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2006年 10月 26日
結局、動かないのか、半端なことでは。
  デジタル一眼マニアックからリンク。各社新型が出そろった、フォトキナ直前の国内DSLRメーカー別シェアであるが、、



1.キヤノン 54.4%
2.ニコン 27.7%
3.ソニー 9.5%
4.ペンタックス 7.4%
5.オリンパス1.3%

となっている。オリンパスはいつも秋に新機種を出してシェアが年明けにかけて10%を超えてその後だらだらと下がり2%前後に落ちて、また秋に新機種が出てというのを繰り返していたが、今回はそれが春まで伸びたのでまあ、こんなものであろう。

まず、順位がソニー→ミノルタにすれば、ひとつの狂いもなく以前紹介した2002年のフィルム一眼レフ国内シェアの順位と全く同一である。比率としては、キヤノンさんのシェアがぐーんと伸び、ニコンさんが平行。他社はシェアを落とした形。特に之で行くとミノルタさんの減少率が大きい。その次がペンタックスで、オリンパスという感じだ。

おおざっぱに言えば、まずニコンさんは、保守的と言われようが旧来からのニコンユーザー層の入れ替え需要を手堅く取り込んでシェアを維持し続けていると言う感じ。キヤノンさんもキスがデジタルになっても好調であり、銀塩キスが切り開いた、ママさんニーズ、家庭に一台のファミリーユースを他社がDSLRへの参入にもたつく間に、更に取り込んだ形だろう。しかし、これも元はと言えば、キヤノンさん自身が切り開いたニーズが商売的には「まんまと当たった」わけであり、「本来自分が切り開いた市場を再度独占した結果」と考えれば、あっぱれとしか言いようのないものである。

と考えると、未だ一眼レフを購入しようと言う層は、
・従来からの一眼レフユーザーの買い換え層
・ファミリーユース等を中心とした銀塩キス購入層
と言うメイン層の構図に何ら変化がないと言う状態である。また、悔しいがそう言う意味では某社のアシスタントマネージャーが言う様に、
・シェアに変動を与えるほど、既存ユーザ層のマウント→マウントへの乗り替え
も起きていない格好だ。

従って、シェア順位が一時的なものでなく変動する可能性としては、
・今まで十分取り込めていなかったユーザー層への訴求、取り込み。特にデジカメになってから比較にならないほどの台数でコンデジの導入にとどまっているユーザー層を取り込んでいく様な魅力あるDSLR
・思わず、乗り替えもしくは、追加導入を既存ユーザーにさせたくなるような従来のDSLRと併存可能な個性的な切り口、強みのあるDSLR
の登場であろう。早い話が、キヤノンさんの様に、あらたな「金城湯池」を見つけて、囲い込んだユーザーをニコンさんの様にがっちり押さえる仕掛けだ。

そして、このキヤノン、ニコン、、の順位で出来上がっている既存のパイの仕組みの範疇に収まるカメラでは、手ぶれ補正や、ゴミ取りをつけたり、はたまたその上価格で頑張っても、所詮は既存の大きな枠組みの中からはみ出ることはない。今だけであれば、これでも良いだろう。パイ自体が増えているのでそれぞれそのシェアなりに、各社対前年比では台数が伸びているので、身の丈に合った生産計画にしていれば、各社それぞれ「予算達成」になり問題ないからである。

しかし、いつまでもパイ自体が増えるわけでは無いのである。それなりのシェアをとるかもしくは、パイの大小に関係ないがっちりした固定層が無いと淘汰の憂き目にあう。

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こういう風に冷めた目で見てしまうと、オリンパスが敢えてここで中途半端な新機種投入をせず、E-400を確実に稼げる欧州へ集中投入し、米国は(日本より先に若干リベートを拡大した)E-500と、手堅く売れているE-330でしのぎ、日本は元々オリ全体から見れば小さいシェア(全く売れなくてもたかだか全体100の内の8程度が剥落するだけで、日本の年間予定台数の前半で半分売っていれば、後半0台でも4を捨てるだけだ)なのでもうあっさり捨てるというのもある意味、ビジネス上はしたたかな戦略だったのかもしれない。

どうせ、投入してもあれだけカメラファンが騒いだαや、K10Dですらこれである。中途半端に出すとしても、出すとなればそれなりの営業経費もかかるからだ。

と考えると、本気でオリが、E-systemでOM全盛時代の様にキヤノン、ニコンに次ぎ、機種別では時には両社を食って「レンジファインダー時代からの高級機市場の二強」の強烈なカウンターパーティとしての位置を狙うとすれば、ここは例え目先のシェアを捨ててでも「乾坤一擲の賭け」に出ざるを得ないのでは無いだろうか。

ファンとしては、細々でも良いから末永く続けてくれれば良いという思いがないわけではない。(事実OMのビジネスとしての存在はOM三桁の失敗で終わったはずだがその後も延々と21世紀にE-system発表までOMを続けた)
しかし、恐らく、オリにはオリの勝算と、「Zuikoブランドを掲げて復活した以上は..」という思いもあるのだろう。

山は本当に動くのだろうか?
ただ、言えることはオリのここに来てのリリースを遅らせてまでの煮詰めと、敢えて「第二章」なぞぶちあげて「のんびり細々の退路を断つ」かの行動には、ひょっとすると私なんかが考える以上に「本気」が入っているのかもしれない。結局だめだめで、憤死するかもしれないが、OMの時と同様、オリは既存ヒエラルキー、常識の中に新参者としてそこそこに安住するのでなく、果敢なチャレンジャーの道を再び歩む様である。

結果的にディスコンになったOMもカメラの歴史の中で大きな足跡を残した様にここは勝敗を抜きにしても、オリらしい闘いぷりを期待したい。楽しみである。

by hiro_sakae | 2006-10-26 00:30 | E,Pen-system関係


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