3登場以降は今年初めに、位相差AF(フォーサーズ)でのEVF機の一連の特許が公開されて以降、それまでここの特許関係で紹介していたような、ぶれ補正機構、新型AFセンサー、或いはフォーサーズの弟分的な特許が次々と実現したせいか、これらのようなわくわくするものが無かった。一服感が漂っていたものだ。(尤も公開されるまでタイムラグがある)先月当たりからまたぽつぽつ出ていたが、今回非常に意味深長なものが出た。Live-MOS絡みが一段落した後、久しぶりの新型撮像素子の特許だ。しかも、パナソニックではない。



【公開番号】 特許公開2008-288404
【公開日】 平成20年11月27日(2008.11.27)
【発明の名称】 光電変換膜積層型固体撮像素子

本題に入る前に、この光電変換膜積層型固体撮像素子とは何?というのをみてみよう。代表的なものとしては、2006年2月に日経他でも紹介された、富士フィルムの有機光電変換膜の撮像素子を例に挙げよう。

仕組みに関しては、この富士のペーパーがわかりやすいので引用しておく。これだ。つまり、上から青、緑、赤それぞれの光に反応し後の光は素通しする光電変換膜を使い、ベイヤー配列の様に1画素一色でなく、1画素で3色すべて受光するもの。正にネガフィルムをそのままデジタル化したようなものだ。

引用の富士のペーパーにあるように、現状のベイヤー配列では3原色の内1色しか色を通さないため、その段階で2/3の光を捨てている。加えて諸配線等のロスも重なり、色フィルターを通った中で受光されるのはさらに1/2程度とのこと。すなわち、1/3×1/2=1/6程度の光しか有効利用されていない。これが結局、ネガフィルム比ダイナミックレンジ他及ばない原因のようだ。

従って、先日ここで書いたフルサイズとフォーサーズの撮像素子の大きさから来る集光等も、もし三原色を捨てずに拾ってベイヤー比3倍、配線等のロスが無くなりとなると、4倍の面積差を突破してしまう可能性もあるという話だ。尤も、引用ペーパーの通り富士フイルムはこれの開発に着手し、当時初めて単層(グリーンに反応)での実験に成功し、当時の日経記事によれば3,4年を目処に実用化と書いてあったものである。

---------------------

さて、オリンパスの特許であるが、このタイプの撮像素子は上記の引用記事の通り、3層に重ねると、3層それぞれの下部に信号を通すために、図では黒く書かれている部分が必要になる。単層なら問題ないが、このままでは、下の層に行くほどこの線がじゃまになり受光部が小さくなると言う欠点がある。かといって、これを1画素単位で画素の横に出してしまうと、結局そこの部分はこの線のみの配置となり画素と画素の間に受光しない部分のロスが出てしまう。

それで、オリンパスの特許では、この三層重ねでの撮像素子でも上の層から下の層まで均一に受光出来るようにした上で、各受光部に集光されないロスも省く仕組みを特許にしたものである。具体的なやり方について興味がある人は原典を当たって頂きたい。

「そうか、こういうタイプの撮像素子で三層化した場合の問題点を解決する特許はわかった。しかし、問題のその撮像素子はどうするんだい?」

というところだ。勿論そこがミソである。

-----------------------

このタイプの考え方自体は富士が考える前からもあったが、こういったデジカメに応用出来る撮像素子で(単層とはいえ)実用化したのは富士フィルムである。だから、今回の仕組みを説明するために上記記事を引用した、、、、だけではないのである。

実は、この特許で改善を仕様とした元の撮像素子、元の特許というものがある。
今回オリンパスがこの特許で改良を加えようとしている撮像素子の従来特許はこれ、

【特許文献1】特開2005-353626号公報
【特許文献2】特開2006-49873号公報

すなわち、これが上に紹介した有機光電変換膜を使った富士の撮像素子の特許そのものなのだ。

2006年から当時実用化を目指した3年後とは、早いもので来年である。そして単層化に成功した後の3層化によるデジカメ用カラー撮像素子を作る上での特許技術に関し、オリンパスが改良特許を出している。上で詳細を省いたが富士がやろうとした解決策よりもオリンパスの方がずいぶんと洗練されている。ちなみに、このオリ特許の出願日は平成19年5月18日(2007.5.18)

-----------------

妄想したくなる展開ではないだろうか?(笑)フォトキナでのDpreviewのインタビューでフォーサーズにおけるパナソニック以外の撮像素子のオプションを捨てていないことを示唆した寺田氏の発言などを思い出した。少なくとも、それがカメラ用か何かは定かではないが、富士のこの撮像素子の三層化の技術に関して、オリンパスが某か研究をしていた(研究をしている?)事はうかがい知れるからだ。MOS型撮像素子も結局、パナとの(当初)共同のLive-MOSとして出てきたように、これも当初富士の実用化リリースの予定時期と重ね合わせるとひょっとすると、ひょっとするのかと思いたくなる内容である。

まあ、こう言うのはどうなるかわからないが、もしこれが出てきてフォーサーズに搭載されるような事があれば、、、フォーサーズにとっては強力な武器になるだろう。

by Hiro_Sakae | 2008-11-27 23:12 | オリ特許関係


<< 【特許関係】そして、E-3型A...      E-3もようやく1年そして、E... >>