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2009年 03月 20日
E-620をさわってみて
  スペック的なことは、種種のネットでもっと客観的なデータも出ているし、今後も出てくると思うので主観的なところであれこれと書いてみたい。




 色々な機能や、一部電子水準器は省かれているもののE-30と遜色ない設定画面をいじりながらオリはどう考えているのかは別にしても、このE-620が実質E-520の後継になるのだなと言う気がした。裏側が見て液晶を取った時バージョンを作ったとするとこれはもう限りなくというかほぼE-420と同じボディが即座に出来上がる。最近、ネット上で噂されているE-420後継機というものがE-620の可動液晶レスですぐ出来上がりそうな感じがするのに比して、このE-620とE-620の可動液晶レス機との間にもう一つボディが必要なのか?と素朴に思ったからだ。尤も、このまま引き続き併売されるとかそういうのはあるだろうがE-520後継機があるか、、と思うと何か差別的な機能が無い限り無いような気がしたからだ。

 下の記事に少し書いたけれど、実際持ち出す際の撮影周りのセッティング、それは例えばAEL時の測光パターンの選択であるとか、S-AF,C-AF時の挙動設定等従来からあるものは全て同じであるし、加えてE-30から加わった露出基準補正も搭載されているので、E-30と全て同じ設定をそのまま再現出来る。

 ちなみに、私はE-30共々露出基準値補正はパターン測光では1/6EVマイナスとして、中央重点測光では補正0としている。デフォルトはこのパターン測光で、AELを押した時には中央重点測光に切り替わると言う形だ。ISOは結局200始まりのオートで使っている。E-420以降白飛びが改善された事に加えてE-30以降の新型Live-MOSのISO200からのオートでは更に白が粘るようになった。これにパターン測光の基準値を1/6アンダーにすることにより、白飛びに関しては従来より格段に「神経質にならずに済む」様になったからだ。またこの1/6は気持ちアンダーになる感じだ。AELで中央重点測光の場合は勘露出補正が大体決まっているので、この基準値はいじらずニュートラルのままにしているという感じである。

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 シャッター音は、E-420の金属音的な部分が若干マイルドになった感じ。後、光学ファインダーはやや大きくはなったが、この点はE-3桁機のレベルを超えてきたというわけではない。E-30以上のプリズム機とはやはり差があると言えるだろう。正直、ここまでその他の部分のスペックが上がり倍率もE-1並まで稼げるようになったわけであるから、もしE-4xx,5xx,6xxと3ライン作るのであれば、これをE-5xxとして、このスペックでファインダーをプリズム化し、防塵防滴にしたらその分お値段が上がっても買う人はいるんじゃないかと思った。それぐらい良い感じである。逆説的に言えば、E-3桁機でこの小ささにこれだけの性能と考えると後当面改良を要するのは光学ファインダーぐらいしか見あたらない。

 新型機構という意味では、7点のAFセンサーもやはり従来の3点ものよりはスピードが上がっている。気になった両端二点も問題なく使えている。AFの測距点移動では、十字ボタンも使えるが、7点の内5点は横一列並ぶ(上下は中央のみ)ので、AFボタンをおして横移動はダイヤルでくるくるやった方が早かった。上下の時だけAFボタンを使うという併用である。

 そして、個人的に一番良かったのはこの大きさのボディに詰め込んでくれた可動液晶によるライブビューである。上記のようにもしE-420後継が出れば一番の違いはこの可動液晶の有無であると思われるのでこれについて少し書きたい。

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 私の結論は、可動液晶を使いこなすのであればうちのE-3,30,6203機種の中でこれが一番使いやすいということだ。

 先ず、立て付けの部分であるがE-3ではこの可動液晶の脆弱性が一部指摘され、特に可動液晶部の根元部分の軸の太さや上下の合わせに関して、E-30では明らかに改善補強されていることをE-30入手時に指摘した。そして、E-620においては、軸受部の補強はE-30と同じである一方で、液晶をかぱっと開く部分の上下の合わせの部分は更に改善された上に、液晶下部側面にも新たにビス止めによる補強が追加されている。これに加えてE-3→E-30→E-620と可動液晶部自体の厚みも段々薄く軽くなってきているため、総合的な耐性は格段に上がっているものと思える。

 (あまりしたくないのだが)、可動液晶を引き出して上下にちからをかけて遊びというか強度を試してみても改善されているのがわかる。加えてE-3では液晶を引き出す時のクリック感が強い=引き出す時にかなりの力を加えるところがE-30そして、E-620ときちんとクリック感はあるものの軽い力で引き出せるようになっており、この辺も可動液晶を多用する場合の耐久性としてはかなりの改善ではと見た。要するに可動液晶部分の軽量化や、耐久性もE-3以降世代を重ねた結果かなりの改善が見られる。

 加えて、液晶ビューでの泣き所の一つである写りこみや明るいところでの見にくさといったものはE-30でもE-3対比かなり改善されたが、E-620では更に改善された。どこかのネットのレビューにもあったが晴れたところでもいわゆる「手をかざして見ないといけない」シチュエーションが格段に軽減された。今回私が一番気に入った点である。可動液晶の利用の利点は視点がアイポイントの様に固定されず様々なアングルが選べることに加えて、コンデジのように液晶によるフレーミングで手を伸ばしたスタイルにせずに済むことである。

 液晶ビューでのフォーカシングでは目の前に持ってくると近すぎてよく見えないし、かといって手を伸ばすと不安定になる。ここがE-420ではあまりライブビューを使わなかった理由だが、可動液晶の場合は前に手を伸ばすのでなく、腕を沸きに付けて胸の前や、ウエストレベルで構えて撮るというのが可能になる。(液晶を斜め上に向ければ良い)これで、液晶ビューでも腕を伸ばさずにフォーカシングが出来る一方で液晶は斜めとはいえ上を向く頻度が上がる→写り込み等が起こりやすくなる→使いにくいと言う部分がこれまた悩ましいところであったのだが、この残されていたマイナス面が大幅に改善された。

 更に、ここが改善されてくるとE-30対比においてはそもそものボディの小型軽量が非常にこの液晶ビュー時には使いやすさとして跳ね返ってくる。特にウエストレベルで構えるとボディが安定するほか目からの距離も程よく、加えて右手は親指レリーズにすると非常に押しやすくて安定したホールディングが得られる。一度是非試して頂きたい。こつは、上から見るとばかりに液晶を真横に出してしまうと左手がじゃまなので(笑)引き出して、少し内側に曲げるなど調整すると良い感じになる。

 まあ、ここまでならL10やG1などと同じなのだろうが、とどめはやはりこの取り回しの良い大きさで可動液晶で、ぶれ補正が使えるというところだろう。特にウエストレベル等の安定したホールディングにとらわれずフリーであれこれ構える時にはどうしてもアイポイント対比不安定なホールディングになるためこのぶれ補正がレンズを問わず使えるのはありがたい。と言うわけで、殊可動液晶に関してはうちのE-3,30,G1と比較しても実際の使い勝手という意味では好印象であった。

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 可動液晶利用で、やはりオリに唯一言いたいとなればコントラストAF非対応レンズの挙動にたいするものだ。現行機は非対応レンズでAFをすると半押し状態で大体の所までコントラストAFでピントを合わせた後全押しで位相差AFを行う。これだとばたばたする上に位相差AFの時点で最悪迷ったりするので実際使い勝手は悪い。

 従って、もう最初からMFで使うか、もしくは5倍、10倍拡大を使ったMF拡大機能を使って最後までコントラストAFで合わせる裏技しかない。これはこれで良いが多少かったるい部分もある。

 ここに関してだけ言えば、G1に似た形式と言おうか、非対応レンズでコントラストAFの11点ポイントを選択し、半押しでアバウトにあった段階でフォーカシングリングを回せば自動的に選んだポイントが拡大されてMFで詰めると言った選択肢を用意してもらえないだろうかと思う。

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 とまあ、こんなところだ。尤も可動液晶などかったるいこと言わない、もしくはE-3桁機の利用用途として小型軽量でびしっと決める、かっこよさ第一とかであれば、恐らくこれの可動液晶がとれてグリップを若干いじれば、正真正銘ぶれ補正付きE-420が出来上がるだろう。勿論アートフィルターやAFセンサー含め中身は一新されたうえでである。恐らくラインナップ的にもE-620より更に廉価にはなると思うのでこれはこれで、E-420&520コンビのようにそれぞれの用途に応じて良いコンビになるような気がする。

 後は、オリのマイクロ機がEVFレスで来るなら、ここの男前一眼で提案した単に上がちょうつがいになっていて、ぱたっと上がるだけの簡易なものでも良いから液晶を可動にしてもらえるとありがたいなと思った。


 

by Hiro_Sakae | 2009-03-20 20:24 | E-4xx,6xx関係


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