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2009年 05月 31日
【特許関係】二つの糸が一つになるか?新型撮像素子特許
  去年の11月に、オリンパスが何故か富士フイルムが2006年に「3年後を目処に実用化を目指す」と発表した新型撮像素子(フォビオンの欠点をつぶした積層型の新型撮像素子)の改良特許を出した。ここでも、紹介記事を書いたので覚えておられる方もいるだろう。これである。そして、今回このオリ特許の出願に約半年ずれる形で出された富士フイルムの特許が公開された。




【公開番号】 特許公開2009-105316
【公開日】 平成21年5月14日(2009.5.14)
【発明の名称】 固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法

ここでいう固体撮像素子は、富士の例の新型撮像素子そのものである。

オリの特許では従来の富士フイルム(やそれ以前のもの)のRGBを三層重ねるタイプの撮像素子では各層の信号線を下部に引っ張る過程の中で下の層の色ほど受光部が狭くなるなどの弊害がありこれを各層でそれぞれ信号を横出し?してしまうような新構造を提案するものであった。(詳細は元記事から原典をあたっていただきたい。)

今回の富士フイルムの特許は、この新型撮像素子の簡便な製造方法に関するもの。細かなところは違うが、
オリと同様に信号線を下部に引っ張るのでなく各層で処理することに加え、これらの受光部以外を各画素のエッジにまとめて受光部を確保する等の基本部分は同じである。

富士フイルム自体は新聞発表時にまとめて特許を出願したものが公開されていこうは、ハニカムや昨今ソニーでも有名になった裏面照射型の撮像素子特許は公開されていく一方でこの三層型に関する特許はスイープ状態の感があったが、ここにきて久しぶりに関連のものが公開された感じである。

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ちなみに、積層、撮像素子、等で検索してもらえるとわかるが現在のこの積層三層型の撮像素子の特許には大きく二つの流れがあり、古いのはオリンパス光学(当時)と日本放送協会の共同開発である動画撮影用に考案されたもの、そして海外ものではフォベオン、そしてフォベオンの改良形とも言える富士の新型撮像素子である。(理論的、構造的なものであれば、キヤノン等その他の会社の名前も見られるが、、)

今回の特許、そして11月に唐突?に出てきたオリの特許を見ていて興味深いのはそれぞれ従来の技術として参照している特許の遷移である。

まず、オリンパス特許の方は先般の記事に触れたように先行する技術として、
特開2005-353626号
特開2006-49873号
を上げている。これは、富士フイルムの目指している新型撮像素子そのものの根っこの特許である。実際オリの特許も製造方法と言うより、仕組み的な色彩が濃い。

そして、今回の製造方法に触れた富士フイルムの特許の先行する技術としては
特開2002-502120
特開2002-83946
を上げている。前者は海外特許でユニアックスという米国の会社。そして下段がこの特許でも主に触れていてこれが日本放送協会の特許である。

ちなみに、オリ特許が参照した富士フイルムの2006-49873の新型撮像素子特許自体もこの特開2002-83946の日本放送協会の特許を参照している。日本放送協会のこの特許はNHK型とも言える動画撮影用のRGB三層の新型撮像素子の構造及び製造方法に踏みこんだ特許である。

そして、この日本放送協会の新型撮像素子のルーツは、出願平11-178413を経て同平7-25804号特許(及びその関連)にたどり着くことが出来る。これが「積層型固体撮像装置」と名付けられた日本放送協会と、オリンパス光学工業の共同出願特許というわけだ。

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方や、主に医療等学術用等の高精細動画撮影を念頭に置かれたオリンパス-日本放送協会の撮像素子、方やフォビオン他先行するメーカーの更に上を行き奥行きのあるフィルムと同等の静止画の再現を目指した富士の撮像素子、有機材料、そしてRGB三層構造という目指す方向が一つに重なっていくようにも思える。

そして、これが実現すれば現行の撮像素子の1画素一色でなく掛け値なしの1画素で三色の受光、そしてこれから来る現行撮像素子の三倍以上の受光効率が実現するわけである。この手の特許を書く時に何度でも書くがこれこそがフォーサーズが待ち望んでいる撮像素子である。そして、妄想させてもらえればそのルーツの一端がNHKも絡む動画撮影用であったことを考えればKodakのKAFの様な静止画専用という制限もない。

さらに、妄想をふくらましたくなるのが富士の当時の新聞発表の2009年移行には実用化の時期にそろそろさしかかっていると言うことだろう。

ちなみに、この撮像素子を実際に作るのはどこか?と言うところだ。富士フイルムに決まっているじゃんと思う人もいるかもしれないが、富士は現在は撮像素子に関してはアセンブリの後工程のみで撮像素子自体の生産は平成19年から東芝に生産を全面委託している。参考にリリース記事はここ

「オリンパスと、富士フイルムが共同開発して生産を東芝に委託」という組み合わせでピン!と来た人はいるだろうか?そう、色々ここでも問題にしているxDピクチャーカード、更にその全身のスマメは正にこの組み合わせで始まったものである。つまり、この3社ならビジネスでつながるトライアングルは既にあるということだ。

勿論、現状のオリンパスや富士フイルムを見ている限りこういう嬉しくなるような動きを感じさせるものは皆目無い(笑)妄想も激しいところであるが、E-systemの起死回生?と言う意味ではもしこれが実現化すればマイクロ並みのインパクトになると思う。

by Hiro_Sakae | 2009-05-31 19:40 | オリ特許関係


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