2007年 10月 13日
下のコメントでは、皆さんネガティブ。(笑)越渓さんが唯一、これをあり得るという前提で解説している。この(恐らくガセだと思うが、、)噂の微妙なところは、sell(売却)だけでなく、sell/merge(合併)となっているところだろう。私がこのsell/mergeに引っかかるのは、これがガセだとしても私にとっては良くできたガセだと思ったからだ。 「でも、これってオリンパスのE-systemが三洋になっちゃうだけで売却代金もらうメリットしかないじゃん。ファンとしては許せな~い」もちろん、その通りそれなら私も反対だ。ただ、そんなことはない。これを字面どおりsellしてmergeするからオリンパスにとっても悪くない=ファンにとっても悪くないと思うのである。 このガセの創作者は微妙に良いところを突いてきている。 先ず、これを三洋の方から見てみよう。ご存じのように三洋は現在会社再建中の真っ最中で実際のコントロールは既に、大和証券SMBC、ゴールドマンサックス、三井住友銀行連合の管理下にある。そして、彼らの意向は従来の三洋の方針といささか反したところがある。その大きなものが携帯事業と、デジカメ事業の分割・売却である。そして、これは約1年前にその方針が出されている。そして、先にも書いたように三洋は11月末頃には中間決算発表を行う。恐らく再建計画を順調に進めるためにも、この両事業の処理の道筋をつけたいであろうしそれは携帯事業同様、水面下で動いていたはずである。 従って、三洋電機側からすればデジカメ事業は会社分割して外出し、売却してしまいたい事業なのである。三洋電機→売りたいである。 一方で、最近の日経記事で見るように、国内に主要デジカメメーカーはたくさんあり、生産台数は予想に反して堅調に伸びているものの、デジカメで二桁以上の営業利益率が見込め且つ利益率が上昇トレンドの日本企業はキヤノン、ニコン、オリンパスの3社しかない。いわゆるデジカメ勝ち組3社である。(あの未曾有の赤字をファンとして見てきた私としてはオリが勝ち組に入るとは感無量である。)他の会社は恐らく営業利益率で見る限りソニーさん以下一桁台の営業利益率から脱せ無い。 同じ、日経で先頃富士がデジカメ生産拠点を中国へ移管する記事の中でもこの上記3社以外が繁忙の中で利益率を上げられていないことに触れ、再びデジカメメーカーの再編があるのではと言うコメントが寄せられていた。 これらの事から総合すると、、、、 ・三洋電機は、なるべく早い時期にこのデジカメ事業を売却したい。 ・ただ、デジカメ事業は誰でも出来るものではない。買えるのは既存デジカメメーカーに限られる。 ・しかし、現在投資としてみた場合のリターン(利益率)が市場規模増大とは裏腹に低下傾向である。 と言うことだ。ぶっちゃけ「売りたいけど買いませんか」と持っていってもなかなか売れないと言う状況だ。工夫が要る。もしくはお願いを聞いてもらえる先に限られる。彼らはどこに頼みに行くか? となると、もし彼らが3社の中のどれかに打診する可能性があるとしたらオリンパスというのはあり得ると思うのである。 ・元々オリは三洋からみればOEMの主要得意先であり、その縁でフォーサーズにも加盟している等、両社自身が縁が強い関係にある ・売却計画を主導する連合の中で三井住友銀行は三洋のメインバンクであると同時に、オリンパスのメインバンクでもある。 事業会社が商売上(それも同じセグメント)おつき合いがあり、それぞれのメインバンクが同じということだからだ。 ---------------- 一方オリはと言えば、確か今期の決算発表会の席上だったと思うが、医療事業等は今後の展開でM&Aは検討するが、イメージング事業は全く考えていないと言う発言であったと思う。オリとすれば従って当面、敢えて対価を払ってまで積極的にデジカメ部門を買収する必要もないということだろう。確かに、瀕死のところを自社努力でここまで復活したオリンパスである。当然と言えば当然だろう。 しかしだ。例えば、自社製品他日本メーカーのOEM生産に耐えうる程度の水準の3カ国に分散した生産設備と、それに付随するデジカメ関係の技術者等のソフトがほとんどただ同然となればどうだろう?加えて、助けて下さいとお願いされたら、、、、 そんなうまくできるのだろうか?但し、これができるのならこのガセ、妄想は楽しい妄想に変わる。 -------------- 私はこれらの流れからこの文章通り、下記の通りSell/Mergeをすると単純に考えた。 1.まず、前提として三洋のデジカメ事業を分割して、三洋の100%子会社を作っておく。 2.これを三洋デジカメ社としよう。 3.オリンパスイメージングは三洋デジカメ社に対し、DSLR事業を売却する(sell) と、ここで売るのは良いが現在のオリのDSLR事業を買うとなれば相当の対価がいるだろう。そんなお金は三洋デジカメ社はない。従って、 4.三洋デジカメ社は、オリンパスのDSLR事業の買収のために同時に第三者割当増資をする。 5.オリンパス本体が、この第三者割当増資を引き受けて、オリンパスの連結子会社化(merge) で一丁上がりだ。 ポイントは、 仮に三洋デジカメ社の元々の資本金=三洋デジカメ社の価値とすると、現在のオリのDSLR事業の価値と比較すれば圧倒的に後者の方が大きいはずである。 と言うことは、 三洋デジカメ社の元々の出資額<第三者割当によるオリンパス本体の出資額となるために、必ず出来上がりはオリンパスの過半出資となり連結子会社化する。 その後、残っているオリンパス以外の出資分を買い、全額子会社化するかどうかはわからないが、オリンパスとしてはそうしたいだろう。 その上で、今度はこのオリ三洋デジカメ社からDSLR事業以外のデジカメ事業をイメージングの方に移して、本当にE-system専門子会社にしても良いし、またイメージングとくっつけてしまっても良い。まあ自社の子会社間の間の話である。 --------------- となると、疑問はこれでも出来るかもしれないがそれなら単純に 「三洋デジカメ社を買収する」のとこれでは何か違いがあるのだろうか?と言う話だ。 これは、もしこれをつかうならつかうなりの理由があるのだろうとしか言えない。また細かく言うとバリエーションは色々あるだろう。そもそも三洋デジカメ社なるものを作った場合の損益、バランスシートもわからない。例えば、その状態ではめちゃくちゃな状態でこれを買えと言われればこんなおんぼろでは買えないと言うこともあるかもしれない。 後は、合併と単純に言うが、合併も出来るようにする要件もあれば、オリとしても出来れば出来上がり、整理時に三洋デジカメ社ででた欠損金をオリの黒字で税務上埋められるようなスキームを望むだろう。まあ、この辺のテクニックが彼らのフィーのよりどころでもあると言える。(笑) 三洋のデジカメ設備をとってしまうというのなら、悪い話ではない。それこそ、中国であれだけの優良工場を作り上げたノウハウで三洋の海外3カ国の工場を更に磨きをかければ生産拠点の地政学的分散も効く。また、三洋の不採算事業を引き取って上げたというのは企業イメージ的にはマイナスはないだろう。リストラで生産拠点のいくつかをクローズしたオリにとって見れば、非常に廉価な投資で、生産拠点と、技術者を手に入れられるからだ。 と言うのが私の妄想で、この噂にうーむと唸った理由だ。 ■
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by hiro_sakae
| 2007-10-13 00:55
| E,Pen-system関係
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