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2006年 06月 08日
下の記事では無いが、今までゴミ取りのシステムはフォーサーズだけだったのが、今回ソニーも必要と認め参入してきたのは、同じゴミ取りを重要視するメーカーが増えたこととして素直に喜びたい。最近、また読者の方が増えてきたのと、新たにユーザーになられた方もあるので改めて、オリンパスのダストリダクションのぷるぷる以外の部分も含めた仕掛けをおさらいしてみようと思う。他社の技術と比較する前に、オリの技術の再確認である。ファンだから言うわけではないが、上手くおさえてあるとおもう。 該当特許を引用しようと思ったが、複数あるのと手元ですぐ引っ張れなかったので申し訳ない。やや私の文章で厳密さに欠ける部分が出てくるかもしれないがご容赦頂きたい。 1.基本的な仕組み ・先ず、撮像素子とその上にあるローパスフィルターをひとかたまりとするとこれらを密封し、さらに光が入ってくる方を透明なフィルターとする。(透明なフィルターを蓋にして撮像素子を密封するイメージ) ・そして、その透明なフィルターは微細振動をして附着したゴミをふるい落とす。これがフィルター下部に吸引されたうえで、粘着性のものに固着される。(このフィルターがSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)) 2.実際の動作 ・電源が投入された時に、上記のぷるぷる動作が実行され、SSWF上のダストがふるい落とされる。 と、大方の人が理解しているところである。また、SSWFの肝である超微細振動のメカニズム自体はダストリダクション特許でなく、別の特許で取得されている。言ってみれば、SSWFはオリのダストリダクションシステムを成立させた肝の技術ではあるが、極論すると、仮に他社がSSWFと同様のものを開発し得たとしても、乗り越えないといけないものがある。 3.SSWF以外のダストリダクション特許のアイデアとは、、 (1)撮像素子(含むローパスフィルター以下、特に断らない時も同様)を密閉空間に封入して撮像素子自体には物理的にゴミを付かなくするアイデア。 他の競合特許を見て、目から鱗というかそれまでに出されているゴミ取りアイデアは、付いたゴミを取るアイデアか、もしくは撮像素子自体を何らかのアイデアで振動させるものばかりで、このレンズからの光路を透明にしておいて、物理的に外気に触れないように封入してしまえば良いではないかというアイデアが無かったのである。もし、効果としては不完全(その透明にした部分のゴミ取りが余り考慮されていない状態)であっても、この光が撮像素子に当たる状態にしておいて封入してしまえと言うアイデアがどこか他社さんが、特許、新案を取得していればまた違った展開になっていたかもしれない。 何れにせよ、SSWF上のダストが写り込む可能性は残るが、撮像素子にダストが附着し焼き付けもしくは、固着すると言う事態は物理的にありえない。(この部分でのゴミゼロは製造時に混入する等不良品でない限り理論上誇張は無いと思う。) (2)SSWFと撮像素子の距離に関するアイデア 上記が、撮像素子に物理的にダストが附着するのを根絶する肝のアイデアとすれば、これはダストの写り込みに関して精度を上げる肝のアイデアである。 よく、考えて欲しい。確かに電源オンをして撮像素子に通電し静電気が発生した途端にダストがうわーっと撮像素子回りに吸い寄せられる。そしてまさにこのウわーっと言うタイミングでSSWFにダストが来たところをぷるぷると振り落として、吸着するのであるからこれの効果は絶大である。しかし、SSWFは撮影中は静止したままである。ダストも全部が全部通電してぷるぷるしている間に吸い寄せられる「機敏な」ダストばかりでは無いだろう(苦笑)また、中には一度のぷるぷるでは取れない奴が無いとも限らない。これをどうするのか? オリの特許では、撮像素子のフォーマットとの関係でこの密閉する透明な蓋をある距離撮像素子から離せば仮にそこに微細なダストが載っていてもダストの写り込みが出ないとし、この距離(の算式)の範囲内にこの蓋を置くというアイデアを出している。 撮像素子の上にあるダストは確かに写り込む。しかしうんと離れた距離のダスト、例えばレンズの後ろ玉に附着しているダストで画像にダストが写り込むことは無い。(これはフィルムカメラでも問題にならないし、おりもレンズの後ろ玉にはぷるぷるはない。(苦笑))つまり、撮像素子から充分離れた距離にこの透明な蓋を置けば事実上、ある一定以上のダストが残存していたとしても、写り込みには影響が出ないわけである。とはいえ、あまり離れすぎるわけにもいかず、これをぎりぎりの線までこういう算式に基づいて計算したこの距離に配置すれば良いというところを規定したわけである。 勿論、同じ距離でも絞り値によって、或いは付けているレンズの焦点距離によっても変化するだろう。このどの辺までを限界値に置いて上記距離を実際フォーサーズに置いて決めたのかはわからない。下の記事のコメントにあるが、マクロ撮影等で思いっきり絞る(F11=35ミリ換算でF22の被写界深度相当)と落ちきれず残存したダストが写り込むケースがあるようである。 SSWFを持ってしても、(或いは別の仕掛けでも)常時100%完璧にダストが附着しないのはそこにダストが浮遊している上無理な話であるが、それをオリは上記のアイデアで実用上は全く問題ないレベルにしているわけである。 (3)まとめると、 オリのダストリダクションシステムとは、 1.撮像素子にダストが附着し、熱等により、焼き付け、固着するのを防ぐために、撮像素子を透明なフィルターを蓋に密閉封入してしまうと言うアイデア 2.更に、上記フィルターに附着したダストの画像への写り込みを排除するために撮像素子と蓋の距離を一定距離離すというアイデア及び、規定する算式、方法。 3.最後に、この蓋自体にそもそも極力ダストがつかないように、蓋自体を振動させてふるい落とし、吸着し粘着物に固着してしまうアイデア(いわゆるSSWF) の3つで構成されているのである。従って仮に3のSSWFと同等物を他社が開発しても、2の距離配置が満たされなければ、残存ダストの写り込み確率はオリほど低減できないし、1の様に封入しなければどこかから撮像素子に吸い寄せられるダストが入り込む可能性がある。 余談であるが、これに全く抵触せず逆転の発想をしたのが今回のソニー特許とも言える。すなわち、オリはダストは撮像素子の静電気に吸い寄せられるものというのを前提に徹底的に物理的固着と、写り込みをシャットアウトするという発想でダストに取り組んだ。 それに対してソニーは、「そもそも、ダストが先ず吸い寄せられなければいいじゃないか」と言うことでその原因の静電気の発生を抑えようとしたものがソニー特許であろう。どちらが効果的なのかは、これは実際の実物が出てからの評価になるだろう。 最後に、どうしてもダストというと画像への写り込みとそれをふるい落とすメカニカルな仕組みに話しがいきがちであるが、今後のEVFやライブビューBを考えた時は写り込み以上に、そもそも撮像素子にダストが付く、付かないが大きな問題になる。単にダストが附着しているのであれば、まめにぷるぷるやればよいだけの話しである。(私は、結構レンズ交換をするので、気づいた時は撮影の合間に、オンオフぷるぷるを行う。) しかし、ライブビューBの様に長時間、撮像素子が通電し熱を持ったままの状態でもし現在のダストリダクションシステムの様に撮像素子が密閉されている状態でなければ、ダストが付くたびに焼き付けを起こしてしまうのでは無いだろうか?その方が問題である。焼き付いたダストは撮像素子をぷるぷるしても取れないだろう。 この「常時熱を持ったまま晒される撮像素子をダストから守る」アイデアとして、「静電気に吸い寄せられるのを密閉して物理的に遮断する」というフォーサーズ(オリ&パナ)のアイデアに加えて、ソニーが「原因となる静電気自体を押さえ込む」というアイデアを押さえたのは興味深い。個人的には、もしEVFへ移行する際にはこの辺が肝になるような気がするからだ。また、ここでは敢えて触れなかったが、オリは1,2,3(特に3)を満たせるようなフォーマット比懐の深い(フランジバックの長い)仕組みになっているが、フォーサーズよりサイズの大きい撮像素子でうまく収まるかという問題もあるだろう。 追記、下の記事のコメントで越渓さんが、何故アルファはわざわざ電源オフ時にぷるぷるするのだと言う質問があった。私の推測ですが、 ダストリダクションの仕組み、つまりプルプルを行うタイミングとしては、撮像素子に通電しそれまで浮遊していたダストがうわーっと撮像素子に吸い寄せられるタイミング(=電源ON)にぷるぷるさせると言う記載があったような記憶がありますので、ひょっとすると、その辺が似てしまうのを避けたのか、あるいは、その辺はアンチダストの静電気抑止効果に自信を持っているのかどちらかでは無いかと思う。(あくまで、想像です)
by Hiro_Sakae
| 2006-06-08 00:24
| E,Pen-system関係
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