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2006年 02月 11日
E-330体験講座【触ってみて編】
 最初に、今回のE-330は現在ある、E-1桁系、E-3xx系、E-5xx系にラインの中で初めて同一ラインで2台目として出てきたボディである。(その他は全てそのラインの初代)言い換えれば初めてのモデルチェンジボディといえる。私自身がE-300ユーザーなので、E-300との比較論になる部分はご容赦頂きたい。それでももし何かの参考になれば幸いである。



 E-500との比較点においてはかなりの部分が共通しているが、E-300との比較においては同一ラインでわずか1年3ヶ月のモデルチェンジでDSLRというのはこんなに変わるのかというのがフィルム時代に青春を過ごしたおじの第一の感想である。

1.ライブビューAについて
  私の家にもコンパクトデジカメはあるが、こういう液晶が動くものを使うのは恥ずかしながら初めてであった。従って今ひとつ有用さが実感として沸いてこなかったのだが、これは確かに撮影のバリエーション(撮りにくいものが撮れる、アングルの自由度等)が増えると思う。

  構え方としては、コンデジの様に手を伸ばして撮っても良いが、アイポイントで撮るのであれば逆にファインダーを使った方が撮影姿勢としては(慣れているせいもあり)安定する。インストラクターのオリンパスの社員の方とも試しながら色々構えてみたが、ウエストレベルファインダーの中判を丁度両脇を締めてホールドするように持つと思いの外安定することがわかった。

  具体的には、両手を脇に付けて液晶を上方45度ぐらいにすると丁度胸の位置当たりにカメラを構えた格好になる。そのまま上にカメラを向けても下でもカメラは安定する。このときグリップは通常通りで、シャッターボタンの上には人差し指が来る。(適度に横幅があるために両肘を固めて腕を前に出して構えても小さなコンデジとは収まりが違う。是非一度試して頂きたい)

  インストラクターの方が「これもいいですよ」と言ったのは、液晶を真上にして脇を締めた両腕を直角に前に出しベルトの前あたりにカメラが来る正にウエストレベルファインダーの形。左手は横からレンズを下の方から抱える形に近くなり、右手も横から添える形になる。従ってこのときはシャッターボタンには親指が来る。これだと一眼レフにアングルファインダーを付けて人差し指で押す様な窮屈さが無い。

  このウエストレベルで親指レリーズの形の時に、深くなった右手グリップの形状がうまく作用する。また、これは説明時に言われていたことであるが、E-300では右手グリップ裏側に配置されていたAELとAFのボタンがE-330では位置が液晶近くに移動しているのは、このウエストレベル=親指レリーズの際に誤って押してしまわない様にとの配慮であるとのことだ。

  また、思い切って、地面すれすれを狙う時もこの自然にレンズ下に来る左手を地面とか、自分の靴の上とかに載せてしまうと思い切ったアングル共に、ボディも非常に安定する。ただ液晶が動くと言うだけでなく、安定に必要な適度な重さと横幅、親指レリーズを考慮したグリップ形状の為に、中途半端に腰をかがめたりする姿勢よりもこのビューAを使った方が安定すると言うのが使ってみて初めてわかった点だ。
  従って、私の場合ファインダーでは安定する姿勢(アイポイントの高さは)普通に立つのと、立て膝でしゃがんだ時の二つであったのが、組み合わせにより、
・従来通り、普通に立ってファインダー
・バストの位置でビューA、人差し指
・立て膝、ファインダー
・ウエストレベルビューA、親指
・立て膝ウェストレベルビューA,親指
・左手添え、地面置き、ビューA、親指
とアイポイントが増える上に、そこから見上げたり等のアングル変更は液晶を動かすだけで、ボディのホールディング自体はそのままで良い形になる。

2.ライブビューBについて
  これは、MF専用であることと、問題になっているタイムラグの関係が気になっていた。タイムラグであるが、これはレリーズする時にミラーが一旦下がって、測光してまた上がって撮ると言うことで、1秒ぐらいタイムラグがあるという話だったが、実際にやってみるとレリーズしてシャッターが切れる時はカシャしゃんと音はするものの、(動体を撮るのでない限り)問題ないと思った。

  むしろこのタイムラグ云々は切れた後が問題で、「ぱこん」と言う音と共に画像がライブビュー状態に戻る=シャッターが切れてからライブビューに戻るまでの時間が、1秒はゆうにかかる形だ。ただ、よくわからないのが、このぱこっと音がして、ライブビューに戻る前にまたシャッターを切っても(いけないのかもしれないが、)ちゃんと切れて画像は撮影される点だ。この辺の仕組みは不明。従ってBの場合は、レリーズして撮影される迄のタイムラグと言うよりも、一枚撮って次のライブビュー状態に復帰するまでが連続撮影は出来ない、待たされるというところが問題かも知れない。

  MF専用で、三脚使用の厳密なフォーカシングを要求されるマクロ撮影等にと言う説明であったが、手持ちでその他の時に使っても問題なく使える。ZDでAF設定で使っていてもBに切り替えると自動的にMF設定になりフォーカシングリングが有効になる。ただ、この10倍拡大表示でのフォーカシングは本当に精密な反面、逆に繊細すぎる様な気がした。元々が750万画素で拾っているデータなので、正直パンフの作例の様なシチュエーションで花弁でフォーカシングすると、花びらの端の毛みたいなものがはっきり判別出来るので、三脚を使っていてもわずかなぶれがわかる程だ。もちろん、実際はシャッター速度の関係で手ぶれにはならないのだが。この10倍の前に3倍とか、5倍とか中間の倍率でもう少し広いゾーンを拡大出来るものがあっても良いのではと思った。

  ちなみに、拡大で無い通常のビューモードでも、Bの画面の方が緻密な感じがした。後余談であるが、AモードでMFを試みた。ボケの量はわかるがやはり2.5インチの液晶ではMFは無理だ(笑)OMズイコーレンズを使う時は、従来通りの光学ファインダーもしくは、ライブBであろう。ただ三脚を使えば、フォーカシングはBは本当に見やすい。これだけ楽なら、ミニ三脚ぐらいは持ち歩いて、ローアングルは使っても良いかなと言う気になった。

3.光学ファインダーについて
  これは、個人差のある話でもあるが、E-300のファインダーとの比較では使い勝手はそんなに変わらないと言う印象を受けた。会場は蛍光灯の室内だが、ハーフミラーに分光する分、マット面はE-300から改良を施したとのことで、フォーカシングが更にしにくくなったとか、暗くてと言う印象は無かった。少なくとも私はMF共々、これに変わったから苦労すると言う感じは無かった。安心した。

4.露出について
  E-500からの改良点。DSPしか試せず、モニターでの印象及びヒストグラム表示での推測であるが、それでもE-300の様な暴れは大きく改善されている様だ。AWBの妙な転びも無くなった感じだ。私が好きな林の中の輝度差がある場合とかE-300では、最初からDSPはあきらめて中央重点+勘補正でやっていたがこの辺は49点測光の威力だろうか。試せなかったがハイライト、シャドウコントロールと併せて、E-300との比較で魅力を感じる点である。

5.色合いの設定
  ビビッド設定で撮ったが、あまり違和感は無い。ビビッドというといかにも派手~な印象を受けるが、オリの説明では設定としては大体、ビビッド→E-300デフォルト、ノーマル→E-1デフォルト、フラット→後処理前提といった対応になっているようだ。

6.全体的な質感について
  そもそもが、E-300と同様ペンタプリズムの無い独特のデザインなのでこれを受け付けるかどうかという部分は個人の好みであるので割愛する。E-300のデザインを受け入れていると言う前提で書けば、横幅が少し縮まったことと、E-300のアルミカバーでなく全体に黒で統一されたため機械として(良い意味で)ぎゅっと詰まった感じにはまとまっている。後はボディ左横にもラバーを貼った仕上げは良い感じだ。(尤も、これは飾りと言うよりもライブビューを使っての左手のホールディングの安定という実用性からの配慮でもあるように感じた。)

  オーソドックスに黒にまとめたところ、横側面から見て前を高くして後ろになだらかに下げた部分(ペンタのカーブを見慣れたものには落ち着いた感じ)や、背面の各部へのクロームのトリミング等、オーソドックスなまとめ方をしてきた。E-500の辺で変わってきた傾向だろうか。ポロミラーによるペンタの無いデザインの様に、その機械としての機能故に変わってしまうデザインは躊躇せず機能優先で変更するが、それ以外は使いやすさ実用性中心に調和させていく、オーソドックスにまとめていうという姿勢は私は良いと思う。

 以上、ちょっと触ったぐらいではやはり大したことはわからない。(苦笑)最後に一つだけ言えば、ライブビューも含め今回のE-330へのモデルチェンジはAF周り等まだまだ発展の余地が残された部分もある。しかし、写真機のモデルチェンジする意味→単なるスペック上のモデルチェンジでなく、チェンジすることにより自分の撮影出来る領域、フロンティアがより広がる可能性、あらたなアプローチが出来る可能性→なんか、今までより違った、あるいはすげー写真がとれるかもと言うわくわく感、期待感が持てる、、、と言う意味では、意味のあるモデルチェンジであったと思う。

by Hiro_Sakae | 2006-02-11 22:04 | E,Pen-system関係


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