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2006年 12月 02日
【特許】そしてこれもアイデア勝負?の先回り特許
  下の写真の前に紹介した、ダストを動かして消してしまえと言うのも何となく思いついたんで他社が手を出す前に押さえてしまえ的(笑)アイデア勝負の感じがあったが、これもこんな簡単なもので特許が出て良いのかという特許。そしてぶれ補正、AFとくれば、これは高速連写絡みの特許である。
  そして、このサインを次期機種に探そうと言う話し。



【公開番号】 特許公開2006-323078
【公開日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【発明の名称】 連写モードを有するカメラ

となっており、何の技術かというと、高速連写の際に無駄なコマ数を撮らないする様にするもので、
従来の技術は、
「このような連写中に撮影枚数をいたずらに増加させない技術として、連写枚数や連写間隔を撮影者が任意に設定可能なカメラが知られている」
現行では高速連写で無駄な枚数を撮りすぎない様にするために、連写枚数をあらかじめ設定しておいてその枚数に達すると連写終了する、もしくは秒間の連写枚数を調整できると言うのが現行ある対策である。
連写の無駄防止のために、枚数で上限を設定するか、もしくは秒間のコマ数で制限をかける形だ。

ところが、オリに言わせればこれは現在の秒8コマ程度までの連写なら良いが、この特許文中のオリの主張に寄れば「この連写モードにおける連写速度は、特に一眼レフレックスカメラにおいて高速化の傾向があり、まもなく1秒間に十数~数十コマにも達することが予想される。」
おいおい、予想されるってこんなの心配しているのはオリぐらいだろうがまさかまもなくやってくれるのかと期待したくもなるが、(それはさておき、笑)

そして、このレベルの超高速連写になると次の様な問題が出てくる。
・コマあたりのAFの合焦スピードは輝度によりミリ秒の世界では結構ばらつく。従って秒数十コマとなると一こま一こまのAF合焦によるばらつきは無視できない。これの積み重ねでコマ数指定で行くと、撮影時間(5秒とか、10秒とか)から想定したコマ数より余分に指定しておかないと場合によっては、想定時間をカバーできずに連写が終了する。

・また、秒間コマ数の指定も上記の理由により秒間数十コマの世界に入ってくると無意味となる。AFに時間を要する低輝度化では30コマしかでないこともある。従ってこれまた撮影したい時間を想定すしてやると、無駄に撮ってしまうことにもなりかねない。

・今までの様に仮に1秒余分にとっても精々8コマ程度を無駄にとってしまうだけであるが、超高速連写になれば、1秒無駄に撮っても60コマ無駄な写真が出る。これが1回連写するたびに積み重なると無視できないリソースを食う形になる。(余談であるが、この大量に出る画像の処理や、迅速なセレクトにオリはかなり気を遣っていてすぐセレクトできる表示方法、カメラ内保存時の独自の圧縮方法等小技の特許をいくつか別に出している。)

そう、この「無駄打ち防止策」はこの超高速連写になった時には必須だというのがオリの主張である。そして、
「本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は、高速連写機能を有するカメラにおいて、いたずらに撮影枚数を増やすことなく、かつ、狙いのシーンを確実に撮影可能とした連写モードを有するカメラを提供することにある。」
とうたいあげる新技術というのは、
「請求項1記載の連写モードを有するカメラは、複数のコマ数を連続的に撮影する連写モードを有するカメラにおいて、連写する時間を予め設定する連写時間設定手段と、連写撮影開始後から上記連写時間設定時間で設定した時間が経過したら、連写撮影を終了するように制御する連写制御手段と、を具備することを特徴とする。」
「請求項3記載の連写モードを有するカメラは、請求項1記載のカメラに、連写する速度を予め設定する連写速度設定手段と、上記連写時間設定手段の出力と、上記連写速度設定手段の出力に基づいて、連写可能なコマ数を演算する連写コマ数演算手段と、を更に具備し、上記連写コマ数演算手段の結果を表示することを特徴とする。」

はあ、それって、わかりやすく言えば、
「カメラで連写モードの連写時間を設定できる様にする。そして時間を設定した時に想定コマ数が判るってただそれだけ?」

結論から言うと、ただそれだけである。(笑)
「従来コマ数指定や、秒間撮影枚数でだめならストレートに連写時間指定という設定を加えればいいじゃん、で輝度情報と併せれば枚数もわかるし、、あ、こういう考え方無いのね、これ。んじゃいただきま~す。」っつー乗りだろうか(笑)まあ、こうして無事公開されているから良いのだろう。

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おまけにこいつのみょーに怪しげな雰囲気を醸し出しているのは特許の実施例としては非常に
リアルでわかりやすいと言うことだ。(まあハード的にはすぐ作れるのだろうか)
上記の設定の使い方で書いてある原文をそのまま下記に引用すると

(以下引用但し、本文中の図を示す図番号のみ削除)
【0120】
まず、ユーザはメニューボタンを押してメニュー設定画面を液晶モニタに表示させ、十字ボタンの上下ボタンや右ボタンを操作して、連写条件を設定する項目を選択する。
【0121】
第1メニュー階層の「連写」にカーソルを合わせて十字ボタンの右ボタンを操作すると、第2メニュー階層に移行する。
【0122】
第2メニュー階層では「連写時間」と「連写速度」の2項目が選択可能であり、それぞれ設定したい項目にカーソルを合わせて十字ボタンの右ボタンを操作すると、第3メニュー階層に移行する。
【0123】
第3メニュー階層では「連写時間」と「連写速度」の2項目について設定値を設定できる。第2メニュー階層で「連写時間」を選択すると第3メニュー階層ではこの設定値が設定でき、十字ボタンの上下ボタンを操作して設定したい時間を秒単位で設定する。
【0124】
もちろん、ここでは連写時間無限の設定(レリーズボタン317の第2レリーズボタンが押されている間はずっと撮影)も可能である。
【0125】
その後、「連写速度」も設定したい場合には、十字ボタンの左ボタンを操作して第2メニュー階層に戻り、そこで「連写速度」を選択して第3階層に戻る。第3階層ではいくつかの「連写速度」が予め決められており、十字ボタンの上下ボタンを操作して設定したい速度をフレーム/秒単位で設定する。
【0126】
以上の設定項目の設定終了後にOKボタンを操作すると、液晶モニタの表示が切り替わって、設定した「連写時間」と「連写速度」に対応して連写中に撮影するであろう「連写撮影可能コマ数」の目安が表示される。
(引用終わり)

「なお、出荷時には無限の設定となっております」とでも入れればそのままマニュアルにでも使えそうな部分である。

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従って、ここで私が言いたいのは第二章のカメラに超高速連写がすぐ乗ってくると言う話に強引に持っていきたいわけではない。(笑)たぶんそれは、難しいだろう。

しかし、第二章になって次期E-1が出た時、買った人は現物で買えなかった人はマニュアルでも何でも、連写メニューの中に、連写時間の設定がさりげなーく追加されているかどうかはチェックしてみても良いだろう。第二章と言うか現行程度のコマ数ではあまり意味がないくせにこの連写メニューに時間設定が入っていたら、お互いにんまりしようではないか?

それは、オリが(太字で引用したが)ほどなく一眼レフに乗るという超高速連写が何れ乗るという我々のみが知るサインであるかもしれないからだ。

by hiro_sakae | 2006-12-02 15:09 | オリ特許関係


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