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2009年 05月 17日
マイクロが「Penのフィロソフィー」なら、フォーサーズは、
特に第二章立ち上げの頃からOMと言う言葉が、オリの関係者の発言からも出る。まあ順当に考えても対比としてそうだろう。今回使われた「フィロソフィー」という言葉はPen,OMの設計者である米谷氏も講演で好んで使われた言葉でもある。
小型軽量化をキーワードに括られてしまうPen,OMにそれぞれどんなフィロソフィーを込めたのか?あるいは、PenFからOMに移行する際にOMに何を新たに付与したのだろうか?
オリのマイクロ機のリリースが1ヶ月を切った今、マイクロとフォーサーズの今後の展開、あるいは違いを考える上ででそのオリジン?となるPen、OMにおける小型軽量化を目指した中にも見える違いを考察してみたい。そこになにがしかのヒント?が隠されていると思うからである。




Pen,あるいはOMに対する米谷氏の発言となると、オリのHPやさまざまなOM、オリ関連のムック本でのインタビュー記事等がある。また、米谷氏の親分?とも言える桜井氏の著作も大いに参考になる。

今回は、それらの中でもここでも何度か引用した朝日ソノラマの現代カメラ新書別冊「オリンパスのすべて」から探ってみたい。1976年11月初版のものである。(以下「 」括りは特に断りが無ければ同書からの引用)

1.Penのフィロソフィーについて
Penの時代を語るにはやはりこの本でも桜井氏の記述が有効だ。丁度50年前の今頃発表されたPenがアサヒカメラのニューフェース診断室に登場するにあたり、オリンパスがPenの精神として述べたのは以下の通りだ。すなわち、ここでも何度か引用したとおり
・万人が気楽に持ち歩き得る大きさ、重さ、形で、
・万人が気楽にレリーズボタンを押せて、
・万人が気楽にすべてのものを記録し、
・また写真の楽しめるカメラ
とある。当時はカメラ自体が一般の人には高価で敷居が高かったので、これを現代に置き換えるとすれば「カメラ」を「一眼レフもしくは、一眼」にということだろう。

上記の思想の下に開発をした米谷氏がPenに込めた機能、狙いという観点から見ると先ずPenの狙ったものとして氏は、
・一つは、ライカ等メインシステムのサブカメラとしてのペン
・誰でも使える初心者用としてのペン
の二つを考案し、前者に対してPen,同S、D等の系統を、そして後者としてEEシリーズを作った。そして前者の最終形と思われるものが一眼レフのPenFとも言える。

PenFは、設計上、ペンタプリズムを廃し出っ張りが無くなったこともあり、そのまとめ方に関しては「35ミリ一眼レフでは求めることのできなかった、(中略)使いやすい、新鮮で単純明快なフォルム」を求めた。また大きさも、使いにくくなるぎりぎりの小ささを考え、軽量小型化という「希望とメカニズムの調和から生まれた」とある。

概ね、一般的にPenに抱くイメージと重なる。そしてペン開発当時にペンに込められた二つの路線は、今回のマイクロフォーサーズの想定する、既存DSLR層、ハイアマ層のサブカメラニーズと、DSLR予備軍を取り込むという路線に重なる。

2.PenFに対するOMの違いとは、、

同書では、米谷氏がPenの事に触れた後、「オリンパスペンFからのステップアップ」としてOMへ話を進めていく。

既によく知られているように、OMの開発においては当時の35ミリ一眼レフの「重い」「大きい」「シャッター音が大きい」の三悪をなくす事が大きな目標になっている。「いうなれば、写真は足で写すものだ」と自ら撮影者としての経験からシステム全体の小型軽量化を重視する氏の考えはPenFの時と何ら変わらない。

しかしながら、氏はまた同時にカメラにはそれぞれ特徴があり目的によってそれを選ぶとした上で、その中でも(当時の)35ミリカメラは「機動性があり、物理的大きさが適当」であると言っている。
この「大きさが適当」には文脈から二つの意味がある。
一つは、
「超広角から、超望遠レンズなども作りやすく使いやすく出来る」というシステムの拡張性を考えた場合に適当な大きさがあること。
もう一つは、
これらの優れたシステムを使いこなす手や指の操作性の確保において適当な大きさを確保すべきと言うことであり、この適度の大きさに対して当時の一眼レフは大きく重くなりすぎたと言っている。

そして、米谷氏はOMの基本理念として
「35ミリ一眼レフに機動性を持たせること」
「高性能ユニット群等を(中略)駆使出来るだけの能力をもった本格的システムカメラに仕立てること」
の二つをあげている。

また、小型軽量化に対しては、氏は次のようにも述べている。
「けっして小型化することだけが目的ではない。使いやすくすれば結果として小型になるのである。もし小型化することによって使いにくくなったのではそれこそ無意味な努力になってしまう。」
つまり、小型化は35ミリ一眼レフの機動性を確保するための小型化であって、やみくもな小型化ではない。小型化はしても、「宇宙からバクテリアまであらゆる被写体を写し止められる本格的システムカメラ」としての操作性、堅牢性は譲ってはいけないことだ。

3.つまるところ、OMに課されPenFに無いものと言えば、

戻って、当時これの開発のゴーサインを出した桜井氏の下記の記述に集約されるだろう。すなわち、
「・・・立派に育てた設計者とこれを助けた技術陣の努力も見事だが、同時に、このOMシステムの構成はオリンパスが顕微鏡をはじめとする光学機械の綜合メーカーなればこその所産といえるであろう」

つまり、もしOMとPenFを分けるものがあるとしたら、OMシステムにはカメラにおいて、オリンパスの技術を知らしめる役割がはっきりと認識されていたと言うことだ。従って、機動性の確保(小型軽量化)が大事とは言え、そこにはシステムとしての拡張性や性能まで犠牲にするわけにはいかない、あるいは拡張性や性能をより拡大するための機動性(小型軽量)の確保であると言えよう。

4.これをフォーサーズに当てはめると、、

フォーサーズ自体は、立ち上げ当初からこのOMを含む35ミリ一眼レフのデジタル版を目指して作られた。従って、E-systemも、もしOMの実質の継承となるならそのフォルム云々以前に、あくまでオリのデジカメの中で最高位を占めるシステム、あるいはその時々のカメラにおけるオリの(現在で言えば)オプトデジタル技術を知らしめる役割を担うと言う立ち位置をはずすわけにはいかないだろう。

さて、
フォーサーズという35ミリ対比小さい撮像素子を採用したメリットを生かすには二つの考えがあると思う。一つは、この小さい撮像素子とデジタル専用設計をとことん追求して徹底的な小型軽量化を目指す方向だ。これは言うまでもなく今マイクロフォーサーズが目指しているところだ。そしてこれはPen(PenF)のフィロソフィーにも合致するものだ。

もう一つは、あくまで35ミリ一眼レフの代替として一眼レフに許容されている大きさを許容してあげることにより、小さい撮像素子+付随するユニット(ミラー、シャッター等)の為に浮いてくるスペース、余力にありったけの機能をつぎ込んで、更に高性能、高機能なカメラ、あるいはそのカメラを活かすレンズ、システムを構築していく考え方だ。OMで言えば、機動性確保は譲れないものとしても、システムの拡張性や使い勝手に制限が出るような小型化はせず、むしろそれであればより性能を追求するというものである。

E-systemが、マイクロ登場後もフラッグシップ機を冠するメインシステムとして続ける意味となると、立ち位置は自ずと後者になるはずだと思う。

5.そして、それが可能となるには、、

私は二つの前提が必要になると思う。

一つはオリンパス側が、浮いてくるスペースや余力を埋めるだけのもの、E-systemを更に高機能、高性能化する為の技術開発や、ネタを持っているか?それ以前にそれをやっていこうという意志があるのかというところだ。これだけは外野から想像するしかないのだが、特許からかいま見えるものやそもそも、マイクロの後もフォーサーズをやめないという事に意味を見いだすとすれば、恐らくオリンパス(もしくは、E-systemの開発陣)は色々ネタを仕込んでくれていると思う。

もう一つは、他ならぬユーザー自身だろう。
先の文章でいけば、E-systemの性能や、将来性に期待をして現行のE-3~E-620程度のボディやレンズ群をフラグシップシステムとしての性能、機能追求のために許容出来るのか?と言うことになるかと思う。
「そもそも小さい撮像素子で大きい撮像素子のAPSボディとかと一緒なんてナンセンスだろう」
「え、同じボディの大きさやレンズ重いなら、別にAPSとかフルサイズだけあればいいじゃん」
「っつーか、そもそもフォーサーズってそもそもサブとしてしか価値を見いだしていないし、、」
と言うユーザーがE-systemユーザーの総意であればそもそも、いらないという話になってしまうからだ。(笑)

6.最後に私は、、と言うと

そもそも、E-300を買ったのはOMをやめてE-systemを導入したわけで、PenFの代替で入れたわけでもない。従って、最初からポケットに入るレンズ交換式カメラの理想を求めてE-systemを入れたのでないし、それを望んでいたわけでもない。(大体、当時のフォーサーズの説明も一眼レフの代替であったし、、)

極論すれば、OM(=当時の私のメインシステム)を今も使っていてもしオリにマイクロフォーサーズしか無かったとしたら、Zuiko好きとして入れたかもしれないが、OM(=メインシステム)の代替はマイクロでなく、他社のDSLRシステムを入れていたと思う。

正直、あくまでPenの立ち位置は、今の私にとってそれはD-LUX4やせいぜいE-420+パンケーキであって、それの代替としてのマイクロフォーサーズには興味が沸くが、E-3,30にZD松、竹を繰り出して撮影する際の代替としてはあまり興味がないと言うのが正直なところだ。そもそもカバーする範囲が違うという認識である。

D700を入れて、フルサイズとフォーサーズのフォーマットによる違いという意味では一長一短で文字通り「特徴・差異」としての違いしかあまり感じなかった一方で、ボディ性能(AF,使い勝手、フォーマットでなくニコンとオリの違い)による差異ではAF一眼の機能の消化具合でニコンにまだまだ一日の長があると感じた。従って、オリファンには怒られるかもしれないが、こちらの補強?としては、フォーマット云々固いこと言わずにレンズ買う代わりに半分テレコン代わりにDXの中古でも入れようかなどと節操のないことも考えたりしている。

とまあ、この流れで書くとどんどんいつもの与太系にいきそうになるのでこの辺で終えることにする。

by Hiro_Sakae | 2009-05-17 22:06 | four thirdsの思想


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