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2007年 04月 09日
カメラ業界、特にその最高機種に当たるカテゴリーは淘汰の歴史である。1960年代に入り、レンジファインダー→一眼レフへと変わるのを機にして、主要プレイヤーは独逸から日本へ、そして幾多のメーカーが入り乱れて、AF一眼に突入する1980年代には良くも悪くもメンバーは固定化した。 銀塩→デジタル、SLRからDSLRへ切り替わる中で再びそこに異変が起きている。後に振り返ればこの21世紀の初頭は新たな変化の時代と位置づけられるのだろうか。PENTAXはどうなるのだろう。 ここでも何度か触れたが、一眼レフの参入者もDSLRへのシフトが鮮明化して以降、先ずKodak、CONTAX、そしてMINOLTAのブランドが消え、新たにPanasonic,SONY,Sumsungが加わった。DSLRのプレーヤーでフィルム一眼レフからの純血カメラメーカーはCanon,Nikon、Olympus,そしてPentaxだけだ。ここにきてそのPentaxがHOYAとの合併が一転、TOB,それもペンタックス社の合意の得られない敵対的TOBへ発展しそうな雲行きである。 元々の、合併時のHOYAとの合併比率に大口株主が反対していたと言うことであるが、それをTOBで行こうとHOYAが考えた以上、今回の3割程度のプレミアムで大口株主が「転ぶ」と見ての事だろう。ペンタックスの大口株主の顔ぶれと、当初の合併比率より2割近くプレミアムが乗る勘定であるから、これに乗ってきたとしてもおかしくない。 ペンタックスは、東証上場企業の中でも比較的珍しく、正式に信託型ライツプランの株主防衛策を導入している企業である。もちろん、そのTOBがペンタックスの価値増大にとってマイナスであると言う評価を第三者的に判定して貰う必要があるが、それでOKとなれば、直ちに敵対的買収者以外の株主に無償で倍額増資出来るオプションを組み込んでいる。買収側にすれば一気に買収額が倍額に跳ね上がる仕掛けである。(尤も、個人的にはこの信託型ライツプランが実際に発動されたら法的にどうなのかどうかは疑問ではあるが、、) 今回の内紛劇を見ていると、経営者以下ペンタックスとしてはHOYAの軍門に下ること、及びそうなればカメラ部門継続が困難になりそうなことはどうしても飲みたくないのが多数派である様な気配である。敵対的TOBで真っ向勝負で挑む泥仕合になるのか、あるいはこういう展開でありがちな予想外のエンジェルが現れるのかは興味深い。ペンタックスは企業規模から言えば他のキヤノン、ニコン、オリンパスと比べると明らかに小規模である。 ここまでこじれてしまい、且つHOYAはあまりカメラ部門には興味が無さそうなのを明言した上で敵対的になろうとも力づくでTOBを仕掛けてくるとしたら、恐らく軍門に下った後のPENTAXのカメラ部門の処遇は相当厳しいものになるであろう。カメラ部門撤退も無い話しではなくなる。では、エンジェルは現れるのか。少なくともキヤノン、ニコン、オリンパスはメリットがあまりない。順当に考えればサムスンであろうか?何れにせよサムスンになれば、カメラ部門は残るかもしれないがPentaxのブランド名は消えてしまうだろう。(ソニーにおけるミノルタカメラ部門の様なものか) ------------------------ 経済をマクロで捉え、効率化を考えればここにリソースや株主への貢献という意味で今ひとつなペンタックスという会社があり、これらを更に効率化できるHOYAと言う会社に組み込まれるというのは至極当然のことであろう。 しかし、ペンタックスという会社が何か悪いことでもしているのか?と言う疑問も残るのである。株主も強制されてペンタックスという会社に出資をさせられたり買ったわけでも無かろう。DSLRメーカーでは最小とは言え、1000億円を超える売上げを出し、それに見合った雇用を創出し、倒産して迷惑をかけることもなく、世界に今の形の一眼レフを広く世に広めたPentaxブランドを営々と続けている会社である。ペンタックス自身が、先行きに不安を持ち結果的に株主、顧客等に迷惑をかけるにしのびなく、パートナーを探すならともかく、ここに来て一丸となってヒットを飛ばし、懸命に頑張っているところをここでTOBで買収して、医療部門も含め今の元気なペンタックスがそのまま手にはいるのかという点でも疑問である。もし、そういう人の部分はあてにしていない、ライツとハードのリソースだけで良いというのならこの投資はいかにも過大な投資額である様な気もするからである。 青臭い事を言っても仕方がないとすれば、ペンタックスも今の様な状況や、大株主が今の様な顔ぶれになる前、あるいは兆候があったさいに何らかのてを打てなかったのかというの悔やまれる。ここで3割り増しの株価で強引にTOBをかけられ、或いはそれに泥沼で消耗戦をやる、それぐらいのペンタックスで独立独歩をしていくという覚悟があったのなら、MBOで非公開化の道を選んだ方がまだ良かったのではないかと思うのである。 そう、DSLRを開発していくなどと言うのは、少なくともキヤノン、オリ、ニコン、ソニー、パナ等の最低でも時価総額1兆円クラブ(本邦上場企業の内確か上位50社ぐらい)に入り、カメラ以外の部門で金城湯池の圧倒的な強みの部門(安定収益の確保)を持っているか、非公開化してそういう煩わしい目先の利潤から隔離された経営の自由度を持たないと無理なのではないかと持った。奇しくもフォーサーズ陣営は時価総額1兆円以上(オリンパス、パナソニック、コダック)と、非公開企業(シグマ、ライカ)の組み合わせである。(苦笑) DSLR以外でも、例えばマニアックなカメラでは、GRD等のリコーさんは1兆円クラブであり、ツァイスイコンとかZFのコシナさんや、フォビオンしこしこやっているシグマさんは非公開組である。結局、カメラなどと言う、その時々の技術開発に相応の投資も必要ながら趣味性も強く計算ずくで出来ないみたいなものは、「文句を言われても動じないほど、金があるか、文句を言われない様にする(非上場化)」かしないと、無理なのであろう。短期的な視点、投資効率だけではどうしても割り切れない部分があるのかもしれないと思うのである。 とまあ、ぐだぐだ書いてしまった。 とにかく、何とかPentaxのブランドが残る様な解決方法になればと思う。
by hiro_sakae
| 2007-04-09 22:33
| 雑記諸々
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