2007年 07月 16日
E-510も順調な滑り出しを見せたようで、ようやくオリンパスも普及価格帯においてE-410,E-510の二枚看板体制が整ったようである。E-410登場当初は他社比割高と思われた価格もこなれてきた感じだ。 そして、E-3が商売上のライバルと目している二強の次世代機の噂もちらほら出てきた。DSLR市場が拡大し、ハイエンド、中型、普及と価格帯別に市場が分かれて以降、乱暴に言えば30D、D200の価格帯は二強のシェアが圧倒的というか、ほぼ独占の金城湯池であったと言えよう。普及価格帯よりも厚い利ざや、そしてこれより上のハイエンド、プロ機とは桁違いの出荷数。極端に言えば、「まあ、勝手に一眼レフ作るのはええけど、殊このレベルは悪いけど他社さん用無しですわ」と言う感じである。 オリンパスも、そう言う意味ではE-3をプロ用のハイエンド機としてもっと高価格帯にし「性能上、或いは看板としてプロ用を作りますけど、お商売上のじゃまはしませんからよろしく」とする手もあった。(苦笑)しかし、今回のリーク記事などからでも明白なようにオリは、このE-3にフォーサーズのフラッグシップ機であると同時に、自らこの二強の金城湯池に「殴り込みをかける先兵」の位置づけを与えた。フラグシップ機として松レンズの様なイメージを維持しつつ、しかしばんばんいけ~というところか。 さて、そう言うことでこのお商売上の対抗相手と目される機種とスペック予想比較なるものがあれこれと想定される。しかしそんな中で、今でもダストリダクションと共にこの想定相手と現行機種同士の比較で勝っている項目がオリにはある。それは、ずばり質量比較である。 現行ボディ単体(バッテリー等含まず)の比較では D200 147×113×74 830g 30D 144×105×73.5 700g に対して、 E-1 141×104×81 660g と、小型軽量を維持している。ちなみに、他社のフラグシップ機となると重量比較でも D2Xs1070g、1DMk3で1155g、フルサイズでは5Dが810g、1DsMk2が1215gである。 少し漏れているのもあるが、二強さんのこのクラス以上フラグシップ機以下のどれと比べてもE-1は小型軽量である。従って、私としては普及型で他社比小型軽量をE-410,510で確固たるものとした以上は、今回のE-3もあれだけ機能を付加しながら質量の増加をなるべく食い止め出来れば限りなくE-1並にして欲しいと思うのである。 単純にプロ用途のみを想定すれば重くてもいいのかもしれないが、コンシュマーユースでの成功も考えるなら「ここで機能アップしましたから他社さん並みの大きさ、重さになりました」と言うのではちーと面白くないと思うからである。重くて厳つい方が良い場合もあるだろうがそう言う場合はグリップを付けてもらうと言うことで本体はなるべく軽い方が良いと思う。第二章で打ち出した、「カメラなんだから外へどんどん持って出ようよ」というイメージ、それに呼応しオリのDNAとも言える小型軽量化への回帰を打ち出しているからこそお願いしたいところだ。と言うわけで私はここを注目している。 実際、E-410を使いこれに慣れてしまい今回改めてOM1などを触って持ち出してみるとこの質量でこれだけのものが撮れるのであればもう重たいのは億劫だと言う気持ちになる。どうしてもE-410の出番がこれだけで増えている形である。従って、E-3もあんまり重いとよほど価格か性能で魅力が出ないと別にE-510で十分じゃないかと言う気もしてくる。尤も、この小型軽量化のありがたみというのも、ダストリダクションや、LVのMFフォーカシング同様なかなかカタログスペックや、短期間触るだけのライターさんのレビューではわかりにくい。実際に使って何度も何度も触ってこそありがたみがひしひしとわかってくるものだ。従ってこれらのありがたみを知りようもない新規ユーザーにどのようにしてこれを訴求していくのかと言う難しさがあると思う。 ---------------- さてさて、ここでE-1ですらオリの一眼レフの歴史の中では重いんですよ~というまあ、与太話をしよう。、、、 実はオリのレンズ交換式一眼レフのボディ重量比較で一番重いのは実はE-1なのだ。ご存じのようにOMシリーズは小型軽量を売りにしていたので金属ボディながら、OM1ラインで510~520g、OM3,4ラインで540gしかない。従って二桁機はもっと軽く400グラム台である。E410,510ではそれぞれ375g、470gと第二章にしてようやくOM時代を軽さで上回った格好である。(PenシリーズはOMより軽いので除外) で、では、E-system登場前のオリンパス一眼レフの中で重い順番に順位をつけるとしたらどういう面々が並ぶかわかるだろうか?(Lシリーズ等のレンズ非交換式のものはのぞく)ちなみに、上のOMシリーズで一番重いOM3,4の540gは第4位である。 先ず第三位はOM707で555g、そして第二位はOM101で569g、そして第一位はFTLで635gである。FTLと言うのはOMが出るほんの少しの間リリースされたM42の一眼レフである。この中で実物を全部使ったことがある人はどれだけいるだろうか?ちなみに、私はOM707とFTLは実際に所有し使ったことがある。OM101は店頭でいじっただけで、これを見た時に私は機材のメインをOM707へ移行してしまっていた自分を深く恥じた(笑)。この私がオリンパスの新製品に対して、怒りを超え諦観に至ったのは後にも先にもあのカメラしかない。(その後のLシリーズへのつっこむ時は私はオリと縁を切っていたので知らない。(苦笑))しかし、振り返ってみると、オリ歴代のエポックメイキングな機種も、オリンパス35,ワイドE,ペンシリーズ、トリップ35,35RC&DC、XA,初代μと小型化を売りにしたものが殆どだ。 うーむ。やはりオリンパスはもう1gでも小型軽量化しないとやはり縁起が悪いようである。実際、小型化した方が上に上げた例ではないが実際デザイン的にも格好良いと思う。 と言うわけで、非常に論理的でない帰結ではあるが第二章がこのまま好調に行くかどうかを占う意味でも、E-3の他社との質量比較は要注目だと思った。
by hiro_sakae
| 2007-07-16 20:05
| E,Pen-system関係
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