人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2007年 09月 17日
【特許関係】電子的ぶれ補正装置続報 他社も研究?
  今年に入り、継続的に上がっているこのオリの次世代ネタである電子的ぶれ補正装置。今までは新しい素子開発から、色々パターンを実施例として出してきていたがこれに収斂していくのだろうか。そして面白い事実が、、




【公開番号】 特許公開2007-235247
【公開日】 平成19年9月13日(2007.9.13)
【発明の名称】 電子的ぶれ補正装置

今までにも紹介した基本的な部分
1.ぶれ補正に角速度センサを使う
2.この角速度センサ情報に基づき、画像処理に入る撮像素子段階でぶれ補正を
行ってしまう。
があり、オリンパスは
3.これを時分割で行う。
4.シャッター速度、焦点距離情報から時分割回数を割り出す
5.時分割合成時の問題解決
等等を合わせて特許となっている。

結局、従来の電子式ぶれ補正の様にいちいち画像を組成してから合成していては時間がかかることから、これを何とか露出時間中に済ませてしまう。(いちいち画像を組成せず、時分割タイミングで電荷をしふとさせ合成させてしまう。)

今回は、あれこれ想定例として網羅していた中でオリンパスはFIT型撮像素子の一部改良が従来のFIT型撮像素子をそのまま使えてコスト的にも安く時分割&ぶれ補正が可能とし、合わせて今回時分割のロジックも現実的なものに簡略化したパターンを考案したものだ。この特許に前後して、時分割でぶれ補正を重ねた場合に端の方で一部合成する枚数が足りない部分(露出がその分アンダー)の処理解決方法の特許も公開された。少しずつ実用化の方向に向けて煮つめられているのかなあと言う印象を持った。

--------------------

さて、私が注目したのはこのオリと同様の基本的な考え方で電子ぶれ補正を考えているのがどうやらオリだけでは無いらしいと言うことだ。今回、この特許に他の実施事例として2件の特許があげられている。2002年、2005年とどちらも比較的新しい。

先ず、全く新しく撮像素子を起こしてしまおうじゃないかというアプローチが2002年公開の特許。実は、これを考えているのは皮肉にも「ぶれ補正は光学が一番」と言っているニコンさんである。(笑)

また、2005年の方は既存のCCDにシフト用に横方向も足す様なと言うか、オリのこの特許の理論上の素子に近い形。ここで議論した様に1画素あたりのセンサー部分がかなり小さくなってしまう。(特にフォーサーズではこれは痛い。)そして、この特許を公開しているのはソニーである。

これから言えることは、
・オリ、ソニー、ペンタックスのDSLRのボディ補正採用3社の内、2社がこの電子式ぶれ補正に関して最近特許公開をしている。
・ニコンさんがかつて、この特許を公開している。
と言うことだ。

-----------------

先ず、やはりオリだけでなくボディ補正に関する機械式を何とか電子式で出来ないかというアプローチを各社考えている→何れ登場するのではないかという事だ。ボディ補正も基本的な考え方はどこの会社も同じであるが、その駆動方法でミノルタ(ソニー)、ペンタックス、オリンパス各社特許が成立している。従って、電子式ぶれ補正やベースの時分割の考え方も恐らく各社アイデアとしては気づくもので、これの実際の解決方法で各社各様のアプローチで押さえにかかっていくのであろう。

微妙なのはニコンさんだ。特許公開が比較的古くオリの特許に寄れば三層構造の高価な撮像素子となってしまうため、ひょっとするとこの辺も検討した上で光学式ぶれ補正に舵を進めたのかもしれない。そうするとつじつまが合う。逆にソニーはどうかというと、妄想ベースであるがあの構造は画素ピッチが細かいフォーサーズでは不利でも、もしソニーさんがフルサイズを展望しているのであれば、フルサイズなら使えるのかもしれない。

オリンパスはどうだろう。FIT型撮像素子となれば、オリ自身がNHKとの超高速フレーム用ハイビジョン撮像機等の共同研究でこの型の撮像素子の研究をしている事に加えて、パートナーのパナも業務用のビデオカメラ等でこのFIT型撮像素子は実際に作っている。ただ、現状ではFIT型の主用途は業務用のビデオカメラの為サイズは2/3インチが最大サイズではある。また、ネットでベアの実物の写真を見ると、厚みがかなりある。特許の例示の蓄積部が実際には後ろに重なっているのだろうか?少なくともこれのフルサイズ、APSではかなりの大型になってしまうだだろう。

ただ、このFIT型はオリが考えている時分割や、電子シャッター併用の超高速連写、或いは動画との併用という展開をするには素材として悪くない様ではある。

----------------

現行のLive-MOSも元々は、携帯電話の小さなサイズでも高画素が出来る様に開発されたものを、フォーサーズ用に改良し、更にE-410ではベアで基板に実装出来る様にし、E-330に搭載された当初からは考えられないくらいスリム化された。

もし、パナソニックとまた共同研究でやれば恐らく不可能と言うことでは無い様な気もする。そしてこのFIT型では最近シャープさんが、携帯用の撮像素子としてデジカメ用に使った。

Live-MOSの原型といい、シャープのFITでのデジカメ用撮像素子と言い携帯電話のデジカメ機能というと軽く見がちであるが、撮像素子メーカーから見ればデジカメとは桁違いの需要があるので、最新技術でしのぎを削っている様である。こういう携帯電話、あるいはデジカメでの新技術を移植し安い小さなサイズの撮像素子というのはフォーサーズの隠れたアドバンテージかもしれないと思った。

電子式ぶれ補正、今は妄想に近い感じもするがもし各社の暗躍がスタートしているとしたらこの機能の登場は意外に早いのかもしれない。要注目の技術だ。

by hiro_sakae | 2007-09-17 00:30 | オリ特許関係


<< 小梅の望遠      改めてオリンパスブルーと言われ... >>