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2007年 09月 05日
【特許関係】LVネタの延長に、妄想ふくらむ特許
  すいません、今年の3月の特許で自分ではここで妄想をふくらませたつもりが別のところで書いていた様である。
  
  オリは現在の中期3カ年計画を2006年春からスタートしている。2009年3月末までで丁度今半分を終えたところ。そして、ここでも記事にしたがこの中期経営計画のプレゼンではDSLRのメインとしてE-systemを上げる一方で、研究課題(次世代へ)にニューコンセプトのDSLRが書かれてあった。しかし、当時のインタビューで菊川社長は「あくまで、デジタル一眼レフはフォーサーズ」であると言い切った。

  そして、ここで先日紹介した同じ菊川社長の好調を反映してのインタビューでも、フォーサーズをこのまま新機種を投入し、5年後には20%程度のシェアを目指し三強になると言っていた。そして、少しずつでなく一気にいく仕掛けを練っているところと言う意味深長な発言がなされた。二強に一気に近づく仕掛け?今まで特許で見ていた、例えば超高速連写や、電子式ぶれ補正、リレー光学系等のネタはある。しかし、これで「武装」したとて、これで一気にシェアが動く程甘くはないだろう。

 恐らく、今年度はとりあえず第二章ボディのベース(E-410,510,E-3)を出し、年明けからレンズがでて、3カ年計画の最終年度の来年度は、レンズの充実と3桁のバージョンアップ(良くてプラスワンボディ)でとにかく10%以上を安定的に取れるというのが落ち着きどころではないか?となると、一気に近づく仕掛け?がでるのは、この中期計画明けの次の3カ年計画(これがあけるのが大体5年後2割のエンドと同じくらい)だ。そして、菊川社長は中期計画時自社のプレゼン資料に明記してありながらきっぱり否定した謎のニューコンセプトDSLRが実はフォーサーズ第三章の仕掛けとしてスウィープしてあるとしたら、、と言う事を妄想させる特許がこれだ。



【公開番号】 特許公開2007-58123
【公開日】 平成19年3月8日(2007.3.8)
【発明の名称】 デジタルカメラシステムおよび中間アダプタ

これが、何とも風変わりな意味不明の特許なのである。まず基本となるこの特許の実施例をまとめると次の様になる。

1.フォーサーズのセンサーを持ったボディが二つある。仮にE-1,E-xとしよう。

2.E-1は現行のフォーサーズと同じ。つまりE-1そのものである。

3.E-xも基本的にE-1と仕組みは全く同じ。但し、フランジバックが短い。そしてマウントが一回り小さい。且つ、画素ピッチがE-1よりも細かい、そういうE-xなるものがある。

4.そして、この中間アダプタは、このフランジバックだけが短いE-xにE-1用の現行フォーサーズレンズを装着する際に使うアダプタである。

そして、この特許の意図するところは、

5.従来、このようなフランジバックの差があるボディにフランジバックの(より)長いボディ用のレンズを装着使用する仕組みとして中間アダプタが色々考案されている。

6.しかし、これらはデジタル一眼レフ用のアダプタとして、撮像素子とレンズの間に介在する光学素子(ローパスフィルター、防塵フィルター他硝子を総称してこう呼ぶ)の影響を考慮していない。

7.すなわち、ある画素ピッチを基準ピッチとして、その際に介在する光学素子の屈折率(ここのE-1では設計上の基準ピッチを7μm)と、アダプタを介して装着する別ボディの光学素子の屈折率(ここでは、E-xの設計上の基準ピッチを5μm)が相違する場合、単にアダプターでフランジバックを揃えただけでは、厳密言うとこの屈折率等の影響に誤差が出て、アダプターで装着したレンズは100%のパフォーマンスを発揮できない

8.従って、このアダプターの中に(計算略)この光学素子の屈折率を揃える為の光学素子(具体的には薄い硝子のフィルターの様なもの)を入れることによりこれを揃える

とまあこういう特許である。
まず、これを読んだ人の中には「待てよ、フランジバック云々の前に現行E-systemでもE-1の5MPから10MPにピッチが変わっているぞ、この影響はどうなんだ?」と思われるかもしれない。これに関しては別特許で、当初設計時の想定ピッチに画素数が細密化しても設計値が揃う様にこれらの光学素子トータルで値を揃えると言うものがある。恐らくオリのHP等で、「ZDはローパスフィルターの光学影響まで織り込んで設計している」というのはこの辺に起因するのだろう。

従って、私はあくまでこの特許は、フランジバック以外の要因はフォーマットに至るまで全く同じのボディに関しても、DSLRにおいては画素ピッチ(正確に言うならばそのボディのレンズ設計上の基準ピッチ)が違えば、フィルム時代に無い配慮がいるという相違点を浮きだたせる為の特許で、何もただフランジバックが違うE-1の双子を作る気では無いと思う。

実際、ここではこの補正光学素子は透明な硝子板であるが説明文の中にはここではこの事例にしたが、これにカラーのフィルター効果、或いは補正光学系等を組み込んでも良い。ポイントはこれら他の効果を生む光学素子を挟み込んでも最終的な補正に当たってはこの特許の示す補正値をそこにかならず考慮せよと言うものだからである。

では、この特許が意味する様なものを実際作るとしたら何が想定されるだろうか?この特許の矛盾点や、ポイントを次に列挙してみよう。

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1.この補正光学素子を入れて対応できるのは、必ず親ボディのセンサーピッチよりも子ボディーのセンサーピッチが小さい時に限られる点。(逆だと厚さがマイナスの光学素子となり無理)

もし、同じフォーサーズボディ(=同じセンサーサイズ)なら製品では設計上同じピッチを基準に作るはずである。想定されている様な同じセンサーサイズではこの特許の意味がない。

2.フォーサーズよりも、フランジバックが短いとしている点。合わせて、実施例の中でこの子ボディ専用レンズは、親ボディ(フォーサーズ)レンズよりもより小型に作れるという点。

3.実施例では、フランジの短いレンズが親ボディに誤って付かないようにと、マウント自体もわざわざ一回り小さいマウントを規定している点。

4.オリが誰よりも気にするテレセントリック性。(これを放棄するならそもそもこんな重箱の隅をつつく様な特許は考慮する必要がない。)

この2,3,4を総合的に考えれば、この子ボディが暗示している撮像素子は実際にはフォーサーズよりも小さいセンサーサイズを想定していると考えるのが妥当だ。もし小さければ、それに見合った形で子ボディのマウントを小さくし、フランジバックも短くしたのであれば、オリが気にするテレセントリック性も確保されるだろうし、何よりこういう子ボディを想定する意味合いが出てくる。

では、どれぐらい小さいのだろうか?ピッチの例として、親が7μmで、子が5μmである。ざっくり子のピッチは親の1/1.4→、1.414とすると2の平方根だから、同じセンサーサイズなら、親が5MPとすれば、子は10MPか。しかし、子がサイズが小さくてこのピッチ差で同じ画素数になると考えたらどうだろう。実はこの想定ピッチ差は、親ボディと子ボディの撮像素子に大小があり、同じ画素数のボディを作るとこれぐらいのピッチ差の比率になると言うのを示していると想定するわけだ。

そうすると、冗談でフォーサーズの半分でツーサーズ2/3インチなんて言っていたがこれでは面積が1/4になるから小さすぎる。ここで想定されている
「このピッチ差の割合でフォーサーズと同じ画素になるフォーマット」

フォーサーズの面積の半分・・・・

「フォーサーズのハーフ判撮像素子」である。

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フォーサーズが予想通り12MP止まりとしても、2/3で4MPならちょっとと思うが、ハーフであるから6MPか?そして、フォーサーズのあれより小さいミラー付けてちっちゃなペンタでは光学ファインダーは辛いだろう。そう、それでLV専用にする。(可能ならEVF付いても良いけど)

そして、先に紹介したEVF特許はペンタ型を想定している。いわゆるメインミラーで上に光を曲げている。面白くない。ここではハーフだから、E-3xx型のポロミラー型を使う。横に曲げてポロミラーの収まっているところに、TTL-AFセンサーを仕込む(仕組みはあの特許と同じ)

こうすると、一回り小さいマウントとフランジバックで、屋根が平らなフォーサーズのハーフ判のかわいいDSLRが出来る。そして、これには、フォーサーズのZDレンズがアダプター経由でフォーサーズと同じ使い心地と性能で使い回せる。

勿論、このかわいいDSLR用の軽快なプチZDレンズ群もいくつか揃えられる。中には画素が6MPでもZD並の描写を誇るレンズがつくこっちの方がいいやというファンも出るだろう。

第二章のE-410等の開発コードがOM-Dだったらしいから、さしずめこいつはPenF-Dか。他社さんがAPS&フルサイズの2ラインでDSLRを構築するなら、オリはフォーサーズと、フォーサーズ-ハーフで行くという感じだ。これならもう独自のフォーサーズワールドでシェアを2割取って、「ただの3位でなく、二強にはない強みを持った三強」としていけると思う。

良いと思うんだけどなあ。おじさんのノスタルジーもくすぐるし、女性にも使いやすいと思うのだが、、。

私の妄想としては、これがフォーサーズの隠した仕掛けで、これならハーフは一眼レフじゃないので、DSLRはE-systemというのは嘘ではないわけだし、、、

by hiro_sakae | 2007-09-05 00:07 | オリ特許関係


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