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2006年 03月 04日
私的PMA2006の感想 フォーサーズのオープン性拡張
何だ、かんだと言いながら今年のPMA2006も終わった。色々思うこともあるが、先ずはフォーサーズ全体として考えたことを書いてみようかとも思う。私自身の希望なりもついでに書いてみたので、何かご意見があれば幸いである。




先ずは、個々の製品もさることながら私はこのPMA2006の初日に、オリンパス、パナソニック、ライカ、そしてシグマとフォーサーズ連合で共同記者会見が催され、それぞれ具体的な製品リリースを発表したと言うことだろう。フォーサーズの構想自体が発表されたのは、2002年の秋のフォトキナ、その1年後にE-1とたった4本のレンズでスタートし、構想発表後3年と少しでようやく、フォーサーズ連合としての具体的な動きが本格化したと言うことだろうか。そして、今回の発表通りいけば、秋頃、今年のフォトキナ2006の頃には各社の実際の製品が市場に登場する形だ。2002年の構想発表から実に4年という事だ。私としては、やはりこのフォトキナでまた次のステップ、ロードマップを示しながら、フォーサーズの共同記者会見が行われ、ファンに嬉しいサプライズを提供してくれることを期待している。そして、オリファンとしてはその話題の中心にフォーサーズ連合のフラッグシップ機として、次期E-1後継機の発表がされれば最高だろう。考えてみればお膳立てとしては一番ふさわしい「晴れ舞台」かもしれない。

もうひとつ、思ったのはこのオープン規格というのがユーザーにとっても、メーカーにとっても運用次第ではそれぞれメリットがある連合体になるのではと言う気がしたことだ。
ユーザーにとっては、これは前からわかっている話であるが、レンズとボディの組み合わせの選択肢が広がる。特に、こうしてレンズもオリンパス以外のシグマやパナソニック(ライカ)が本格的に立ち上がってくると、尚更だ。

メーカー側は、今回パナソニックと、オリンパスはファインダーユニットと、センサー部分の要素技術をそれぞれ使い回しの効くユニットとした上で、それを元に各社オリジナルの発想でカメラを造り上げた。(ここでは、それぞれの機種自体は触れない)私は、今回の各種コア技術を共用しながらも、そこにメーカーの「思想」が入れば全く違ったテイスト、意味づけのカメラが成り立ちうるというのを目の当たりにして、むしろ、こういうコアな技術(デバイス)は、フォーサーズ賛同企業の中で共同開発、共用化を意識的に進めても良いのではと思った。
今回のE-330もライブビューを可能にした、二つの要因Aを可能にしたポロ光学系、Bを可能にしたLive-MOSと、光学屋と電機屋のコラボがあってこそと思うからだ。

これらは、直接フォーサーズの規格自体とは関係ないが、DSLRを構成するコア技術の共同研究化等は、開発のスピードアップや、コスト削減に繋がると思う。また、フォーサーズ各社がこの辺の情報共有と連携を図ることで、今後もし、現状のフォーサーズ規格を拡張する必要が生じた場合も、規格の思想の部分「オープン→互換性の確保」が維持しやすいと思うからだ。かつての、M42と同じ様な道はたどって欲しくない。

さて、私はかねてからこのフォーサーズ規格のデジタルカメラとしてのハードの部分を規定した部分を評価するのと同様に、この規格の思想の部分「オープン」も評価している。そして、今後これを周辺機器や、ソフト等直接フォーサーズ規格とは関係ない部分まで拡げて欲しいと思うのである。各社のカメラ、レンズの個性を失わない部分での共有化はメーカー側も、ユーザー側もメリットがあると思うからである。

個性を失わない部分での共有化でお互いメリットがある部分?私が考えたのは以下の様なものだ。

1.電源、電池、充電機器の共有化
今回パナL-1がE-330がベースであるために、幸運にもオリのかまぼこバッテリーが付いている。当然そうなるとライカのバッテリーもかまぼこだ。と言うことは仮にこの3台を連れ出してもバッテリーは使い回せる形になる。フォーサーズ同士で使い回せると買っては見たがそれぞれバッテリーを持ち歩くというのは不便であるし、非効率である。今回はたまたま、共通になっただけかもしれないが、今後もフォーサーズのカメラは共通のバッテリーで使い回せると言う風にしてもらえるとユーザー側もありがたい。メーカー側も別に充電池や、充電器は各社あれこれ考えずとも例えば、この辺りはパナさんがフォーサーズ企業の分を一手に引き受けるとか効率化すればメリットが出てくるのでは無いだろうか?(各社ロゴを変えても良いし、何ならフォーサーズブランドという共通の周辺機器ブランドを作ってしまっても良い)

また、将来的には、2年後を目処にオリが開発中である燃料電池等についても出来ればフォーサーズ各社で使い回せる様にすれば良いのではと思う。

2.メディアカード互換性の問題
これは、悩ましい問題である。(苦笑)この辺は例えば、オリンパスの特許で紹介したがカードスロット部分がぽこっとはずれるようなモジュールの特許を実用化してもらい、ここだけぽこっと変えれば自由に使い回しが出来る様な仕組みを考えてもらうと嬉しい。

とまあ、この辺はハード周りであるが、実際カメラを撮ってからのデジタルワークフローと考えた場合、以下の様なものもユーザー側は使い勝手の良さ、メーカー側も開発投資の効率化が図れると思う。

3.各社の画像処理ソフトの共通化、
これは、簡単に言えばオープン規格を提唱して立ち上げたのであるから、フォーサーズ共通の「フォーサーズ スタジオ」の様なソフトを作れないかと言うことである。(で、正規版が無理なら、おまけで付いてくるのもこれの簡易版みたいなもので統一)
そして、このソフトでは、
・各社の固有のExif情報が完璧に読める。
・各社のRawファイル現像や、コンバートが確実に出来る。
・当然、各社のファームウェアのアップデートも行える。
と言う形だ。そして、これら基本性能を抑えた上で、各社のカメラで使えるプラスアルファの機能がくっついていると言う形だ。本来は、Exifやraw自体が共通化されれば問題ないのだろうがこの辺は各社の技術に関わる部分だろうからソフトで対応するほうが良い。
何より、カメラを変えても、使い慣れたソフトで全部処理出来るというのはありがたい。勿論市販ソフトで現在でも可能であるが、raw自体を作っているメーカー純正の方が作り込みや迅速な機種対応もしやすいだろうし、出来ればこうして少しでも安くなってくれればありがたいものだ。ついでにこのソフト自体が、「売り」になって、カメラが売れるという展開があっても良いのでは無いか?

何か、思いつきの様なものであるが、実際これらは私がL-1っていいなと思ってあれこれ使いたいなと思いつつ色々ではと具体的にイメージした時に、思いついたものだ。
フォーサーズのオープン規格にけちをつけるわけでは無いが、レンズとボディの互換さえ確保すれば、システムとしての互換が担保されるという考え方は、それこそフィルムシステムの頃の考え方を抜けきっていないのではと思うのである。

デジタルのシステムとしてのオープンを目指すのであれば、デジタルカメラ特有の電源、メディア、そして撮像後のワークフローもなにがしかの互換性を確保しないとデジタルシステムとしての本当に使いこなす意味での互換性は完成しないのではと思ったからだ。勿論、この4年間のフォーサーズの成果を否定するつもりもないし、ファンとしてはむしろ4年でここまでこぎつけてくれたと思う。しかし、欲目ではないが、この辺まで配慮してくれると真のデジタル時代のシステムとしてのオープン性を目指す姿勢がくっきりと現れてくると思ったからだ。

by Hiro_Sakae | 2006-03-04 10:22 | オリ以外フォーサーズネタ


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