2009年 05月 23日
「一番小さい高級機」って、これはオリでやって欲しかったなあ。
「『一番小さい高級機』を念頭に開発した。伝統的に製品の小型化が得意、、、」と開発者が語る。日経産業新聞の5月22日付の「新製品物語」の記事。もちろん、これはE-systemではなく、最近発表されたペンタックスのK-7のことだ。




価格コムでは、E-3の板でK-7の事が話題に上がっている。私はE-3はあくまでE-systemの一桁機として特に松、竹レンズを主体とした利用や、今後新しい技術を搭載していったりしていくフロントエンドとしての立ち位置を考えれば、少しK-7が求めたものと違うような気がする。恐らく、K-7にE-3と同じ様な可変アングル液晶までの全部載せをし、防塵防滴もE-3の様なレベルまで作り込んでしまえばかなり違ったものになると思う。

K-7の秀逸なのは、まず小型を詰めた上に金属ボディ、防塵防滴、100%視野率のファインダー、などミドルクラス以上にしか搭載されない機能を普及型並の小型サイズに収めたパッケージング、企画のうまさにあると思う。

記事によれば、昨年HOYAのCOOに就任した浜田氏。氏はデルの日本法人の社長を務めた経歴を持ち、就任と同時にペンタックス開発陣に「2009年以降の新製品のロードマップをゼロから見直せ」と指示したとのことだ。出てきたキーワードとしては、伝統的に得意な製品の小型化や、アウトドアの強さ。そして、デジタル一眼でのペンタックスの方向性は、他の大手対比事業規模の小ささを活かしとんがった独自の領域を作り、これでポジションを築くというものだ。また、ペンタックスの事業部長には元三洋電機でデジカメ部門にいた井植敏彰氏を就けるなど人心も一新している。

ペンタックスがHOYAに吸収された時には、巷間HOYAは医療事業部門以外はあまり興味が無くカメラ部門は縮小の一途をたどるのではないかというのが専らの見方であった。しかし、上記のCOO等のトップの交替の影響か、はたまたもう一度ゼロから見直した結果、Pentaxの持つカメラブランドの評価が変わったのかは定かではないが、PentaxはPentaxのやり方でカメラを残していくために本格的に反攻を開始する気がする。恐らく、一時は無期限延期の様になっていたデジタルの645の開発が今年に入り再び本格化したのもこの線に沿ったものだろう。記事によれば、このK-7はペンタックスにとって、「入魂の勝負球」であり、「入魂のK-7には反攻の先兵というミッションが課せられている」とある。

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一眼の世界で生き残っていくためには、二強以外は何らかの独自色を出していかないといけないのはオリンパスとて同じだ。特に、不景気でパイ自体の伸びが鈍化、もしくは減少する中にあっては勢い、台数維持となればパイの食い合いになる。それはそれで厳しいが、見方を変えれば独自色を出し、固定層をつかみ台数を維持出来れば、必然的にシェアが上がる。ここで、何とか踏ん張りそれぞれの得意分野を持ちたいというのはお互い一緒だ。勝負球という意味では、オリも来月マイクロ機を繰り出すということになる。

一方で、マイクロも含めた一眼という世界で見るとパナのG1,GH1の大躍進を入れたとしてもまだレフレス一眼のシェアはDSLRに対してマイナーな存在と言える。数年先は別にしてもそこに至る間を考えればマイクロを一生懸命やってシェアを取ったはいいものの、フォーサーズのシェア(少ないといっても、ペンタックスよりは上である。日経の別記事によればオリが40万台に対してペンタックスが30万オーバーといったところ。)を全て失ってしまったと言うのでは元も子もない話である。

マイクロの立ち位置等からいって、いずれフォーサーズよりマイクロの方が台数が逆転するはずだし、そうならないと困るのだが、フォーサーズも現状程度のシェアは確保していかないとマイクロを拡張した意味が薄れると思うからである。

となると、やはりフォーサーズのDSLRのラインナップにこそこの「小型だけど高級機」というコンセプトの機種が欲しかったなというのが正直な気持ちだ。

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K-7は厚みはあるものの、縦横はE-620とほぼ同じである。
従って、もしE-3とE-620の間に、
E-620とほぼ同等か精々E-520程度の筐体で、E-30並のファインダーやAF性能を持ち、E-3よりはややディチューンしているものの一応防塵防滴に配慮された金属ボディの中型機があればと言う事である。

もしくは、E-3,E-30,E-620と性能の順に小さくなると言う単線のような単純な配置でなく、
E-xベースでの上位版E-xPro(現行E-3),普及版E-x(現行だとE-30の様な立ち位置)
E-xxxベースでの上位版E-xxxPro(新設、K-7対抗),普及版E-xxx(現行だとE-620)
と言う形だ。

小型軽量や、アウトドアでの堅牢性と言ったものはオリンパスのE-systemも得意とするところである。また小型軽量はマイクロがぐーんと拡張してくれると思うが一方で、従来のDSLR、光学ファインダーがありながら小型ボディ、だけど高級感や堅牢性に優れたものも欲しいというニーズもあるはずである。実際、E-3の堅牢性に価値を見いだしメインシステムとして活用しているユーザーがその(ニーズを満たす)小型なサブボディとなると、無い。こういう人には、E-30よりも、E-620のPro仕様があったほうが好ましいと思う。

一方で、堅牢性をそこまで必要としないがE-620では食い足りなかったり、松、竹レンズの運用に小さいという人には、E-3のスタンダード版でよりリーズナブルに楽しめるというのもありだ。要はフォーサーズの小型軽量による差異(E-xとE-xxx)と堅牢性の差異(Pro版、スタンダード版)のマトリックスで4タイプを揃えれば、このフォーサーズの得意とする分野の軽重に合わせてニーズをうまく押さえられることになる。これに、レンズの松、竹、梅を組み合わせれば、最適解がでるはずだ。

最後に、K-7が出してきた、普及型並に小さいんだけど高級機というコンセプト自体はここでもフォーサーズとして出して欲しいということで読者の方のコメントを含めたびたび出ていた事であり、ユーザーの多くが他社対比、恐らく小型軽量ということに価値を見いだしている割合が多いと想像が付くだけにあっさりやられてしまった感を感じてしまう。(苦笑)

4-3rumoursなどをみると、この秋にE-3のE-30版とも言えるマイナーチェンジがあるようでこれで一応第二章でのさまざまな改良がE-3からまた一巡して戻って一区切りといったところだろう。メジャーチェンジは今年度はマイクロの立ち上げにオリも注力するはずであろうから、フォーサーズが次のステップへ進む時のラインナップの組立にはやはりこういう小型のラインにも高級機というのを検討して欲しいものだ。
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by Hiro_Sakae | 2009-05-23 21:12 | 未発表機種/他社動向


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