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2005年 06月 30日
E-300で アダプター使用について
匠さんのブログで、OMアダプターを取り上げておられるが、アダプターの使用について自分が感じたことを書いてみる。併せて、ご参考にして頂ければ幸いである。



 私自身は、今までM42,OM、Exaktaマウントのレンズ群をいくつか使用してきたが露出に関して不安定であるのは否めない事実だ。これの何故にそうなるのかという理論的な実証はよくわからないが、何となく経験的につかんできたコツの様なものがある。

1.開放F値が高いレンズほど不安定である。
実際に使用する絞り値がでなく、開放F値である。開放F1.4のレンズでF4で使用するのと、開放F2.8のレンズをF4で使用するのは実絞り段階では一緒のはずではあるのだが、開放F1.4の方が、同じF値でも露出が不安定となりやすいと言う意味である。

2.一般的に、F2.8からF4の間ぐらいに露出の段差がある。
一番簡単なのは、同じ被写体を開放から判断ずつ露出を絞ってAEで撮ればよい。オーバーか、アンダーか、あるいは不規則にぶれている露出がこの辺の絞り値で安定する。F4近辺位が一番多い。安定するというのはオーバーならオーバーなりに値が一定になると言う意味だ。

上記仮説をあてはめてみると極論すると、
A.AEでしか使わない(別途露出計を使わない)となれば、絞りはどんなに開いてもF2.8
B.開放F値が暗いほど良いわけであるから、開放F2.8以上は大口径でもあまり、意味無し。
となる。

で、ここから、私がものすごく、割り切って考えている安定してくる目安(あくまでも露出において)は、
F3.5→F3.5~
F2.8→F3.5~
F2.0→F4.0~F5
F1.4→F5.6~
と言うイメージだ。F2.8より開放F値が明るくなると、明るくなる段数分、暴れる絞り値の上限も上がっていくと言う感じである。(ちなみに、F1.2は持っていなかったのでわからない)

勿論、きちんと単体露出計で測るのであれば、上記はあくまで露出安定の目安であることを忘れないで欲しい。(露出が合っていれば、性能的には問題ないものがいっぱいあるし、逆に開放F値が暗くて露出が安定してもろくでもない描写もある。)

ただ、毎度露出計、スポットメーターを持ち歩いたり、補正をするのも面倒である。

私が、結局クラシックな大口径レンズの侮りがたい描写に惹かれながらも結局実用シフトの布陣を引く時に真っ先に引退願ったのはこの辺である。

標準レンズ群であれば、先ずレンズ性能的に問題が無いレベルであるとすれば、F2.0のウルトロンや、ズイコーであれば露出面でも恐らくF1.4よりもF1.8の方が安定するのではと思う。

そんなこんだで、結局先ず、フォーサーズのCCDの大きさに耐える解像度を誇る性能のレンズで且つ、なるべく開放F値が暗いもの、加えて私の用途を考えれば、マクロレンズが残るというのは、露出の面からでも、まあそういうことかと言う感じだ。

断っておくが、こういう遊び、無駄、手間暇も、肝心の時にはZDがいるという担保の上に構築されていることだ。余芸という遊び、無駄の中での実用という意味である。

では、何で、ここまでして使うのかとなると、今までの常用としての考察を一切否定してしまうようではあるが、こういう工夫、あるいは、過去の憧れの名レンズを持ち出すという楽しみ、遊び心、イイ意味で予想が外れてあがってきたものが自分では思いもつかない画像になった時のラッキーな感じ等が、うまく撮れなくて嫌になった時とかに写真に向かおうという気持ちを続けさせてくれる良い薬になるからだ。

ZDで撮っていて、うまくいかないことが続くと、ZDは悪くないので否応なしにおまえの腕が悪いと言う現実を突きつけられるが、こういうレンズと戯れていると、悪い時はレンズのせいにして、良い時は自分の幸運を素直に喜ぶという気分転換が出来るものである。

と言うわけで、アダプターによる、レンズ遊びは、デジタルになってカメラも、撮った後の画像処理も含めてデジタル化=どんどん理詰めになっていく中に、残された数少ない不条理な世界である。
こどもの頃に、難しいこともわからずただ写真を撮り、何日かたってDPE屋さんで写真を見る時の、一喜一憂、どきどきしたり、がっかりすることがあった。そういう、純粋に不思議だなあ~と楽しめた時代を思い出させるものとして、私にとってはこれもまた、一つの楽しみとなっているわけである。

by Hiro_Sakae | 2005-06-30 00:36 | アダプター沼関係


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